僕が生まれた日とほとんど変わらない築80年近い
実家です。祖父が作ったであろう木の長椅子もずっと同じ場所に
土間伝いに迷路のようにつながって、いくつも棟があります。
父の隠居部屋から眺める庭は鬱蒼と雑草が繁っています。
小さい頃お正月の餅をついた石臼があります。
春になると山桜の花が辺鄙な寒村を多い尽くすかのように咲き誇ります。
ここから眺める桜の花は絶品です。
今日はしきりに雨と雷の音が静かな村に響き渡っています。
まるで優しかった親父を天が見送るかのように
親父がこの部屋から山桜を愛でることはもうありません
お父ちゃん