新薬師寺から白毫寺へ向かう途中に集落の中を流れる小川がある。何気なく通り過ぎてしまいそうになるどこにでもあるような小さな川なのであるが、橋のたもとに板切れが立てられており、消えそうな文字で万葉歌が書かれていた。
万葉歌は、「能登川の 水底さへに 照るまでに 三笠の山は 咲きにけるかも 読み人知らず」とあり、「万葉の旅」でも能登川という題で取り上げられている。歌の意味としては、能登川の . . . 本文を読む
奈良の大文字送り火が行われる高円山の麓に百毫寺と呼ばれる古刹がある。秋、萩の花が咲くころは観光客で賑わうようだが、訪れた時は萩の花も終わるころで訪れる人もまばらであった。 山門をくぐると、長い石段の両側に萩が植えられており、花の季節はさぞかし花の道となって美しかっただろうことを想像できる。 さて、白毫寺は、天智天皇の皇子である志貴皇子の山荘を、死後天皇の勅願により寺院と改めたものと伝わっており . . . 本文を読む