HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

C.ロリン「プレリュード」

2012年05月27日 | レッスン日記(小中高生)
Tさん(大人):
今年の1月にピアノを始めて、4ヶ月たちました。
といっても、月2のレッスンなので、回数にすると8回ぐらいです。
指のエクササイズや音階練習などの基礎訓練の他、演奏の実践レッスンとしてC.ロリンのプレリュード曲集を教材にしています。
14曲ある、さまざまな調やさまざまなイメージを持つ曲の中から、毎回、Tさんが選んで練習してきた1曲をレッスンしています。
今日は、三連符のバラード風伴奏がついている、ハ長調のプレリュードでした。

Tさんの楽譜を見たら、レッスンに先立って あちこちにいっぱい、書き込みがしてありました。
クレッシェンドやデミニュエンドの記号の上の空いてるスペースに、なんかグラフみたいな曲線が うねうね~~と描いてあったり。
D.C.で最初にもどる部分には、冒頭メロディーのピックアップらしき音符が書いてあったり。
中間部の、クライマックスに向かうパッセージのところには、小節ごとに 1拍目になんかチェックが入ってる・・・
普段はお仕事だから週末ぐらいしか練習できない、と聞いてたけど、その中で、一生懸命練習してるんだな~。
そうだ、確か前回、クレッシェンドやディミニュエンドの使い方とかのアドバイスしたんだった。
その成果が、この うねうねか
小節ごとのチェックは、多分ここでベース音がほしいと思ったんだよね・・・
などなど、たった2ページのプレリュードですが、この曲をすてきに弾きたい、というTさんの気持ちが表れています。

気持ちはいっぱいあっても、彼の書き込みのすべてを生かす、というのは、なかなか難しいです。
理由はテクニック的なこととか、楽典的なこととか、いろいろなんですが、でも、Tさんの気持ちは、充分理解できました。
なので、彼の意図を最大限に取り入れつつ、音楽的にも正解である、というような『折衷案』を考えて、曲にアレンジを加えていきました。
「D.C.で戻ったときは、ピックアップを生かしてメロディーの方を1オクターブ下で弾いたら?その分、左手のバッキングを高音域で弾いて」とか、
「ここでベースがほしいのはわかるんだけど、そのために左手を離すわけにはいかない。しょーがない。ベースは弾いてあげましょう」とか
概(おおむ)ね、Tさんのイメージに沿ったアレンジが仕上がったと思いますが・・・ どうかな?

Tさんは、単に「ピアノを弾きこなせるようになりたい」というのじゃなく、音楽そのものを究めていきたいんだと思います。
今使ってる、アメリカの キャサリン・ロリンさんが作ったこの「プレリュード集」は、そのためには なかなかいい教材だと思います。

それはいいんだけど・・・しかし、この、日本語版のタイトル何とかならんかね。
「ピアノdeプレリュード」ってさ・・・
だれが考えたんだろ?
オリジナルの英語タイトルは、ただの「Pleludes For Piano」っていうんだよ?
ま、日本語タイトルちっちゃくて、あんまり目立たないからいいけど。