夏休みのコンサートに、二人で「拝啓十五の君へ」を弾いて歌うんだ!と張り切っています。
今日は、先輩格のMちゃんが、「ねえ、M3、二人で合わせてみようよ!」と ピアノの椅子をずらしながら誘っています。
「え~、まだちゃんと弾けないよ・・・」
といいながらも、M3ちゃんも 隣に並べてもらった椅子に座って、弾く体制です。
リードは常にMちゃん。
「はい、いくよっ。いい?せーの!」
指示を出しながら、メロディーを弾いて、伴奏コードを弾いて、歌って、一心不乱です。
M3ちゃんもついていきますが、途中で
「右手しか弾けない~」とアップアップ。
「いいよ、右手で!右手だけでいいから、合わせて!」と先生が応援し、なんとかM3ちゃんもがんばります。
リードしているMちゃんの方だって、まだまだつっかえつっかえなんですから、それはもう二人とも湯気の出るほど真剣にがんばってるのです。
普通、連弾というのは、右側に座った人がメロディー、左の人が伴奏を弾き、二人でひとつの曲を創り上げるものです。
けれど、今 目の前で 一心不乱に格闘している二人の姿をみて、私は、
「いいじゃん。二人がそれぞれ、メロディー&伴奏を弾いても。こんなにがんばって練習してるんだもん。演奏効果より、自分たちで決めて自分たちでがんばって練習したものを、たとえそれがイレギュラーなスタイルでも、堂々と弾けば感動的だ」と思ったのでした。