ドイツ文学者の池内紀さんが8月30日に78歳で亡くなられました。もう池内さんの新しい文章を読むことができないと思うと、とても残念な気持ちで心がいっぱいです。
今から15年ほど前、私は友人を通してフランツ・カフカに興味がわき、白水社出版の『城』を読みました。その訳者が池内紀さんで、そのなじみやすい文体は、カフカの小説に新しい命を吹き込んでいるようでした。以来、カフカを含むドイツ文学を読みたいと思ったときは、池内さんが翻訳をしているかどうかが基準になるほど。近年では、ギュンター・グラスの『ブリキの太鼓』(河出書房新社)を池内訳で読むことができたことは、とても嬉しいことでした。また、池内さんはエッセイも得意とし、岩波新書の『ぼくのドイツ文学講義』も忘れられない本のひとつです。
池内さんは亡くなられましたが、その言葉は残り続けます。フローベール曰く「人間は無、仕事こそすべて」。池内さんに想いを馳せて、改めて著書や訳を読んでみたいと思いました。
今から15年ほど前、私は友人を通してフランツ・カフカに興味がわき、白水社出版の『城』を読みました。その訳者が池内紀さんで、そのなじみやすい文体は、カフカの小説に新しい命を吹き込んでいるようでした。以来、カフカを含むドイツ文学を読みたいと思ったときは、池内さんが翻訳をしているかどうかが基準になるほど。近年では、ギュンター・グラスの『ブリキの太鼓』(河出書房新社)を池内訳で読むことができたことは、とても嬉しいことでした。また、池内さんはエッセイも得意とし、岩波新書の『ぼくのドイツ文学講義』も忘れられない本のひとつです。
池内さんは亡くなられましたが、その言葉は残り続けます。フローベール曰く「人間は無、仕事こそすべて」。池内さんに想いを馳せて、改めて著書や訳を読んでみたいと思いました。