『風の邪気 茶に閉じ込め 冬の暮』
(かぜのじゃき ちゃにとじこめ ふゆのくれ)
『咳き込めば 誰かの風邪も 治るかも』
(せきこめば だれかのかぜも なおるかも)
『風邪予防 つんときたきた たまご酒』
(かぜよぼう つんときたきた たまござけ)
『寒月や 笑顔に見える 期待感』
(かんげつや えがおにみえる きたいかん)
『もみじ葉も 生命短かき 冬木立』
(もみじはも いのちみじかき ふゆこだち)
『金色の 錦潜れば 落葉舞う』
(こんじきの にしきくぐれば おちばまう)
『陽を受けて 銀杏金色の 光持つ』
(ひをうけて いちょうこんじきの ひかりもつ)
『枯れ草の 敷き積もる道 まだ遠し』
(かれくさの しきつもるみち まだとおし)
『山茶花の 匂う垣根に 道寄りぬ』
(さざんかの におうかきねに みちよりぬ)
『便り無く 生きてる証 冬の暮』
(たよりなく いきてるあかし ふゆのくれ)
『冬菫 淡き紫 控え目に』
(ふゆすみれ あわきむらさき ひかえめに)
『山の辺の 霜降る道に 足の跡』
(やまのべの しもふるみちに あしのあと)
『明日夕餉 鰤大根と 宣告さる』
(あすゆうげ ぶりだいこんと せんこくさる)
『咽喉の為 マフラーして寝て しまり悪』
(のどのため まふらーしてねて しまりわる)
『避けられぬ 怒涛の飛沫 冬の浪』
(さけられぬ どとうのしぶき ふゆのなみ)
『冬の水 さざ波ばかり 波立ちて』
(ふゆのみず さざなみばかり なみだちて)
『冬灯り イルミの街の 冷たさよ』
(ふゆあかり いるみのまちの つめたさよ)
『冬桜 咲く程判る さびしさよ』
(ふゆざくら さくほどわかる さびしさよ)
『創句には 筆ペンが良し 冬籠る』
(そうくには ふでぺんがよし ふゆごもる)
『茶に花に 用意万端 冬籠り』
(ちゃにはなに よういばんたん ふゆごもり)
=8400