WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

大島の亀山

2021年03月07日 | 今日の一枚(O-P)
◎今日の一枚 475◎
Pat Metheny Group
Travels
 すごい。本当にすごい。
 気仙沼大島の亀山からの眺望のことである。初めてではない。子どもの頃には、家族であるいは学校の遠足で何度も登ったものだ。ずっと登っていなかった。おそらく数十年ぶりだ。地形の輪郭の美しさ。海の輝き。空の青さ。全く別世界のような、圧倒的な存在感に涙が出そうだった。
 三陸道の気仙沼湾横断橋が開通したということで、年老いた父親を伴って大島までドライブした。折角来たのだからと思い、亀山に向かった。歩けるうちにもう一度登らせてみたかった。駐車料金500円を払えば、往復無料のシャトルバスで山頂付近まで送ってくれる。一昨年の大島大橋に続いて、今回横断橋が開通したことで、大島はずっと近くなった。私の家からは15分程度だ。これからちょくちょく訪れることになりそうだ。しばらくぶりに、みちのく潮風トレイル大島一周コースに挑もうか。
 今日の一枚は、パット・メセニー・グループの『トラベルズ』である。1982年7月~11月のライブ録音盤である。美しく、変幻自在のサウンドである。亀山の眺望を見ながら、パット・メセニーの音楽が無性に聴きたくなった。こういうことはよくある。パット・メセニーの音楽は、風景とシンクロすることが多いような気がする。パット・メセニーというギタリストを知ったのは、1988年のライブ・アンダー・ザ・スカイで見てからだと思う。仙台で見た。Goin Ahead かTravels だったと思う。夕暮れ時の空の色に、音楽が妙にマッチしていた。今でも忘れられない。それからずっとパット・メセニーを聴き続けている。

大船渡「百樹屋」

2021年03月07日 | 今日の一枚(M-N)
◎今日の一枚 474◎
Modern Jazz Quartet
Concorde
  昨日3月6日、気仙沼湾横断橋を含む宮城県内の三陸道が全線開通した。早速、横断橋を走ってみたいと、混雑を予想して、15:30の開通から1時間程後に出動した次第である。空いているだろうと考えた岩井崎インターから入り、スムーズに出発。ところが、本線は予想に反して大渋滞。気仙沼中央ICの手前あたりから、トロトロ運転になってしまった。まあ、おかげで横断橋ではゆっくりと眺めを楽しむことができたが・・・。
 とりあえず、陸前高田まで行ってみたが、もうどこの飲食店も締まっており、帰りの渋滞も考えてもう少し時間をつぶそうと、大船渡まで足を延ばしてみた。目的地は「百樹屋」というカレーうどんの店だ。少し前に職場の同僚から紹介されていたが、コロナ禍もあって、なかなか行けなかった店である。カレーうどんはなかなか辛かったが(後から来る辛さだ)、味はかなり美味しかった。コロナ禍の所為か店は空いていたが、結構な有名店らしく、店内には福山雅治や森山良子はじめ芸能人のサインが多数飾られていた。永井龍雲などもあり、ちょっとびっくりした。まだ頑張っていたのですね。(失礼)

 今日の一枚は、MJQの初期の傑作『コンコルド』である。1955年録音の作品だ。室内楽的で端正な響きの中で、ミルト・ジャクソンのヴァイヴはファンキーである。これがMJQの真骨頂である。このヴァイヴがなければ、知的に洗練されたいい音楽ではあるが大人しすぎてつまらないものになっていたと思う。ひっそりとした耳に優しいサウンドであるが、耳を傾けていると熱いものがこみあげてくる。ちょっと早く起きすぎた日曜の朝に、コーヒーをすすりながら聴くには、なかなかいい作品だ。