7月20日にはイスラエルのテルアビブがドローンの攻撃を受け、1人が死亡しフーシ派が犯行声明、その翌日21日イスラエルが報復としてイエメンの西部の都市ホデイダ県の港などフーシ派の軍事拠点を空爆したと発表しました。
その後イスラエルのナタニヤフ首相は米国のバイデン政権幹部やトランプ候補などを歴訪したようですが必ずしも歓迎されなかったようです。そして30日には「イスラエルはレバノンの首都ベイルートを空爆し、同国に拠点を置く親イラン武装組織ヒズボラの司令官を殺害したと発表したばかり」です。
そこに加えて:
【イスラム組織ハマスのイスマイル・ハニヤ最高指導者が、イランの首都テヘランで31日未明、暗殺された。ハマスとイランが確認した。イスラエルへの報復の懸念が高まっている。
ハニヤ氏の拠点はカタールだが、30日に行われたイラン新大統領の宣誓式に出席していた。】と外紙が報じました。
素手の続報では「イランのハメイニ氏が報復を宣言」と伝えていますから中東情勢はイランの影響を受け一段と厳しい情勢になりそうです。
どのような形でイランが影響力を行使するか見守らないといけません。ホルムズ海峡の通過が困難になるとその影響はもろに日本にも及びそうです。
写真:ハマスのイスマイル・ハニヤ最高指導者(ネットより)
ロイター:
[カイロ 31日 ロイター] - イスラム組織ハマスのイスマイル・ハニヤ最高指導者が、イランの首都テヘランで31日未明、暗殺された。ハマスとイランが確認した。イスラエルへの報復の懸念が高まっている。
ハニヤ氏の拠点はカタールだが、30日に行われたイラン新大統領の宣誓式に出席していた。
イランの革命防衛隊は「テヘランのハニヤ氏の滞在地が襲撃され、護衛1人とともに死亡した」と明らかにした。空爆とみられるという。
ハマスの軍事部門は声明で、殺害は「戦いを新たな次元に引き上げ多大な影響を及ぼす」とした。
イランも報復を表明。最高指導者のハメネイ師は、イスラエルが「厳しい処罰」を下す根拠を与えたとし、イランの首都で起きた殺害への報復はイランの義務と述べた。
イスラエルは関与について言及していない。イスラエル軍は状況を評価中としたが、民間人に対する新たな安全ガイドラインは発行していない。
ブリンケン米国務長官は、ハニヤ氏暗殺に関する質問に直接答えず、ガザでの停戦合意が地域全体の緊張拡大を回避する鍵だと指摘。また米国は殺害について認識も関与もしていないと述べた。
オースティン米国防長官は、緊張緩和に取り組む考えを示すとともに、イスラエルが攻撃された場合の防衛支援を確約。「戦争が避けられないとは思わない。それは変わらない。外交の余地と機会は常にある」と語った。
イランのメディアによると、イランのペゼシュキアン大統領は「領土の一体性、尊厳、名誉、誇りを守り、テロリストの占領者たちに卑怯な行為を後悔させる」と強調した。
<紛争拡大の恐れ>
イスラエルは30日、レバノンの首都ベイルートを空爆し、同国に拠点を置く親イラン武装組織ヒズボラの司令官を殺害したと発表したばかり。これに続くハニヤ氏殺害を受け、パレスチナ自治区ガザでの停戦合意の可能性は後退しそうだ。
イスラエルのガラント国防相は、戦争をエスカレートしようとしていないとした上で、あらゆるシナリオに備えていると述べた。
ハマスの幹部サミ・アブ・ズーリ氏は「イスラエルによるハニヤ氏暗殺はハマスの意志をくじくことを狙った重大なエスカレーションだ」と非難。ハマスは進んできた道を今後も続けるとし、「勝利を確信している」と述べた。
ガザ停戦協議を仲介しているカタールはハニヤ氏殺害について、紛争の危険なエスカレーションと非難。中国、ロシア、トルコ、エジプト、イラクも暗殺を非難した。
関係筋によると、イランの最高安全保障委員会は近く会合を開き、同国と密接な関係にあったハニヤ氏殺害への対応を決める見通し。
パレスチナ自治政府のアッバス議長はハニヤ氏暗殺を非難。ヨルダン川西岸のパレスチナ諸派はストライキと大規模デモを呼びかけている。
ハニヤ氏は2017年にハマスの最高指導者に選出された。トルコとカタールの首都ドーハを行き来しながら停戦協議の交渉官を務め、イランと対話を続けてきた。
ハマスでは今年に入って、ハニヤ氏の副官の立場だったサレハ・アルーリ氏がイスラエルによって殺害されている。
<ハニヤ氏の後任はハレド・メシャール氏の公算>
ハマス関係筋によると、ハニヤ氏の後継者として最も可能性が高いのは、副官を務めるハレド・メシャール氏。アナリストによると、同氏のカリスマ性により、ハマスは中東紛争で重要な役割を担うようになった。
メシャール氏の現在の拠点はカタール。1997年にイスラエルのネタニヤフ首相が同氏の暗殺を命令したが、未遂に終わっている。
(引用終わり)
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