『玄海の 白浪鎮めて 冬の湾』
(げんかいの しらなみしずめて ふゆのわん)
『枝拡げ 通せんぼするや 冬木立』
(えだひろげ とおせんぼするや ふゆこだち)
『冬木立 孤独なる故 尊けれ』
(ふゆこだち こどくなるゆえ とうとけれ)
『木枯らしや 倒産情報 吹きまくる』
(こがらしや とうさんじょうほう ふきまくる)
『木枯らしの 息の継ぎ間の ひと安堵』
(こがらしの いきのつぎまの ひとあんど)
『冬の波 色白くして 原風景』
(ふゆのなみ いろしろくして げんふうけい)
『冬浪の 向こうに見えし 夢の冨士』
(ふゆなみの むこうにみえし ゆめのふじ)
『枯葉踏む 音を確かめ 枯葉踏む』
(かれはふむ おとをたしかめ かれはふむ)
『くれないの 深みの増して 紅葉散る』
(くれないの ふかみのまして もみじちる)
『冬晴れの 空の青さの ひんやりと』
(ふゆばれの そらのあおさの ひんやりと)