オリンパスOM40プログラム Sズイコー 35~70mm F3.5~4.5
1985年ごろというのはちょうど「プログラム露出一眼レフ」が各社出そろったころで
プログラムAE搭載の一眼レフが大勢をしめ始め、絞り優先やシャッター優先・マニュアル機は
ハイアマチュア・プロ用の高級機かボトムの入門機だけという事態になりつつありました。
そんなこんなでこのOM40プログラムが発売されたときも
「ぼくは、逆光強(ぎゃっこうつよし)です」←ちゃんとルビがふってありました(^^)
というコピーとシルエットを強調した男性の手に握られたカメラに「へーんなカメラやなあ」
という認識をしただけで終わっていました。カタログも当時の中級一眼レフのデフォルトである
「クラスのかわいい同級生をアイドルのように撮影する」という雰囲気のストーリー仕立てでつくられていました。
最初のころは「とっても便利ハイテク機能」だったはずのプログラムが「ついていてあたりまえ」
になったとたんに逆にナンパな初心者向けに見えてきます。
(じっさい女の子をかわいくカンタンに撮れるがセールスポイントですから)硬派?を自認していた私としては
「絞り優先とマニュアルがあればプログラムなんかいらねえや!」とうそぶいていたものです。
じつは撮らせてくれる彼女もいないうえに、型落ちの絞り優先機しか買えなかった貧乏学生の負け惜しみなのですが(^^)ゞ。
そしてカメラ界のドレッドノート「ミノルタα7000」が発売されると自動的にピントの合わない
マニュアルフォーカスカメラは一部の高級機種をのぞき一斉にリストラされてしまい
OM40プログラムも泡沫のように市場から消えていきました。
そして時代はデジタルとなり、フィルムカメラの電子シャッター中級機はどんなに程度がよくても
ジャンク扱いでゴミゴミした棚に置かれるようになってしまいました。
私にとってはゴミどころか宝の山に見えるので定期的にチェックは欠かせません(^^)。
そこで発売いらい27年ぶりにあの「逆光強」に再開しました。今までみた中でも
一番程度が良くジャンクの棚にいるのが不思議なほどでした。
オリンパスOM40プログラム Sズイコー 35~70mm F3.5~4.5
プログラムAE ナチュラ1600(400設定で撮影)
なんとも不思議な現代彫刻で、下のほうの玉が金色でなくてよかったなて感じです(^^)。
OM40プログラムの一番のアイデンテティたるESP測光がはたして縦アングルで効くのかという
のを試したかったのですが、ナチュラのラチチュードがありすぎて、効いたかどうかはよくわかりません。
ちなみに「ESP測光」というのは別に超能力のことではなく「エレクトロ・セレクティブ・パターン」
の略だそうです。被写体が中央部にあることを前提として日の丸構図のポートレイト撮影に最適になるよう
オーバーもアンダーも補正してくれるというスグレモノなのです。
OM40プログラムはOMの流れとしては最後発の設計なだけにフタケタシリーズでありながら、
純正Tシリーズフラシュ対応でTTLダイレクト測光をしてくれます。
また、OMシリーズとしてはめずらしくセルフタイマースイッチが巻き上げレバー基部にあり
一度セルフタイマーで撮影すれば自動的にセルフタイマーがキャンセルされるのです。
いままで幾度OM-4Tiでセルフタイマーをいれっぱなしのままで撮影しようとしてシャッターチャンスを
のがしたことがあったでしょうか?巻き上げるだけでキャンセルされるセルフタイマーの素晴らしさ\(^0^)/!!
そしてOMマニアの私が一番気に入っているところは
「OMボディで(デジタルをのぞく)一番ブレにくいマシン」というところです!!。
OMはそもそも天才設計者・米谷さんがずっとおっしゃっていたように一眼レフの三悪追放「大きい・重たい・ショックが大きい」
をコンセプトに誕生しました。ところが・・・ボディのショックは小さいものの、レンズ側の絞り込みのテンション
が他社の方式と比べると大きく、絞り込みの反動で微妙なブレが発生しやすいようなのです。
じっさいペンタックスLXやミノルタXDと比べても同じようなディメンションのボディとレンズなのに
OMのほうが微妙にぶれたカットになったときがありました。
だがしかし!OM40プログラムはプログラム回路で絞り込みが終了してから得意のダイレクト測光を
発動するためにレンズの絞り込み微ブレが明らかに他のOMボディより少ないようです。
そのかわりちょっと不安になるぐらいのタイムラグがありますがそれは気にしないことにしましょう(^^)。
OM2スポット&プログラムでも原理は同じなのですがちょっとだけ年式の新しいぶんOM40プログラムの
ほうがタイムラグが少ないようです。おまけにOM2スポット&プログラムは昔の電子カメラによくあった
「電池がすぐなくなる」の症状があるものが多く、使わないときは一日でも電池を抜いておかないと
不安になるのですがOM40プログラムはそんなことはありません。
発売いらい27年をすぎて外装ゴムグリップが加水分解でけっこうやばくなってきた「逆光強」くん
ですが、OM最強ボディとしてこれからも使っていきたいと思います。
でも私も27年たっているのにいまだに「女の子をかわいく撮る」ができてないのは問題だなあ(^^)ゞ。
それに輪を掛けてネットにインプレッション記事が少ない!
取り上げて頂き大変有り難いです.
ぶれにくいのかぁ,いいですね.
事実上の二分割測光のようで有効性に興味がありました.OM2Pは仕事で使っていて(マシンに取り付けてあった)あんましタイムラグは覚えていないなあ.元々3や4も低ショックと引き替えにタイムラグありそうな感触ですよね.
実際使用してみますとOM最終機にふさわしい
完成度だと思います。惜しむらくはα7000の
登場ですぐにデスコンになったことでしょうか。
残念ながら海辺にもっていきますとグリップゴムが
加水分解でネチョネチョしてきました(^^;)。
貼り替えられている方もいらっしゃるようですが・・