王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

「ザ・コーブ」を見る

2010-07-08 07:49:45 | 芸能
昨日7日、ここ横浜は朝のうち雨で10時過ぎに日が出ましたが又曇り雨模様です。
こんな日は店番してても暇なので午後横浜ニューテアトルで上映されている「ザ・コーヴ」を見る事に決めいそいそと出かけました。

「ザ・コーヴ」は春アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を取った作品で「その内容については日本批判、偏見、思い込み」等日本国内では上映に強い反対の声が上がっていました。

このフィルムの売り所は「イルカの血で海が真っ赤に染まるシ-ン」だと思いますが爺はそんなに残酷とも思いませんでした。鯨やイルカを捕殺するなんてそんなもんだよな。

鯨一頭取れれば七浦(七つの小村)潤う---と言われた昔ならあのシーンを見て子ども達は涎が垂れて今夜は肉が食えるぞと思ったに違いありません。

3月9日のアカデミー賞受賞の際に書きましたがこの作品は「イルカ保護団体対鯨食文化」の戦いに見えました。
主演?は60年代に「わんぱくフリッパー」という米国のTV映画のイルカ調教師がフリッパー役のイルカが死ぬ事を機に「イルカには深い知性と人間に対する共感がある」と確信するに至ります。確信は行動に変わり「世界各地の囚われたイルカを救出する戦い」を繰り広げます。そしてその行動の過程で海洋保護協会なる団体の創設者であるこのフィルムの監督と知り合いになります。彼等のターゲットになったのが和歌山県太地町の「イルカ追い込み漁」です。血の海の撮影には「ミッションインポッシブル」並みのハイテク機材が使われ「隠し取り」が行われ、その「血の海シーン」をIWCの総会に乗り込み胸から下げたビデオの映像を流して歩き回るというゲリラ戦術で「捕鯨反対」を訴えます。

さて彼等の主張の主旨は:
1:イルカは知性優れた動物で人間と感覚を共有する(から殺してはいけない)
2:殺し方が残酷である(漁業用の銛で突くので即死しない)
3:水銀含有量が多い(2000ppmのサンプルもある)食用に適さない。
4:イルカを鯨肉と偽り販売している
5:伝統文化というが日本人で知っている人が殆ど居ない。
等の様です。

この主張を強調する為にIWCに出席している水産庁の漁業調整官を嘲り、もう一人(恐らく政府系の)捕鯨協会の係長クラスの若い人に唐突な質問を繰り返します。この若い人は英語で答えていました。
爺がこのフィルムから得た事は:鯨に関する限り国際会議でも結構日本も主張をし多数派工作をして頑張っている。
太地町の警察官も捕鯨協会の人も流暢では無いが英語で会話が可能である。
太地町の様な田舎町に防空壕の様に立派な自動車用トンネルが作られているのは自民党の?階先生のお力であろう。
さてさて環境保護団体は冒頭から2万3千頭のイルカを捕殺としているが和歌山では年間2400頭の「追い込み漁捕獲枠」の範囲でないか?
静岡県に至っては600頭の枠を殆ど消化できない。(もっとも伊豆川奈でのイルカ追い込み漁で漁師がイルカをボコボコに殴って殺すシーンが99年?だかに批判を浴び漁が下火になったらしい)
爺は横浜の人間で戦後鯨の肉には大いにお世話になった世代だし九十九里の沿岸でも浜の近くでは鯨を食べる習慣があるのを知っているから保護団体は迷惑な奴だと思っている。
血の海のシーンは数年前で今は「安全ピンを頚椎に打つ(エアガンの様な物を使っているらしい)」ので苦痛は少ないそうである。
さてさて水産庁はタフになった。近頃はイルカの捕殺は「ペストコントロール(災害駆除)」の一環で有ると言っているそうだ。
それでも主張の仕方と反論の緩さが「保護原理主義者対日本流」の対立に見えました。

ところでメチル水銀毒の問題は注意です。騒ぎの後太地町の住人の頭髪は平均の4倍も含有量が多い事がわかりました。それと水俣病に至る開きがどの程度なのか今は瑞穂さんで無く蓮舫さんが担当と思いますが実態を明らかにして欲しいものです。
つまるところ:
あれやこれや雄たけびを上げて上映反対をするより皆でフィルムを見て議論する方が大切だと思った次第です。


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