●今日の一枚 308●
James Taylor
Sweet Baby James
夜中に目を覚まし、眠れなくなってしまった。波の音がする。最近、波の音が妙に大きい。大津波で松林や家々が流されてしまい。さえぎるものが何もなくなってしまったのだ。だいぶ地盤が下がり、海が以前よりかなりまじかになった。ちょっとした高台に上がればすぐに海が見える。この見晴らしのよさは何だろう。大昔はこんな風だったんだろうか。潮騒の音も、大津波の前と後ではだいぶ印象の違うものになってしまった。
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JTことジェームス・テイラーの1970年作品、『スウィート・ベイビー・ジェイムス』。CDで買ったのはつい半年ほど前のこと(大津波の前だ!)。以前は、ずっとカセットテープで聴いていた。JTの優しさに満ちた声はいい。心が落ち着く。カントリーやブルースの影響を強く感じさせるサウンドは、私の音楽的嗜好の根っこの部分をくすぐるらしく、受け入れやすい。こんな夜には最適の一枚かもしれない。
CDで聴いて感じるのは、格段に音がよくなったということだ。ギブソンのアコーステックギターの響きが生々しい。古いアルバムだが、できれば質の良いオーディオセットで聴きたい一枚である。
外が明るくなってきた。どれ、もう一度、ベッドに入ってやすもうか。