休日はデジカメ持ってぶらぶらと📷

アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

「万葉の旅」をたどる ⑭ ~能登川~

2017-12-25 23:50:02 | 文学をたどる
 新薬師寺から白毫寺へ向かう途中に集落の中を流れる小川がある。何気なく通り過ぎてしまいそうになるどこにでもあるような小さな川なのであるが、橋のたもとに板切れが立てられており、消えそうな文字で万葉歌が書かれていた。
 
 

 万葉歌は、「能登川の 水底さへに 照るまでに 三笠の山は 咲きにけるかも 読み人知らず」とあり、「万葉の旅」でも能登川という題で取り上げられている。歌の意味としては、能登川の水底にさえ照り輝くほどに三笠山に花は咲いているということであろう。咲いている花は何なのであろうか?「万葉の旅」では桜であろうと言っている。一方で山吹という説もあるらしい。人里から少し離れたところに、川の水底さえも照り輝かせるほどの花であれば、桜の花の方が似つかわしい気がする。

 

 能登川は、春日山と高円山の間の地獄谷に発し、白毫寺町、能登川町を過ぎて、国道24号線あたりで、岩井川と合流し、最後に佐保川に注いでいる。おそらく、「万葉の旅」の写真のあたりが、ここらあたりだと思うのだが、すっかり川の両岸がコンクリートで固められていて、すっかりと様相が変わっている。

 

 ただ、「市街をはなれたこのあたり一帯はひっそりと、まだ天平の香をそこここにのこしているようなところだ。」と表現されたこの一帯は、確かに天平とは言わないまでも、まだまだ古い昭和の景色を十分に残しているところであった。山裾のひっそりと存在している集落の中を小川が流れている光景というのもいいもんである。都会の喧騒とは無縁のものであろう。

 

 この道沿いには、ところどころに、小さな石仏が集まっているところがいくつかある。昔の人の素朴な信仰を見るようでもある。

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