『網の中 南天の実と 雀遊ぶ』
(あみのなか なんてんのみと すずめあそぶ)
『三日月の 微笑み受けて 冬の宵』
(みかづきの ほほえみうけて ふゆのよい)
『しみじみと 見上ぐる空に 冬の月』
(しみじみと みあぐるそらに ふゆのつき)
『座る向き 心地も悪き 冬電車』
(すわるむき ここちもわるき ふゆでんしゃ)
『破戒僧 北の新地の 冬空へ』
(はかいそう きたのしんちの ふゆぞらへ)
『黄葉や あれはポプラや 銀杏かや』
(こうようや あれはぽぷらや いちょうかや)
『途切れ無き 銀杏落葉の 舞姿』
(とぎれなき いちょうおちばの まいすがた)
『散らざるも 散りても尚よし 銀杏かな』
(ちらざるも ちりてもなおよし いちょうかな)
『さざれ石 千代に八千代に 冬ざるる』
(さざれいし ちよにやちよに ふゆざるる)
『山茶花の 散り続けつつ 咲き続け』
(さざんかの ちりつづけつつ さきつづけ)
『椿好き 山茶花なお好き 散るなかれ』
(つばきすき さざんかなおすき ちるなかれ)