HIROZOU

おっさんの夜明け

アカの海

2014-05-29 19:54:53 | メモリー

小さい頃、家にピアノがあったらなと思っていた。

ピアノがあってピアノが弾けたらかっこええなと思っていた。

昔はピアノのある家は少なかったし、ましてや僕の育った田舎にはピアノを弾ける子なんていなかった

何年かたって僕が高校生の時、ある日家に帰って自分の部屋に入ったら

ドーンと新品の電子オルガンが置かれていた

驚いて母に

「お母ちゃん、これどうしたん?」

って聞いたら

「お姉ちゃんが大学出たら先生になるから家でもオルガンの練習したいからって買ってやったのよ、お前の部屋に置いといて」って言った

「うっひょー♪」と喜んで、僕はその日から毎日、オルガンの練習を始めた

練習を始めてから何日かたった頃、段々と飽きて来た

そのうちオルガンの席に座らなくなって

終いにはオルガン自体が邪魔になって来た

人間は無い時にはあったらええなと思う物が

実際に手に入れた途端そう言った願望が消え失せる事がある

これも高校生の頃、ある日家に帰って庭を見たら

赤毛の犬が繫がれていた

近くにいた祖父に

「おじいちゃん、この犬どうしたんや」って聞いたら

続く・・


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする