フジカSTX-1 タムロンSP80-200mmF2.8LD 30A
最近はそうでもなくなってきましたが、昔はフジフィルムの出すカメラはよそのメーカーに気を使った
ようなスキマな商品が多かったような気がします。今回のSTX-1もスクリューマウントだった605Ⅱを
Xマウントにしただけという微妙なカメラで海外市場専用だったみたいです。
もとがST605Ⅱですから、機械式マニュアル横走り布幕シャッター搭載です。シャッタースピードが
下は1秒ではなく2秒からで、最高が1/1000ではなく1/700という実に遠慮しいしいの
スペックです。なんかコスト削減よりもいろんなところに気を使ったのが丸出しのような・・・(^^)。
フジカのXマウントレンズはなかなか揃えられないので、ここは夢のタムロンアダプトールシステムにおすがりします。
タムロンの自信作SP80-200mmF2.8LDです。
当時の広告文がおもしろいので写させていただきますと・・・
「大口径単焦点望遠レンズとって代わる光学性能と機動性。このコンセプトを実現するために幾度となくカット&トライ。
そして色あいや色調の再現に徹底的にこだわり、時間も費用もたっぷり投入。極めて真面目に作り上げた。その成果は
スポーツフィールドで、ステージで、取材現場で、ライバルに一線を画するクリアーな映像となって表れよう。
いま手にできる大口径望遠ズームの最高峰、手にいれやすい価格で、堂々発売。TAMRONまた頂点へ。」
いかがですか。「これを名玉といわずしてなにを名玉とよぶのか?」と言わんばかりの自信に満ちあふれております。
80年代当時のズームレンズブームとエネルギーを感じなすね。体言止めの連発が若さを感じます。
「時間も費用もたっぷり投入」とタムロン自ら言うぐらいですから、定価はタムロンとしても高価で
マウント別売りで143,000円もしていました。「極めて真面目に作り上げた」らしいのですが
そんな言い方をされると他のレンズは不真面目なのか?と心配になってしまいますが・・(^^;)。
フジカSTX-1 タムロンSP80-200mmF2.8LD 1/125 F5.6 ベルビア50
以前ザリガニに食い荒らされていたハスの池の平池公園にリベンジです。古代ハスは早く咲くのですが
普通のハスたちは花期がけっこう長く、8月終わりごろまで咲いてくれますので楽しめます(^^)。
STX-1のファインダーはあんまりピントのキレがよろしくなく、結構気を使いました。
横走り布幕のトロンとしたフィーリングはOM-1みたいでなかなか良い感じです。
巻き上げレバーも短くて安っぽいのですが見かけ以上に気持ちよく巻けます。
期待のタムロン80-200ですが、レンズ本体にコストを食われすぎたのか三脚座がチャチで、タテヨコの
切り替えがスムーズにいかないのはレンズがヘビーなだけに疲れました(^^;)。
ただタムロンが自画自賛するだけあってみごとなコントラストとぼけ味です。
ズームにありがちのコントラストのへちゃつぶれ感もはとんど感じません。普通なつくりの単玉よりも良くグラデーションがでてますね。
高画質80-200F2.8ズームの黎明期の製品なのですが、レンズメーカータムロンの「時間も費用もたっぷり投入」
した意地を感じられます。マニュアルのボディは他にもいろいろありますのでぜひ他のメーカーのピントのキレのよい
ボディで楽しんでみたいと思います(^^)。