(雲巌時入り口の朱塗りの橋は瓜瓞橋(りてっきょう)
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(那須・黒羽7)
黒羽から雲巌寺までの長い道のりは全て上り坂になっている。
今でも道路に人の姿を見るのは稀で、行きかう車も少ない。
滞在先の浄法寺邸から12kmも先にある、
そんな山の中に位置する「東山 雲巌寺」を、
芭蕉が訪ねたのは何故だろう。
それは雲巌寺の山中に仏頂和尚の庵があったからだ。
芭蕉が深川にいたとき、同じく深川の臨川寺に仏頂和尚がいて、
芭蕉と交流があったからだ。
黒羽 雲巌寺を訪ねた芭蕉は、「おくのはそ道」に次のように書いている。
「当国雲巌寺のおくに、仏頂和尚山居跡あり。
・縦横の五尺にたらぬ草の庵
むすぶもくやし雨なかりせば
と、松の炭して岩に書付侍りと、いつぞや聞こえ給ふ。
―中略ー
山はおくあるけしきにて、谷道遙に、松杉黒く苔したりて、
卯月の天今猶寒し。十景の尽る所、橋を渡って山門に入る。」
・縦横の五尺にたらぬ草の庵
むすぶもくやし雨なかりせば
と、松の炭して岩に書付侍りと、いつぞや聞こえ給ふ。
―中略ー
山はおくあるけしきにて、谷道遙に、松杉黒く苔したりて、
卯月の天今猶寒し。十景の尽る所、橋を渡って山門に入る。」
仏頂和尚の庵は縦横五尺に足りぬ庵は、
今のメートルに直せば150cm四方の広さであった。
雨風さえ防ぐ事が出来れば良かったと思われ、
禅僧にふさわしい住まいであったように思われる。
ここで詠んだ芭蕉の俳句は、
・啄木(きつつき)も 庵はやぶらず 夏木立
であるが、この庵を想像すると、芭蕉の気持ちが良く理解できる。
きつつきも、高徳の僧侶が住む庵はつつくことなく、
安泰であろう、と詠んだに違いない。
(現在は仏頂和尚の山居の跡は、
通行止めになっていて見ることはできない。)
(仏頂和尚山居入り口と思われる所、閉鎖されている山道)
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この文中にある、
「山はおくあるけしきにて、谷道遥かに、松杉黒く苔したたりて・・・」
は、山や谷のある景色、遥かに長い道のり、松や杉が天を覆い、
苔むした岩からは清水がしたたり落ちている。
そんな様子が良く表現されている。
その後に続く「十景の尽る所、橋を渡って山門に入る。」
の「十景」は曾良の俳諧書留に、
十景、五橋、三井が記されているので、理解できたが、
それがどこにあるのかが解からなかった。
雲巌寺に行き本堂で頭を下げる段になって、
賽銭箱の横に「東山 雲巌寺」の小冊子があり、
金千円なりで求めることが出来るが、
その小冊子の裏表紙に、
地図入りで十景、五橋、三井(さんせん)が掲載されていた。
(雲巌寺十景、五橋、十井が載っている冊子の裏表紙)
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それによると、十景の内、海岩閣、十梅林、飛雪亭、は無くなっており、
竹林塔は立入禁止で確認できない。
確認できるのは、鉢盂峰(はつうほう)、玉几峰、竜雲洞、水分石、千丈石、
玲瓏岩である。
五橋はすべて確認でき、三井は、岩虎井、神竜池、はあるが立入禁止で確認できず、
都寺泉(すうずせん)は何処にあるかも不明である。
(竹林塔はこの観音堂の後あたりに)
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先ず十景の内、鉢盂峰(はつうほう)、玉几峰、竜雲洞については、
方丈、仏殿、山門をむすぶ一直線上を南に向った山を鉢盂峰(はつうほう)、
鉢盂峰(はつうほう)の左へ延びるなだらかな稜線を玉几峰、
さらに左にある山の頂きが竜雲洞を指している。
水分石、千丈石、玲瓏岩は、五橋のうちの一つ、
独木橋(どくもっきょう)の廻りにある。
(方丈を背に鉢盂峰、玉几峰、竜雲洞が見える)
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(水の流を分けている水分石)
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(白糸の滝が流れる千丈石)
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(紅葉に染まる玲瓏岩)
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北西の背後を山で囲まれた雲巌寺は、
南東を武茂川で囲まれている。
雲巌寺に入るには、囲まれた武茂川を渡らなければならず、
渡るのに必要なのが五橋となる。
五橋の最初は独木橋(どくもっきょう)、
雲巌寺入り口の朱塗りの太鼓橋が瓜瓞橋(りてっきょう)、
雲巌寺裏門前の橋が瑞雲橋、
これを過ぎて道なりに進むと右手にある涅槃橋、
最後が梅船橋で、
この五橋が、雲巌寺の前面を取り巻く武茂川を渡る橋である。
(独木橋)
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(五橋の一、瓜瓞橋(りてっきょう)雲巌寺入り口の朱塗りの橋)
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(瑞雲橋)
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(涅槃橋)
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(梅船橋)
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(武茂川)
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さて最後に三井であるが、神龍池は方丈の東にあるようであるが、
立入禁止で確認できず、巌虎井は三仏堂前の庭にあるが、
これまた立入禁止で柵の中に入れずおよその場所を、
カメラにおさめたが、確かな場所はわからない。
都寺泉(すうずせん)にいたっては場所もわからない。
(三井の一、巌虎井は木の根元あたり(推測)
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しかし芭蕉は、「十景の尽る所、橋を渡って山門に入る。」とあるから、
十景を観て、橋を渡って雲巌寺に入ったのであろう。
(十景の一、美しい十梅林跡)
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・山深き 紅葉にひそむ 雲巌寺 hide-san
奥の細道は、最上川の手前で、
止まっております。
新型コロナの自粛のせいですが、
その2年の間に年齢を重ね、動くのが難しくなってきました。
つづけられたら これ以上の幸せはありません。
安楽の地でもあり、ですね。
極楽の世界って、この雲巌寺のような気がします。
さわやかで過ごしやすく静かで、
瞑想が良く似合う場所ですね。
流失後の帰還は水流が収まってから~地形から想像されます。
再構築は信者で…神殿もありますね。
仏神のところの安泰を願うには、長い昇り道が〔苦難を経ての〕
安泰ですね。
水分石…生きて根ついて見守っている印象
のんびり暖かい陽射しの中散歩したいものですね。
残された時間はそう長くないと思いますので、
仲良く過ごさなくちゃね。
いつも ありがとうございます♪(*'-^)-☆
どうぞお大事になさって下さい。
ご本人はいたって気楽なようでも、
ひとつ間違えば命取りになりますね。
北へ向うとおよそ20kmで福島県に入ります。
山が連なっております。
しばらく散歩もしていませんが、一応、無理はせず、お休みしておこうと思います。
徐々に快方に向かっております。
通行止めですか、がけ崩れの
恐れがあるのかな?
ネットの地図を検索してやっと雲巌寺を見つけました。
高くはないけど500~600m級の山の中ですな。
この辺りは行ったことがないので貴兄の画像で楽しませて頂きますからね。