学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

群馬県前橋行き

2010-04-11 20:39:47 | 仕事
今日はとても暖かい一日で、絶好のお花見日和!

久しぶりの休日、群馬県の前橋市へ行ってきました。市内を流れる廣瀬川沿いには、たくさんの見事な桜が咲いていました。もうところどころ葉桜になっている木もありましたが、風が吹き、さらさら花びらの流れるさまがとても美しいものです。また、この川沿いに柳の葉もあることがなおさらうれしい。これは風があたると、かさかさ鳴るんですね。川音、桜の花弁、柳の葉音、廣瀬川は音にあふれていました。

廣瀬川沿いに、前橋文学館があります。前橋は詩人が生まれるところ。なかでも萩原朔太郎が大いに知られます。展示室内には、萩原の詩を朗読する音声サービスがありますが、そこで驚いたこと。なんと、朔太郎の声を聞くことができます。「乃木坂倶楽部」を読んでいます。残っていたものなんですね。その他に私が興味を惹いたのは、『カラマーゾフの兄弟』への書き込み。『カラマーゾフの兄弟』に限らず、朔太郎は自分の蔵書にメモを入れて読むことが多かったようです。それも長々とは書かない。ずばりと単刀直入に書く。朔太郎の文字を見て、その息遣いを感じるようでした。

私は何度か前橋文学館に足を運んでいますが、何度来ても新しい発見があります。今夜もまた萩原の詩集を読んで、眠りに付くことにいたしましょうか。

展覧会終了、そして。

2010-04-09 20:14:09 | その他
桜が咲いて、我が家のすずらんも咲いて、春だというのに、私の花粉症はとまらない(泣)一昨日あたりから鼻がむずがゆく、ときどきくしゃみもします。おかしい…杉花粉は終わったと思ったのだけれど。どうも、杉ではなくて、別な花粉の症状のようです。これはまいりました。

さて、先日私が担当した展覧会が終了しました。それに伴い、今日は展覧会の反省と今後の改善点についての打ち合わせです。来館者数は前年度よりも増加したものの、もっと広報活動を活発に行う、新しい来館者層の開拓、地域の各施設と連携して相乗効果で美術を楽しんでいただく、などなど様々な意見が出ました。これらの改善点をどう今後の展示に生かしていくか、善は急げ、早速明日から取り組んでいきます。

明日はまた冷えるよう。すこし冷えてもいいから、花粉症がおさまって欲しいものです(苦笑)

萩原朔太郎の思い出

2010-04-06 20:26:25 | 読書感想
今日は久しぶりの快晴。夜、仕事を終えて美術館の事務室を出ても、まだ外はぽかぽかする。いよいよ暖かくなってきましたね!嬉しい限りです。

先日のブログで詩集を読んでいると書きましたが、群馬県出身の詩人に萩原朔太郎(1886~1942)が居ます。口語自由詩の可能性を限りなく広げた詩人ですが、萩原朔太郎にまつわる思い出を1つ。思い出といっても、もちろん、私は萩原朔太郎に会ったことはありませんけれども(笑)

私には小説が大の苦手という友人がいます。彼いわく、文字が羅列しているのにとても耐えられないとのこと。ページを開くだけでうんざりするのだそうです。そんな彼ですが、このままではいかん!と思ったのでしょう。私に何かオススメの小説はないかと聞いてきました。私は簡単に読める本がいいかなと、岩波文庫の萩原朔太郎『猫町』(他17篇)を貸しました。かなり薄い本で、しかも短編が17篇入っている。これなら読みやすいだろうと思ったのです。

数週間後、彼に本を読んでみたかと尋ねました。すると、『猫町』はわけがわからないけれども『ウォーソン夫人の黒猫』は面白すぎるという答え。この『ウォーソン夫人の黒猫』は、家の中にいつのまにか黒猫が入りこんできて、排除しても、家に鍵をかけても、何事もなかったかのように存在(あるいは存在していない?)している、という話。彼にとって、この話はよほど面白かったと見えて、未だに『ウォーソン夫人の黒猫』の話題をします。本を貸したかいがあったというか、なんというか(笑)

きわめて個人的な萩原朔太郎にまつわる思い出でした。私は萩原朔太郎の詩がとても好きです。かつては仕事へ出勤する前に、毎朝朗読していましたから(笑)私も、私の友人も、どっちもどっちなのかもしれません(笑)


雨、挽歌、アメフリ

2010-04-05 18:25:10 | その他
月曜日でしかも大雨は気が滅入りますね…。天気のせいか、今日は何をする気にもならなくて、一日中ぼんやりしていました。本を読んでも頭に入らず、美術館へ行きたいけれども、今日はどこも休館日。ああ、思う存分に絵が見たい!!

気が滅入っているときに文章を書くと、どうしても暗い話題になる。しかし、暗い話題は文章を読む人の心まで暗くさせてしまう。ゆえに明るいことを書きましょう(笑)

近頃は論文作成のために詩集をやたらに読んでいます。そのなかで、とても好きな詩を書く詩人を見つけました。竹中郁さんです。日常の何気ない生活が主題となっているのが多いようですが、私が最も好きな詩は『竜骨』の「挽歌」、ことに最後の二行は絶品です。悲しさ、寂しさ、どうにもならない運命への憤り、それが集約された二行です。二行だけ紹介してもなんの面白さもないので、ぜひ『竜骨』をお読みいただければ、と思います。

こんな雨降りの日には、詩を読んで元気を出すことにいたしましょう。雨を主題にした明るい曲だってある。北原白秋の「アメフリ」ですね。「雨雨降れ降れ、母さんが…」。子どもの頃に何気なく歌っていた曲ですが、歌詞がとても良いです。さあ、明日からまた頑張ります!

海老フライ定食を食べて

2010-04-03 20:34:40 | その他
腹が減っては戦が出来ぬ、わけではないけれど、久しぶりに美味しいものが食べたくて、近くにある洋食屋で海老フライ定食を注文しました。大きな海老が2つ、大皿にのせられて、それにタルタルソースをかけて食べる。ころもがさくさくして、厚みのある海老の美味しさ。ボリュームはありますが、とても幸せな気分を味わうことができました(笑)

このお店は40年近く前から続いていて、店内は昔のままのよう。薄暗いライトに木製のテーブルと椅子が行儀良く並べられています。メニューの表紙と裏表紙は革。たくさんのお客さんの手が触れたのでしょう。随分柔らかくなっていましたが、それだけ味わいがあっていいものです。こういうお店は、かつて私の実家の近くにもあって、そんな子どもの頃の思い出も蘇ってくるような雰囲気がありました。

美味しいものを食べて、栄養をしっかりつけて、これから家で論文作成です!

4月が始まって

2010-04-02 21:42:30 | 仕事
4月になりました。新しい年度の始まりですね。こういう区切りの季節は、気持ちをしっかり引き締めるいいシーズンです。春は出会いと別れの季節。別れがあるから、出会いもある。そう前向きに考えて、新年度のスタートです。すでに2日ですけれど(笑)

近頃の私は、展覧会の準備とりわけ、印刷物のレイアウト作成に追われています。これは展覧会のたびに悩む仕事で、大抵は美術館の事務室ではなく、家に帰ってゆっくりと考えを浮かべます。事務室であまり考えすぎると、思いつかないので…。考えを浮かべておくと、何かの拍子にパッとひらめくときがあります。それでもひらめかないときは、河原沿いの道を夜中に散歩してみたり(苦笑)人によって仕事のやり方は違いますが、私の場合はそんな調子です。

明日は書類作成につぎ込みそうな一日。目が痛くなりそうですが…気合を入れて頑張りましょう!