Sちゃん(小1):
来週の火曜日か水曜日(どっちかはっきりわからないらしく)に、学校で「クリスマス会」があり、何か「得意わざ」を披露するんだ、と言っていました。
「それでね、わたしはピアノを弾こうと思うの」と言っていたのが先週です。
ちょうど、「クリスマス小曲集」というかわいい楽譜集をあげたところでもあり、その中から『きよしこの夜』を弾くことにする!と言って、はりきって練習してきました。
ヒバリ先生は、去年の今頃のことを思い出しました。
10月にピアノを習い始めて3ヶ月目。
Sちゃんがたまたま弾いていた「きよしこの夜」の右手のメロディーに、先輩のY子ちゃんに伴奏ピアノを弾いてもらい、すてきなデュエットをしてビデオに撮って、二人だけのミニミニクリスマスコンサートをしたんだった・・・
あれから1年、幼稚園生だったSちゃんは小学生になり、「きよしこの夜」も一人で伴奏をつけて、完全な形で演奏することができるようになったのです。
感無量ですのう
「きよしこの夜」は、もうすっかり上手に弾けて完成しているのですが、Sちゃんは「わたし、学校のクリスマス会でちゃんと弾くまでは、ほかの曲練習しないで、『きよしこの夜』だけを練習する。だって完璧に弾かなきゃ!」と熱心に言いました。
ふうん、そうなの?もうできあがってるんだから、ほかの曲をやりつつ、これを温存してればいいのに?とは思うけど、7才のSちゃんにとってはじめての学校でのクリスマス会、そしてその場での演奏は たいへん大きな出来事なのでしょう。
心はいっぱいになっているのにちがいありません。
だからそれまでは、新しい曲はやらない、ということにして、今日は変わりに、バーナムをたくさん練習して、聴音のような練習や指のトレーニングや写譜などもやって、普段とはちがう方面でレッスンを充実させました。
途中で、Sちゃんは言いました。
「わたしね、『きよしこの夜』と、もうひとつ、弾こうかと思うんだけど・・・」
そうそう、それがいいじゃない。余裕あるんだから。
「ママは、発表会で弾いた『きらきら星』は?って言うんだけど、わたしは『星に願いを』がいいの」
「星に願いを」は、夏の発表会のときに、やはりY子ちゃんにすてきな伴奏をしてもらってデュエットした曲です。
ほんとにきれいなデュエットでした。でも・・・
「『星に願いを』は、Y子ちゃんに伴奏してもらったんだよね?でも、学校で弾くときは一人になっちゃうよ。伴奏なしのメロディーだけだけど・・・いいの?」
先生はきいてみました。
Sちゃんは、ちょっと考えて「うん。いいの」と はっきり答えました。
そうだね。Sちゃんの大好きな「星に願いを」。それと「きよしこの夜」と2曲を、心をこめて演奏したらいいよ。
大人から見れば、演奏映えのする、テクニックもきらびやかな「きらきら星」の方がかっこいいのに・・・と思うでしょう。
単音だけの「星に願いを」じゃ、しょぼいんじゃない?とも思われるでしょうね。
でも、それは違う。
Sちゃんの心の中には、すてきな「星に願いを」のサウンドが、今もはっきり残っているのでしょうし、尊敬する先輩、Y子ちゃんと二人で弾いた嬉しい思い出も、よみがえってくるのに違いありません。
その「音楽」を、そしてその「瞬間」を再現するのですから、少しもしょぼくなんかありません。
たとえ学校での演奏は電子ピアノでも、そして出てくる音は単音のメロディーだけでも、それを弾いているSちゃんの心の中では、Y子ちゃんと二人での美しいデュエットサウンドが いっぱいに鳴り響いているんですから。
この「見えないものを見、聞こえない音を聞く」ことのできる柔らかな子どもの心は、かけがえのない貴重な宝。
ぜひ大切に尊重してあげたいと思います。
「人前でいいところを見せよう」というあざとさなど少しもなく、ただただ自分が美しいと思う曲を弾きたい、という純粋な子どもの気持に拍手を送りたいと思います。
今日、Sちゃんは、こんなことも言いました。
「わたし、バレエも習ってるでしょ。バレエもピアノも、どっちも好きなんだけど、気がついたことがあるの。バレエとピアノは、似てることがあるなあって。バレエは、音楽が大事でしょ。それから、ピアノは、踊れるように弾かなきゃいけないでしょ。だから、どっちもおなじことが大切」
「えらいっ。よく気がついた」
Sちゃんは、嬉しそうに笑いました。
ダンスと音楽、どちらも「芸術」という 大きな世界の一部。
表現スタイルが違うだけで、どの芸術も 人の心を幸せにする美しいものです。
これからも、芸術の心を大切に育てていってね。
来週の火曜日か水曜日(どっちかはっきりわからないらしく)に、学校で「クリスマス会」があり、何か「得意わざ」を披露するんだ、と言っていました。
「それでね、わたしはピアノを弾こうと思うの」と言っていたのが先週です。
ちょうど、「クリスマス小曲集」というかわいい楽譜集をあげたところでもあり、その中から『きよしこの夜』を弾くことにする!と言って、はりきって練習してきました。
ヒバリ先生は、去年の今頃のことを思い出しました。
10月にピアノを習い始めて3ヶ月目。
Sちゃんがたまたま弾いていた「きよしこの夜」の右手のメロディーに、先輩のY子ちゃんに伴奏ピアノを弾いてもらい、すてきなデュエットをしてビデオに撮って、二人だけのミニミニクリスマスコンサートをしたんだった・・・
あれから1年、幼稚園生だったSちゃんは小学生になり、「きよしこの夜」も一人で伴奏をつけて、完全な形で演奏することができるようになったのです。
感無量ですのう
「きよしこの夜」は、もうすっかり上手に弾けて完成しているのですが、Sちゃんは「わたし、学校のクリスマス会でちゃんと弾くまでは、ほかの曲練習しないで、『きよしこの夜』だけを練習する。だって完璧に弾かなきゃ!」と熱心に言いました。
ふうん、そうなの?もうできあがってるんだから、ほかの曲をやりつつ、これを温存してればいいのに?とは思うけど、7才のSちゃんにとってはじめての学校でのクリスマス会、そしてその場での演奏は たいへん大きな出来事なのでしょう。
心はいっぱいになっているのにちがいありません。
だからそれまでは、新しい曲はやらない、ということにして、今日は変わりに、バーナムをたくさん練習して、聴音のような練習や指のトレーニングや写譜などもやって、普段とはちがう方面でレッスンを充実させました。
途中で、Sちゃんは言いました。
「わたしね、『きよしこの夜』と、もうひとつ、弾こうかと思うんだけど・・・」
そうそう、それがいいじゃない。余裕あるんだから。
「ママは、発表会で弾いた『きらきら星』は?って言うんだけど、わたしは『星に願いを』がいいの」
「星に願いを」は、夏の発表会のときに、やはりY子ちゃんにすてきな伴奏をしてもらってデュエットした曲です。
ほんとにきれいなデュエットでした。でも・・・
「『星に願いを』は、Y子ちゃんに伴奏してもらったんだよね?でも、学校で弾くときは一人になっちゃうよ。伴奏なしのメロディーだけだけど・・・いいの?」
先生はきいてみました。
Sちゃんは、ちょっと考えて「うん。いいの」と はっきり答えました。
そうだね。Sちゃんの大好きな「星に願いを」。それと「きよしこの夜」と2曲を、心をこめて演奏したらいいよ。
大人から見れば、演奏映えのする、テクニックもきらびやかな「きらきら星」の方がかっこいいのに・・・と思うでしょう。
単音だけの「星に願いを」じゃ、しょぼいんじゃない?とも思われるでしょうね。
でも、それは違う。
Sちゃんの心の中には、すてきな「星に願いを」のサウンドが、今もはっきり残っているのでしょうし、尊敬する先輩、Y子ちゃんと二人で弾いた嬉しい思い出も、よみがえってくるのに違いありません。
その「音楽」を、そしてその「瞬間」を再現するのですから、少しもしょぼくなんかありません。
たとえ学校での演奏は電子ピアノでも、そして出てくる音は単音のメロディーだけでも、それを弾いているSちゃんの心の中では、Y子ちゃんと二人での美しいデュエットサウンドが いっぱいに鳴り響いているんですから。
この「見えないものを見、聞こえない音を聞く」ことのできる柔らかな子どもの心は、かけがえのない貴重な宝。
ぜひ大切に尊重してあげたいと思います。
「人前でいいところを見せよう」というあざとさなど少しもなく、ただただ自分が美しいと思う曲を弾きたい、という純粋な子どもの気持に拍手を送りたいと思います。
今日、Sちゃんは、こんなことも言いました。
「わたし、バレエも習ってるでしょ。バレエもピアノも、どっちも好きなんだけど、気がついたことがあるの。バレエとピアノは、似てることがあるなあって。バレエは、音楽が大事でしょ。それから、ピアノは、踊れるように弾かなきゃいけないでしょ。だから、どっちもおなじことが大切」
「えらいっ。よく気がついた」
Sちゃんは、嬉しそうに笑いました。
ダンスと音楽、どちらも「芸術」という 大きな世界の一部。
表現スタイルが違うだけで、どの芸術も 人の心を幸せにする美しいものです。
これからも、芸術の心を大切に育てていってね。