酔い日は佳い日

日々の食卓、晩酌事情。by こたりん

たまに珍しいものをこさえる。

2014-02-28 | 酒風景
なぜかホットサンドトースターなるものを持っている。何が自分をそうさせたかは分からぬが、十数年前に電気屋で買ったのだった(本当は直火にかけるプロっぽいのが欲しかったが、そんなものはどこで買って良いか分からなかった)。
喫茶店にしかないものを家で食べられるぞと、きっと自分はほくそ笑んでいただろうと思われるが、そんなふうに衝動買いしたものは大概お蔵入りとなる。

それはドカベン位の大きさで、ホットサンドトースターと名前が付くくらいだから、ほんとにホットサンドを作るのにしか使えない。クレープを焼くホットプレート同様、使うよりしまっておく時間の方が断然長い。使用頻度は多分家にある道具と呼ばれる物の中で最も低い。

が、なぜかなぜか、それを肴にワインでも呑んでやりましょかという気になり、ホットサンドトースターはまさに10年(以上)ぶりに通電の日の目を見たのである。


なんて前置きが長いから…


ほら、とろけるチーズがはみ出した(笑)。

長年しまい込んであったので不安はあったが、問題なく作動し、美味しそうに焼けたではないか(相変わらず盛り付けはセンスがないけど)。
というか、きちんと美味しくて、ふと思い立ったワイン晩酌は大成功なのだった。


ところで、ホットサンドって何だ?
いつ誰が思いつき、わざわざ挟んで圧力かけて焼き上げたものか。
よーく考えてみたら何かしら存在感の頼りない(あってもなくても構わない)、妙ちくりんな料理である。だからそれを焼くトースターそのものも、なにかしら疎ましい(笑)のだ。
ただ、四方が焼き固められているので、普通のサンドウィッチに比べ、かぶりつくと具がずれたり落ちたり(時にはキュウリが向こうに飛んでったり)しないというメリットはある。
あ、そのために誰かがパンの四方をとじたのが初まりだったりして。


コールスローサラダを添え、軽い食事で晩酌は終了。
食いしん坊がそれで足りたのは、昼がこってりだったから。


ちゃんこ屋のきしめん(卵とじ)。

毎月ではないが、年に数度はどうしても食べたくなるものの一つ(昔に比べるとずいぶんと味やボリウム加減が代わったようにも思うが)。
こちらはホットサンドトースターの利用頻度を遥かに上回る。

不可思議な麺

2014-02-27 | 酒風景
昨日はサウナでゆったり。
であるがラウンジでのビールは、どうせなら近所の焼き鳥屋でと思い我慢。

で、焼き鳥屋で晩酌開始。
おっと、いつもの店なのでカメラ出さなかった。

なんとなく楽しくなっちゃって、回転してない寿司屋へ。
握りはオヤジに任せてみれば、相変わらずいいネタだねえ。マグロはいつも通りの限りなく中トロに近い赤身、ウニは上物。
おっと、ここではカメラを出すのははばかられるので美しいウニは撮れなかった。

おまけに昔仕事でお世話になった方とばったり再会。なんとも嬉しいサプライズ。なんという寿司屋だ。
そこでしばし歓談。

そしたらば、ますます楽しくなっちゃって、その後は糸の切れた凧状態。飲み屋のママさんを誘って飲みに出たのだった。

さすがに、それ以上はますます楽しくなることもなく(笑)、お開きってことで蕎麦屋へ。


なんだこりゃ。これではただの飲んだくれ日記である。



そうそう、不可思議な麺。

あたしゃ、こんなの初めて食べましたよ。


なんだ、ただのカレー南じゃん。

いえいえ、もとはこれ。


チーズがとろけるカレーつけ麺。

いつも午前様でお邪魔するこの店では、メニューも見ずにいつもカレー南なのであるが、たまたま隣席に置いてあった刷物にこれの写真が見え、上機嫌の酔っぱらいは、よし何事もチャレンジだとばかりにオーダーしたのだった。


旨かったかって?


ううむ…。

不味いということもないのだが、胃袋より大脳が受け付けない、そんな感じ(笑)。まさに不可思議。

豚に砂糖。

2014-02-26 | 酒風景
風邪気味なのか、エヘン虫がいるようで(今時エヘン虫って使う?というか知ってる?)時々咳がイガイガする。
が、食欲には異常なし。昨日、夕刻まで持ち越したランチの満腹感も、買い物をして家に戻ってみれば、お腹が記憶喪失をおこし何事もなかったように。


いわゆるブタの塩ダレ焼き。
晩酌のお菜(おかず)にしばしばこさえる我が家の定番(晩酌でのこういう料理は「肴」と呼ぶより「お菜」の方が温かい感じがする)であるが、これも「syunkonカフェごはん」に載っていたことをあえてお伝いしたい。

どれどれ、彼女はどんなふうに作ってるのかなと記事を見てみれば、まず肉を砂糖で揉み込めとある。難しいことはしないのがカフェごはんの信条らしいが、レシピには美味しくするための下拵えがきちんと書き添えられているのには感心。
すなわち、砂糖で肉が柔らかくなり、かつ旨みが逃げないという効果があるのだが、著者である彼女にはよほど、いいお母さん、いいおばあちゃん、あるいは有能な先生のどれかがいたんだろうなと、嬉しい勘繰りを入れたくなったりするのだった。

で、お前もそうしてるのかって?

知ってはいたけど、あたしゃそんなテク忘れてました。

近頃は塩麹なんか使うから、いや、それはそれでいいのだろうが、本来ある基本的なコツみたいなものから遠ざかっていくような気も。それではいけませんな。楷書を理解した上で草書を使う、なのだ。

というわけで、砂糖を使った今回のブタ塩。

豚に真珠ならぬ、豚に砂糖による妙味に満足なのだった。


それにしても、豚に真珠とか、食べるとブタになるとか、豚も迷惑な話だな。可愛そうだ。




ううむ、小さな咳が出る。どうか本気の風邪じゃありませんように。

今夜はサウナだな。
サウナ(ミストサウナ)に入ると喉の吸引機を使ったような効果があると勝手に信じている。

満腹。

2014-02-25 | 旨かった話
ここのところ食欲があり、お昼は蕎麦屋でカツ丼セットでもやっつけてやりましょうかと思っていたくらいの今日。

K子嬢よりランチのお誘いありて、ならばとこちらから、気になっていた店へお誘いした次第。
某福祉施設の食堂が、日中は一般のお客さんに軽食喫茶として開放されている、という店である。


シェフのおまかせランチ。
メインメニューは選ぶ余地なし(笑)。本日はサーモンのホイル焼きなのだった。

それはよしとして、ちょっと不思議だったのが、添えのごはん。ライス大中小・パン・サンドウィッチから二品お選びくださいというシステム。



ライスとパンを一緒に食べろと?


どうやら店手作りのパンも売りなんだそうで、ぜひ味わってくださいという。
が、手作りと聞けば味見をしたいので、パンとサンドウィッチの二品を選択。パンはバゲットをフレンチトーストにしたもの。
一方、サンドの方は玉子サラダといちごジャム。これまた?であるが案外美味しい。食後のデザートでもいいわねとK子嬢が仰るほどのお菓子テイストなのだった。

そのほか、温玉、汁物がついて、不覚にも満腹。パンが思いの他ボリウムたっぷりだったのが敗因か。
ただでさえK子嬢との食事は、胸が甘酸っぱいものでいっぱいになるのに(胸焼けではない)、というか、それが少年の心をときめかせるのだが、今回は満腹感に押し流された感じ。


そして夕刻。
膨満感は、いまだ衰えるところを知らず。


今日の晩酌は焼き鳥10本位で済みそうだ。




ああ、くるしぃ。

玉子ふわふわ

2014-02-25 | 酒風景
わあ、玉子がふわふわ~!とかいう、オムレツのありきたりな賛辞とはちと違う。

江戸料理帖にある料理名が玉子ふわふわ。



なんだぁ卵焼きじゃんと思われたかも知れぬが、ちと違う。

鍋に湯を張り、溶いた卵をちょっとずつ、ちょっとずつ入れては、そろりそろりと整形する。また卵をちょっとずつ、ちょっとずつ入れては、そろりそろりと整形する。
レシピはそんな書き方ではないが、経験上、自分がやったことをそのまま書けばそうなった。

これに黒胡椒、炒り酒をかけて頂く。


オムレツのいわゆるトロトロ感はない。ひたすらフワフワ。美味なることこの上なし。

今に伝わる江戸時代の料理は、すべてがそうでないが、とかく酒の肴に好適なのである。
現代ほど便利な調理器具や豊富な調味料がない頃に、調理の「技」を頼りに引き出した「素材感」。これが酒に合わぬはずがないのである。

などと、まるで秋山小兵衛を真似たような饒舌ぶりは、この玉子に凛とした旨さによるものだ。間違いない。
こういう生い立ちを経て、日本料理というものが確立したんだなと実感した次第。


日本といえば、日本選手団が帰ってきましたな。
偶然テレビで見たんだが、成田空港の粋な演出にも「あっぱれ」。