小説好きの私にすれば、少々毛色の異なった本を読みました。
”自分の優位性を示すこと” の意味で使われる「マウント」です。
研究社のルミナス英和辞典の「mount」(マウント)欄には、”山に登る” 等の意味とともに
”交尾で動物の雄が雌の上に乗る”
というのも書かれていました。
現代語の「マウント」の意味をイメージするのに、参考になりそうです(?)。
さて、
マウンティングは人類に備わる「承認欲求」(他者から認められたい、自分を価値ある存在として認めたい )とセットと言ってよいでしょう。
SNSの発達で、誰もが簡単にマウントをとれる時代です。
他人のマウンティングに振り回されることなく、自分も上手に使って人生を充実させよう!
「マウンティングを制する者は人生を制する!」
著者の声高な主張にクスっと笑ったり、なるほどと思ってみたりしながら、読み進めました。
「マウントフルネス」・・・マウントに満ちた
「fullness」(フルネス)・・満ちること
では、いくつかの参考例をお楽しみください。
例:「ミュージカル『オペラ座の怪人』の大阪公演に行かれたんですね。私も数年前にブロードウェイ公園にクライアントからご招待頂いたのですが、本当に素晴らしかったです。大阪はどうでしたか?」
解説:有名なミュージカルのNY公演にクライアントから招待されたことを語り、自信が特別な立場にあることをほのめかす。
似たような事を私は時々言っています。
スペイン料理のレストランにて
「スペインに添乗に行った時にこれ食べたけど、このレストランのも美味しい!」
無意識のうちに、私は仕事でスペインに行ったことあるのよ~。とほのめかしていました。
例:「最近、自分でも不思議なくらいにお金にも名声にもまったく興味がないんだよね。いったいどうしたものか」
解説:「本当に大切なのはお金や名声でなく内面の豊かさである」と語り、世間一般の価値観からの距離を一方的に見せつける。
ひぇ~。これもマウンティングだったんですか?
生活に困っていない人が言えば、そうとも取れるかも。
そのうち、私も似たようなこと言いそう。
「マウントする」ではなく、「マウントさせてあげる」が超一流の処世術だと勧めています。
マウンティング枕詞と著者オススメの一つが
「おっしゃる通りでございます」
デパートの店員さんが会話の中でよく使っています。
確かに、自分の話を認めてもらったようで、いい気持ちになりました。
私も意識して使うようになりました。
クリーニング店のパート受付でお客さんとの会話です。
客 「これ家でも洗えるのよね?」
私 「おっしゃる通りです。でも、新しいうちはクリーニング店にお任せ頂いた方が安心かもしれませんねぇ」
客 「そうよね。じゃあ、お願いするわ」
前置きで相手に対してマウントポジションを提供することが、このテクニックの本質だそうです。
上手にマウントを取ったり、取らせてあげたり。
日々の生活の人間ウォッチングが、楽しくなりそうです。