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アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

「行政」を変える

2004-11-17 07:54:12 | 読書日記
「行政」を変える
 村尾 信尚 著 講談社現代新書
 一部では話題の三重県庁の行政改革のになった人の本です。三重県庁の経験をもとに、行政改革の基本は情報公開とアカウンタビリイティ(説明責任)であるという視点での行革を説いている。
 内容的には、非常に勉強にはなったが、ちょっときれいすぎる気もするかな。行政の中身は、もっと内も外もどろどろしていると思う。
 しかし、ここまで財政赤字が大きくなり、どの自治体もほぼ破産状態である中、市民国民の方もある程度の覚悟を持って生きていく必要があるんではないか。低負担、低サービスなのか、高負担、高サービスなのか。どのサービスも共有するのではなく、どこかに比重を重くして、どこかを削っていくというように。もはや国債発行などの借金をして、後世につけを回せばいいというわけには行かない状態にはなっていると思う。(どこかの政党のように、福祉・福祉という割に下部組織は反税団体というのはおかしいと思う。負担もしないくせにサービスだけを求めるちゅうのは本末転倒、盗人猛々しいとはこのこと。)
 そのためには行政の情報をできるだけ市民に開示し、問題提起をしていく必要があるのは事実であろう。自分たちの住んでいる地域がどのような方向を進んでいくべきなのかオープンに議論をしていくべきだと思う。また、行政にもそのことを喚起していく仕掛け作りが求められているだろう。まあ、住民投票などもそのひとつか。(ちょっと費用がかかりすぎる気もするが・・・。)
 何はともあれ、職員も市民も今までのように安穏としてられないのも事実である。市がやっているから信用があるなどの寝ぼけた意見は通用しない。考えてみたら競争がないところに進歩はありえないのである。
 僕の経験で言うと、保育所で民間の方が園庭開放などのサービスを始めたところ、今まで反対していた公立が動き始めたという例もある。競争意識をあおることで新たなサービスが提供できることだってあるのである。
 すくなくとも公立だからよくて民間が悪いということはありえない。経験はあるけど、退職金目当てで働いている人と経験はないが、夢を持って希望をもって働いている人とどっちが子どもに良いか考えてみてください。
 とにかく保育所に関しては公立でする必要はないと思う。(ただ一部障害児の受入などの特別保育は必要かもしれないが・・・。)
 ちょっと戻って筆者は義務教育での学区制の廃止もうたっている。確かに教育の現場ももっと市民の方を見るべきではないのか。
 話は変わるが、自分の子どもの運動会を見たとき異常さに驚いた。運動会全種目男女混合である。少なくとも体力的には男女差があるのだから、それを認識するうえでも同じ種目でも別々にするべき必要があるのではないのか。例えば走ることひとつとっても一緒に走ることで、(女の子は特に)自分は一体どの程度の実力なんだろうって理解できないんじゃないのか。あの子に負けたから次ぎ頑張るなどの動機付けが出来ないのではないのか?
 順位づけをはっきりしない。競争をあおるから良くないと言う。しかし、社会には競争はつきものである。早いうちからそのことを教えていく必要はあるのではないか。むしろ競争はあるのだと認め、敗者をどうケアしていくのかを教えていくべきなんじゃないの。だいたい、先生からして競争社会にある程度勝ち抜いた人なんじゃないの。
 最近仕事の関係で学校の先生と話す機会が多い。このことについて聞いたらおかしいと思うといってました。でも直すことには多大なエネルギーが要るとのこと。何かおかしい。
 少なくとも教育の現場も情報公開をしていくことで変わっていくことが間違いなくある。もしかしたら本当に熱意のある人を後押しできることだってある。
(教育委員会については、おかしいなと思うことが実際身の回りにいっぱいあるので又の機会に。)
 最後に、筆者曰く、行政はどこを向いて仕事をすべきなのか。少なくとの役所内の上司でも、国でもない。納税者(スポンサーというか株主というか)を向いて仕事をしていかないかんのである。そのとおりである。このことは案外見落としがちなのである。(ただ、わしら市民やんけ、わかってるのかとほえる連中はややこしい関係の人であるは間違いないが・・・。)
 すくなくともこれからの日本はある種、納税者文化と形作っていく必要があるのである。納税は取られる者ではなく、社会的負担として支払うものなのである。そのためには納めた税金がどう使われているのかちゃんと説明ができるようにならなくてはならない。また、税金を納めた人がおかしいと思うことは説明責任を果たしそれでも納得が得られないのであればその事業はやめるべきなのである。役所も納税者に不公平感をもたないように努力すべきである。考えればそれなりの所得があるから税金がかかるのである。全くないもしくは少なければ非課税になるのである。少なくとも今後とも徴収率の向上は図っていくべきだろうし、今後理由もなく滞納しているもののサービスの提供(一部を除いて)は見合わせるなどの措置を今後検討していくべきではないだろうか。
 本書にも出ていたが、「アポロ13」号の乗組員が確定申告のおくれを心配する。そういう文化を日本でも育てていかないといけない。
 色々なことを書き連ねてきたが、この本は非常によかった。理屈ばっかりこねている本よりはよっぽど参考になった。

 
 
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