『足早に 仕事納めたる 師走かな』
(あしばやに しごとおさめたる しわすかな)
『冬の朝 イルミを見れば 枯木啼く』
(ふゆのあさ いるみをみれば かれきなく)
『寒風も このくらいのが 適度なり』
(かんぷうも このくらいのが てきどなり)
『木枯しや 百五十日の 命綱』
(こがらしや ひゃくごじゅうにちの いのちづな)
『濡れ落葉 音も湿りて 足重く』
(ぬれおちば おともしめりて あしおもく)
『夜長し 雨の夜の音 小夜時雨』
(よるながし あめのよのおと さよしぐれ)
『凩や メタボもくそも 腹の中』
(こがらしや めたぼもくそも はらのなか)
『陽を受けて 生駒の山も 眠りたる』
(ひをうけて いこまのやまも ねむりたる)
『山茶花の 匂いの中に 歩を止めて』
(さざんかの においのなかに ほをとめて)
『木に残る 枯葉に情の 移りけり』
(きにのこる かれはにじょうの うつりけり)
『生垣の 裏で繁盛 山茶花よ』
(いけがきの うらではんじょう さざんかよ)
『冬の薔薇 隣の席の 華やかさ』
(ふゆのばら となりのせきの はなやかさ)
『雨空を 機影南へ 冬の朝』
(あまぞらを きえいみなみへ ふゆのあさ)