秋風が空地のブタクサの花を揺らし
隙間風が三畳一間の部屋の窓をカタカタと鳴らした
万年床に洗い物の溜まった便所の手洗いの様な小さな台所
炊飯器の中に残ったいつ炊いたのか忘れて饐えてしまったご飯
留置場のように格子がはまった窓の外を覗くとゴーと鉄橋を渡る茶色い阪急電車が見えた
ラジオを点けるとオフコースが流れて来た
あれがあなたの 好きな場所
港が見下ろせる 小高い公園
いつ風呂に入ったか忘れてしまった乞食の様な青年は鼻をほじくりながら・・
(港が見下ろせる公園・・ってどこやろ?)
(六甲山・・かな?)
ほんな事よりもう食べるもんも銭も無いし
どないしょかな
もう嘘もつき過ぎて親も銭送ってくれへんし
・・・
こんな生活を昔送っていたな