楽しんでこそ人生!ー「たった一度の人生 ほんとうに生かさなかったら人間生まれてきた甲斐がないじゃないか」山本有三

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サッカー

2004年12月30日 09時59分00秒 | つれづれなるままに考えること
(サッカー)
ボクは学生時代サッカー部に所属していた。
中学から大学まで10年間。
当時サッカーなどというスポーツは、
実にマイナーなスポーツであった。
ボクが通った学校は、
先生も日本語が話せない外国人が多い
ミッションスクールであったから、
サッカー部といったが、
他の学校では蹴球部と呼んでいたことからも
分っていただけると思う。

したがって学校から支給(?)される部費も、
その額が少なく主将は部の運営に困っていたようである。
何と言っても、一年間に使うボール代位にしかならなかったらしい。
遠征費も自腹なら、新しいユニホームは、
三年に一回新調できれば上出来であった。

四年間の学生生活を終えて就職し、初任給が13500円の時代に
サッカーのシューズが3000円もした。
50年も昔のことだ。

現代のように猫も杓子もサッカー。
しかもサポーターと呼ばれる応援団まで居る時代とは違って、
試合があっても誰も観に来ないし、野球やラグビーならともかく
応援団さえそっぽを向いていた。
そんな時代。

ルールも今では理解してもらっているようだが、
オフ・サイドなんていう難しいルールは、
中学三年の時やっと覚えた。
ルールを覚えるのも三年後でよかったのである。

当時からフォワードのツウ・トップで戦う戦法は有ったが、
通常はフォワード五人、ハーフバック三人、フルバック二名、
それにキーパー1名の構成でゲームを行った。
今では、ハーフバックはミッドフィルダ―という。

最近、草サッカーを見ていると、
フォワード五人の戦法を基本としているようだ。
下手なプレーヤー同士のゲームでは、これが戦いやすそうである。
フォワード(攻撃する人)5人に対して、バック(防御する人)が
5人――ハーフバック3人(中堅で攻撃と防御を受け持つ)
+フルバック2人(防御するひと)――でほぼマンツーマンで
攻撃と防御がなされる。

当時でも1ゲーム90分で、走る距離は平均16km、
その内、全速力で走るのは3千mと言われたが、
今の選手たちは、もっと沢山走っている。

当時の大学生選手を集めてゲームをしても、
多分、今の中学生と互角の勝負になるのではないか。
それほど技術面では劣っていたと思われるが、
そんな歴史があって、今のサッカーがある。

当時、合宿というと、お休みの教室に体操部のマットを敷いて
ベッド代わりにし、毛布一枚で寝泊りした。
食糧不足が続いていたので、一週間合宿をすると、
お米を二升だったかを持ち込み、
近くの食堂で朝昼晩の食事のお世話をお願いする。
勿論、おかず代は別に支払う。

練習は卒業生の先輩が来て基礎体力が必要と、
朝6時起床、朝食前に10kmのランニング。
ランニングといっても、途中で先輩の掛け声と共に
ダッシュあり、反転してバックすることもあり、
帰ってくれば10kmであるが、実質15kmは走った。
この練習のすごさは表現が難しいが、
初日と二日目は、筋肉痛で階段を登ることは出きても、
降りるときは前向きでは降りることが出来ず、
後ろ向きでやっと降りることが出来るほどであった。
トイレに入っても、やっとの思いでしゃがむことは出来ても、
用を足したあと、立ち上がるには自力では不可能で、
目の前にある水洗用の水道管に掴まって、
立ち上がれなければならなかった。

人間の体はよく出来ていて、一度体験すると、
その経験に順応して筋肉が出来上がり、
その後は痛みが日に日に無くなっていくのは不思議だ。

それに練習もハードであるから、夜は食事をして風呂に入ると
おしゃべりをする暇も無く、前後不覚に眠ってしまう。
朝、先輩に叩き起こされるまで、誰一人として
先輩が来る前に起きているものはいない。

そんな脇目も振らぬ合宿生活を過ごしてくるから、
チームの結束も固く、先輩後輩の秩序も保たれ、
先輩はよく後輩を指導した。
間違っても法に触れるような行いは、徹底して禁止された。
だから卒業後も、先輩後輩のかんけいは兄弟のようで、
いくつになっても兄弟付き合いが出来る。

報道にあった××大学のサッカー部のように、
余計なことをしている暇など無かったし、
もしそんな暇があると、「駆け足グラウンド何週」
の命令が飛んだものだ。
また、学業の成績がある一定限度以下の場合や、
必要単位が取れない場合も、休部を命じられた。
暗黙の伝統的な規則は、建設的で社会秩序を守るものであった。

そんな学生時代が懐かしく思い出されるのも、
年をとった所為であろうか?




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