ミノルタGロッコール 28mmF3.5
20世紀末から21世紀初めにかけて世にいう「ライカブーム」なるものが存在しました。
「ライカを持つことはおしゃれでカッコ良い!ライカのうんちく話で盛り上がる」というのが
時代のトレンドだったのです。思えばフィルムカメラの自動露出と自動巻き上げ速度・オートフォーカスが
いきつくところまでいってしまい性能上ほぼ飽和して、「良いカメラとはなんぞや?」という定義を皆が
求めだしたところに一番わかりやすい記号性と所有欲をみたすアイテムだった・・・ということでしょう。
ご本尊のライカはMPというM2の先祖帰りマシンを出してしまうし、コシナはベッサシリーズで
お財布に優しいレンジファインダー機をシステム化するし、コニカはヘキサーをいきなりMマウントで出すし
安原さんは一人で中国製等倍ファインダー機を売り出すし、ニコンはS3やSPを復刻するし・・
みなみな「ライカウイルス」に感染していたとしか思えません(^^)。
流行にうとい私はすっかりブームが沈静化したあとにウイルスに感染したので新発売を待ってのドキドキ感は
共有できなかったものの、バーゲンプライスや処分特価のお得感は多いに楽しめました。
そして怒涛のデジタルの波が来たときに泡沫のようにデスコンになっていったのは記憶に新しいところです。
先日ライカブームの最後を飾ったツァイスイコンがとうとう製造中止になりました。
ブームも終焉のころの登場だったためにデジタルに埋もれてしまった感がありましたが
35mmフィルムカメラの終盤に輝いた名機です。
敬意を表してGロッコール 28mmF3.5を装着して持ち出してみました。
実はいままで50mmしかつけたことがありませんでした。
せっかくのきれいなきれいな28mmファインダーがついているのに真ん中の枠しか使ってないのは
なんだかイコンに悪い気がしていたのです。
じつはツァイスイコンは事実上の「ミノルタCLE MkⅡ」だと認識していますのでロッコールを使うのが
理にかなっているかと。私は28mmはあんまり得意じゃない・・どころか苦手な焦点距離なのですが(^^)ゞ。
ツァイスイコン ミノルタGロッコール28mmF3.5 F5.6AE ベルビア50
Gロッコール28mmF3.5は1998年に2000本限定で限定発売されました。
まさにライカブームのあだ花という感じの代物ですがモノはTC-1のレンズをLマウント化したもの
なので非常に上等です。とくにアルミムクのメタルキャップの造作の贅沢さは恐ろしいほどです。
思わず「もっと他にコストの使い道あるやろ!」とつっこんでしまいます。
まあ、この微妙な外しかたがミノルタらしいといえばらしいのですが(^^)。
ミノルタらしく解像感はあるのにエッジを丸めた奥ゆきをつくる独特の描写をします。
2段ほど絞ってもどすんと周辺光量が落ちてこのレンズは必ず青空を撮らないといけませんね。
以前紹介したMDに装着した作例はシャッタームラでわからなかったのですが普通にとっても
周辺光量落ち番長ですね。こうなると横アングルのほうが良かったかなあ。
実のところかなりのクセ玉なわけですが、気持ちのいいほうに転びますので楽しいですね。
このレンズのモトになったTC-1はまだまだ中古でもたくさん売られていますので
ぜひ多くのかたにお試しいただきたいです。普通のLサイズ同時プリントでも個性的な描写のすごさがあじわえますよ。
一頃海外出張の際に中判含め毎度5-6台持参してまして,あちらに「何しにきたんや」と言われてたのは置いといて,中判が故障してもフィルムを選べば完全に代打が勤まる機材を厳選し,最後に勝ち抜いたのがTC-1でした.で,中判は一度も故障しなかったのにTC-1落として壊した(自爆)
それでも常時中判携帯してる訳ではなく,TC-1とContaxTをハンドストラップで両手に下げ即時交代撮影てのは便利でした.
Gロッコールは最高の結果を残してくれました.しかし用途がデジカメと真っ向カブってしまい,ここ数年は自宅待機だなあ...
コメントありがとうございます。
TC-1発売時は本当に感動たしました。
あれだけ小さいのにCR-2ではなくCR123のバッテリーを採用していたのには脱帽です。他のチタンボディと比較
しても指紋がつきやすいのはチタン含有率が高いからとは当時のセールストークです。
私はよう買わなかったので28ミリフェチの友人にプッシュして購入してもらいその描写に感動しました。
同じレンズのはずなのに友人の作品のほうがきれいに
見えます。微妙にLマウントとチューニングが違うのか?
やはり友人のほうがウマイからでしょうね(^^)。