HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

Mちゃん・ボサノヴァの練習♪

2012年05月25日 | レッスン日記(小中高生)
Mちゃん(中2):
毎週、仲良しのM3ちゃんと二人そろってレッスンにやってきます。
いつもM3ちゃんが先にレッスンを受けるので(なぜか順番が決まってる)、自分の番まで待っている45分ぐらいの間、Mちゃんはエレクトーンで練習をします。
M3ちゃんがピアノのところに行くと、Mちゃんは自分でさっさとエレクトーンのところへ入って、スイッチを入れ、ヘッドホンをつけて、練習を始めます。
先生が、M3ちゃんのレッスンをしながら、時折チラッとエレクトーンの方を見ると、そのたびに、一心に練習しているMちゃんの後ろ姿があります。
バスケット部に入っていて、多分 家で練習する時間がないと思うので、その分 Mちゃんは教室で練習しているのでしょう。
(M3は、今日 合奏の譜面をあげたので『待ってる間エレクトーンで練習してて』と言ったら、1回でやめたぞ。でも彼女は、家でちゃんと練習してくるからいいんだと思う。教室では、まったりオヤツ食べてマンガ読んで待つのがいいんだろうね)

さて、M3ちゃんのレッスンが終わって、Mちゃんの番です。
ボサノヴァの「イパネマの娘」。
毎週、少しずつ区切ってレッスンしていますが、今は最初の1コーラスが終わって、アドリブに入ったところです。
ボサノヴァの左手は、リズムがとっても難しいのですが、Mちゃんはリズム感がいいし、音楽センスもいいので、しっかりとレッスンに食いついてこれます。
最初の1コーラスは もう暗譜ができて、すごくいい感じのノリで弾けるようになってる!
「よくなったね~\(^O^)/ 気持ちいいでしょ、これぐらいノリノリで弾けると
「\(^O^)/うん! 気持ちいい
先生も共感してしまうような、軽快なボサノヴァが弾けている!
さあ、かっこよさの極致、アドリブを制覇しようじゃないか。

こういった曲の右手は、1にも2にもアーティキュレーションと呼吸です。
どんなに難しい譜面を弾きこなしていても、アーティキュレーションがダサかったら どーにもなりません。
そういうわけで、1フレーズずつ ほとんど口移しで、ニュアンスを伝えていきます。
生徒にセンスがなかったら ものすごく難しいレッスンだと思うけど、Mちゃんは的確に、先生の意図をつかんで再現してくれます。覚えるのも早い。
「なるほど。ここで切って、こう弾くんだね。だけど難しい~」
「難しいけどね。・・・毎度ピアノで練習できなくても、声で歌って覚えてもいいんだよ。歌がスラスラ歌えるってことは、ピアノでもすぐ弾けるってことなんだから。今日やったところ、歌える?」
Mちゃんは歌ってみました。
合唱団に入ってたんだから、音程は確かだし声も出る。
今日やったアドリブのメロディーが、見事なボサノヴァ・スキャットで保存されてます。
それなら大丈夫だよ。
エレクトーンで練習したり、スキャットで覚えたり・・・
いろいろ工夫しながら、かっこいいボサノヴァを目指そう。

M3ちゃん・地雷注意!- 「シ♭」の魔力

2012年05月25日 | レッスン日記(小中高生)
M3ちゃん(中2):
今年の発表会で、ショパンの「ワルツ・遺作ホ長調」を弾くことになりました。
華やかな美しさもあり、ちょっぴり切ない部分もあるこのワルツは、early teensに足を踏み入れたM3ちゃんにぴったりです。
本人も、とても気に入ってるようです

ところが!
なんとこの曲の中のあちこちに、思わぬ落とし穴●地雷が埋まっていたとは 誰が予想したであろうか。

このワルツは「ホ長調」。調号で言うと、♯がド・レ・ファ・ソ と4つについています。
シャープ系の調ですから、当然 ♭はひとつもついていません。
それなのに!
M3ちゃんが、譜面をたどりながら ポツポツと音をさぐっていると・・・
楽譜に「シ」の音を読みとるやいなや、M3ちゃんの指は反射的に「シ♭」を弾いてしまうのだ。
「シは♭じゃないよ!」
「あ、そうか
M3ちゃんはすぐに弾き直すんだけど、次の小節に「シ」を見ると、またもや指は「シ♭」に。
「シは♭じゃな~い!」
「あ、そうだ
シだけではない。
ミの音が出てきても、M3ちゃんは♭にしてしまう。
どんなにどんなに「♭を弾いちゃいけない!」と固く決意していても、目の前に「シ」や「ミ」が現れると、心とは裏腹に、指は夢遊病者のように黒鍵へと吸い寄せられていく・・・

これは、初級から中級ぐらいになったピアノ学習者の多くが侵される、「シ♭過敏症」という恐ろしい病気です。
ほかにも、中級者がかかるポピュラーな病気として、「ファ♯過敏症」という病もあります。

「シ♭過敏症」患者であることが明白となったM3ちゃんにとって、ホ長調のこのワルツは地雷だらけ!
あそこにも、ここにも、シやミがいっぱい潜んで、M3ちゃんを黒鍵へと誘い込むのです。
Here, there and everywhere...

「シもミも♭じゃな~い! ぜったい、黒鍵弾いちゃダメだよ。ほら・・・ほら・・・指が黒鍵へ吸い寄せられていってる」
「ほ、本能が・・・本能が♭を求めている・・・苦しい・・・」
M3ちゃんは、楽譜の余白に大きく「本能に負けない」と書きました。
♭を弾きたい・・・でも弾いちゃいけない・・・という「♭絶ち」は、それはそれは苦しいものです。
禁断症状も現れて、指が震えたりするかもしれません。
けれども、負けずにがんばって「♭の誘惑」に打ち勝ちましょう
そうして 苦しい修行に耐え抜いていけば、いつの日か必ず「シ♭過敏症」や「ファ♯過敏症」は治っていくものです。
がんばれM3