学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

「ロートレック全版画」への雑感

2007-11-25 22:08:51 | 仕事
図書館から「ロートレック全版画」(岩波書店)を借りてきました。
これはいわゆるカタログ・レゾネです。

カタログ・レゾネとは、ある作家のすべての作品を網羅したカタログで、題名、制作年、技法、寸法、公的な所蔵先、ステートごとの違いなどをこと細かく記したものです。極端な話を申せば、このカタログに載っていない作品は贋作だと判断できるほど。それだけ信憑性の高い資料ですから、編集するためには相当な時間がかかるわけで、そのうえ高額ですので、なかなか個人として購入するのは難しいものです。

さて、一枚一枚ページをめくっていくと、やはり情報記載の細かさに度肝を抜かれます。学芸員であれば、カタログ・レゾネを作ってみたい!と一度は思うはず。私もレゾネ編集が夢であったりしますが、当館で所蔵している作家は生涯において数多くの作品を制作してはいるものの、逆に数がありすぎて、なかなか全貌がつかめない状態。でも、この作家のレゾネが出来れば、名を残せること間違いなし(笑)一生分の仕事ですが…(私の一生では終わらないかもしれない)