ほしちゃんの「続・なるようにしか、ならん」。

安くてウマいもんと料理と旅行と音楽と競馬が好きなサラリーマンの暮らしを、ありのままに綴ります。

このメンバー募集、笑えない…

2016-06-24 20:39:13 | No Music,No Life.
久しぶりに、行きつけの楽器屋に行くと店頭にこんなメンバー募集の貼り紙が。

要するに、パート全員を募集するというのだ。
文面を読むと、28歳のいわゆる「バンド童貞」のようなのだ。
いくつかのバンドを組んだ事のある私に云わせれば、これではまず集まらない。

私がガチで音楽をやっていた、と言えるのは1983〜1995年くらい。1986年に大学に入り、以後の10年間は絶えずどこかのバンドでドラムを叩いていた。
その中でプラマイ含め最も印象に残っているのは、1990〜95年、すなわち社会に出てすぐの時から組んでいたバンドである。
同級生のボーカル君が作詞・作曲をし、私は編曲とドラム演奏を担当していた。
そのボーカル君は、とにかく雰囲気だけはあった。佐藤浩市に似たそこそこのイケメンで女性ファンも居た。トークもヘタではなく、フロントマンとしては適任だった。
しかし彼は、どうしようもなくピッチが悪かった。たまたまライブのビデオを実家で上映した事があるのだが、母親も
「…この人、音程どうにかならへんの?」
と閉口していたのを思い出す(笑)。

何が言いたいかと言うと、要するに楽器に興味のある人を除けば大半の客はボーカルでそのバンドが聴くに値するかどうかを判断するのだ。
当時の私のドラムプレイは、録音や録画を今見聞きしても別に恥ずかしくない。大したテクニックはないが、そこそこ正確だしタイコとカナモノのバランスもよく、歌を邪魔しないドラムだったと思う。
ただ、その評価は5年間ほとんど得られなかった。いくら一生懸命ドラムを叩いても、ボーカルがヘタならそのバンドはバツなのだ。
やがて私は
「君はプレイのフィーリングはともかく、人間が下世話すぎる」
と、他のメンバーの署名血判が郵送されてきたためバンド脱退を余儀なくされ、以来20年を経た今もメンバー全員と絶交状態だ。
話がそれるが、今ライブハウスで本業でもないギターを一生懸命に弾いて歌っているのは、ある種その時代へのレクイエムでもある。

この貼り紙の主に伝えたい。
仮にアナタが歌うとして、アナタの歌は聴いた事はないのだが、もしそれが上手くないのなら確実にメンバーに迷惑をかけるのだ。
せめて「オマエのバックで演奏させてくれ」と言わせるぐらいに、どんな形でもいいので歌唱力を磨いていただきたいのである…