夜中に、寝付かれずにベッドでうつらうつらしていたら
夢を見た
掛け布団が剥がれたのか寒くて膝を抱えた
遠くで回送電車の警笛ピーとが鳴った
鉄枠の窓がカタカタと揺れて隙間風が入った
目が覚ますと畳の上で寝ていて
ちゃんと布団を被っていた
汚れた万年床に汗臭い枕
狭くて薄暗い部屋を見渡すとどこか見覚えのある光景
10代の頃、暮らした大阪の三畳間だ
枕もとのラジカセのスイッチを点けたら鶴光の声が聞こえた
流れてきたリクエスト曲はオフコースのさよなら
電球の長い紐をひいて灯りを点けたらゴミ屋敷の部屋が現れた
便所の手洗いの様な蛇口に口を近づけゴクゴクと水を飲んだ
窓の無い引き戸を開けて廊下に出て共同便所に向かった
ふと便所の鏡に映った自分の顔を見てぞっとした
そこに死人の様な顔をした皺だらけの老人がいた
もう仕事が暇で暇で
毎日この繰り返し
それでも副業は明日から昼休みに3連チャン
ようも副業があったもんや
不思議と今までに人生で
(もうあかん)
とか思った時に何かしらの支えが自分を助けてくれた
それでいて、いい気になっていると必ず足をすくわれた
いつも生かさず殺さず
これってわしだけや無くて
世の中の人に皆当てはまる事じゃなかろうか
人間なにかに動かされて
何かに助けられる
たぶん
わしの場合
近じかにっちもさっちも行かなくなるんだろうが
これも何かの力なんだろうな
よう分からんが