缶詰ブームとな。

世の中、缶詰ブームだとかで、実に様々な商品が市場に出回っているとテレビが言っていた。

と思い出したのは、某イトーヨーカドーでこれを見たから。

ツナとタイカレー。

タイカレーはけっこう好きなので買ってみた。
ん？ツナと？　ツナと、とな？
ツナのタイカレーじゃなくツナとタイカレーなのだね。

で、開けて食べたみた。※画像はパッケージの方が美しいので、それでイメージされたし。

お味。想像してたよりも辛くなくマイルド。なんたっけ、レモン何とかの風味がとてもよく、美味しい。食味としては確かにツナとタイカレーだった（笑）。


缶詰って、ふと思えばたいした奴だ。100年以上も前からあって、缶に詰めるという基本形はなにも変わってない。その存在は不変にして普遍的でもある。
近代ではレトルトなる保存スタイルもあるが、輸出入の手間や携行の利便性を考えるとやはり堅牢な缶詰ということになるのだろう。

昔、腹をちょっと切る程度の用事で入院したことがある。
その時、父親が見舞いに来て、みかんの缶詰を置いていった。普段そんなものを食べているわけでもないのに何故だと尋ねると、栄養をつけろという。
病院食は栄養に過不足がないのだが、昭和ひとケタの父にしてみれば、入院中のみかんはちょっとしたご馳走のようなものだったのか。高度成長期育ちの自分にとってバナナが特別なようなものと同じ感覚か。
ともあれ、断ったにも関わらず置いていったみかんの缶詰だが、しばらく常温で放置したのち（ビンボーな病院で患者用の冷蔵庫なんかなかった）、ひと缶開けると食べきらねばならぬ事情もあって、隣ベッドの爺様とで分けて食べてみた。
これがけっこうイケる。毎日のように友人や昔の彼女が差し入れてくれるケンタッキー何とやらとかハンバーガーの合間に、ちょっとした清涼感あるデザートとなった。
爺様いわく、果物の缶詰は冷たいと酸っぱくていけないらしい。たしかに常温の方が甘くまろやかな気もして、ほう、年寄りの言うことは聞くもんだと感心。
缶詰の実力を思い知った気がしたのだった（今思えばね）。