『まだまだに うろこ雲あり 冬の空』
(まだまだに うろこぐもあり ふゆのそら)
『眠り姫 寄りかかられて 冬温き』
(ねむりひめ よりかかられて ふゆぬくき)
『露霜の 置かれし道の 曲がり角』
(つゆしもの おかれしみちの まがりかど)
『白菜の 甘苦き味 舌に残る』
(はくさいの あまにがきあじ したにのこる)
『冷たさも 日増しに増して 十二月』
(つめたさも ひましにまして じゅうにがつ)
『今日また 鍋料理にて 麺は無し』
(きょうまた なべりょうりにて めんはなし)
『黄葉の ポプラか銀杏か 十二月』
(こうようの ぽぷらかいちょうか じゅうにがつ)
『来年の 契約が来て 年の暮』
(らいねんの けいやくがきて としのくれ)
『数え日の 楽しみ少なく 指を折る』
(かぞえびの たのしみすくなく ゆびをおる)
『十九日 二十九日は 忘年会』
(じゅうくにち にじゅうくにちは ぼうねんかい)
『楽しみも 年々遠き クリスマス』
(たのしみも ねんねんとおき くりすます)
『冬枯れは 葉の散り終えた 姿かな』
(ふゆがれは はのちりおえた すがたかな)
『この頃は 屋台のはしごの 懐かしき』
(このころは やたいのはしごの なつかしき)
『冬日向 三しか知らぬ 口曲り』
(ふゆひなた さんしかしらぬ くちまがり)
『水洟や 青洟遠く 故郷は』
(みずばなや あおばなとおく ふるさとは)
『クリスマス 馬小屋ありや 法隆寺』
(くりすます うまごやありや ほうりゅうじ)