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莢蒾(がまずみ)とは

2017-07-27 17:33:06 | 季節の花々
今日の奈良は、真上から西側の空は所々に雲が湧き、
強い日差しが、ところが若草山を望む東南側の空は、
一面の雲に、昼からは突然の雨も予想されております。
 

最近気になる植物が、あります。それは
先日伺った大和文華館の文華苑の草木で、「莢蒾」と札が
この漢字はなんて読むのかなーと、目を凝らすと
小さくふりがなで「がまずみ」と。
 
聞いたことがない植物名、わざわざ札が掲げられており、
これはと調べてみますと・・・「莢蒾・ガマズミ」は
漢語では「きょうめい」とよび、春頃に白い花を咲かせ、
夏に赤い果実を実らせ、秋に紅葉する木だそうで、
英語ではJapanese bush cranberry、なるほどで
この果実は生で食べると酸味があり、ガマズミ酒という
果実酒になり、血がサラサラになるとも?
(*東北地方のマタギの伝承された「ジョミ」)
古代には染料にも用いられたそうです。
牧野富太郎博士は、「ズミ」は「染め」の転訛したもので
万葉集の「スガノミ」がガマズミのことと考えられた。
『真鳥住む卯名手の社の菅のみ
        衣に書きつけ服せむ児もがも』
       (万葉集巻7、1344 作者不詳)
    『植物記 ちくま学芸文庫』筑摩書房より
なお博士は菅のみと記されたが万葉集では菅の根に。

面白いのは、「日本人と植物」 岩波新書 青版 では
「ガマズミ」を「神ツ実」として神を暗示する植物として
紹介されており、古代日本人の感性がうかがい知れますね。

『がまずみの実を舌にのせ鳥になる』
            蓬田紀枝子
晩夏から秋になれば、赤い実に、
この頃、大和文華館へ拝見に伺わねばなりませんね。

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