三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

未来のサムライミュージシャンズ発掘コンテスト 優秀賞受賞!

怒。

2017年06月03日 | 三味線のはなし
私が津軽三味線を手にしたのは大学1年の冬。
遅すぎたスタートだとは思っていないし、
それ以前にピアノを弾いてたりバンドをやってたりしたことが
回り道だとかムダだったとも思わないけれど、
もし、もう少し早く出会っていたら…と思わずにいられないのは
初代高橋竹山師の演奏を生で聴きたかった。
その一点に尽きる。

先日、初代のコンサートに行ったことがあるという方にお会いしました。
曰く、初代の演奏はとてもエネルギッシュで迫力があった、と。

竹山流の津軽三味線は「叩かない」といわれますが、
他流の津軽三味線のようには叩かないけれど
芯の強い音だという形容も昔何かで見た記憶があります。

そして、その方が言うには
初代の音には”怒り”が感じられた、と。

なるほど。怒り、か。
そうかもしれない。
そういう言い方は初めて聞いたけど、鋭い。

きっと、ああいう音、ああいう演奏が出来る人は
現代には現れないのだと思う。
当然、私にも手の届かない音。
失われた音。

津軽三味線ひとり旅 (中公文庫)
高橋 竹山
中央公論新社


この自伝を読むと、
私なんかが津軽三味線を弾いてていいのかと思ってしまうことがある。
今の津軽三味線はもう何か別のものになったのかもしれない。
それはそれでいいのだけど。

コメント
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