『まぶしさに 顔を歪めて 冬の午後』
(まぶしさに かおをゆがめて ふゆのごご)
『冬ざれて 五里霧中 また遅延』
(ふゆざれて ごりむちゅう またちえん)
『またもかよ 冬の名物 霧遅延』
(またもかよ ふゆのめいぶつ きりちえん)
『冬の霧 下り来たれば 雨の中』
(ふゆのきり くだりきたれば あめのなか)
『道の端の 石を濡らして 時雨来る』
(みちのはの いしをぬらして しぐれくる)
『根性の ある大根が どないした』
(こんじょうの あるだいこんが どないした)
『草草の 冬枯れて行く 先は何』
(くさぐさの ふゆがれていく さきはなに)
『石畳 間に覗く 冬の草』
(いしだたみ あいだにのぞく ふゆのくさ)
『冬の草 上を見やれば 青き空』
(ふゆのくさ うえをみやれば あおきそら)
『大根に チーズ海苔巻き 何ともなや』
(だいこんに ちーずのりまき なんともなや)
『冬ざれて 飛鳥の川の 堰の音』
(ふゆざれて あすかのかわの せきのおと)
『垣の下 山茶花咲くや 二度ほどに』
(かきのした さざんかさくや にどほどに)
『夜話や 妹もそろそろ 眠る頃』
(よばなしや いももそろそろ ねむるころ)
『雪の中 リヤカー引き行く 祖母の夢』
(ゆきのなか りやかーひきゆく そぼのゆめ)
『枯菊の 露霜まとい あああわれ』
(かれぎくの つゆしもまとい あああわれ)
『敷松葉 茶の色濃ゆく 清々し』
(しきまつば ちゃのいろこゆく すがすがし)