語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【料理】毎日もちっとも面倒くさくない ~手抜きの技術~

2014年07月27日 | 生活
 Q:毎日のように料理を作るのは面倒じゃないですか?
 A:面倒くさくならないような料理を作ればいいんです。そのコツは次の2つ。

 (1)料理レシピから考えない。レシピから考えると面倒になっちゃう。
 <例>夕方になって、「よし、今日はミートソーススパゲティを作ろう!」と決めたとする。ミートソースを作るのには、挽肉・タマネギ・トマト・ニンニクなどが要る。食材が足りなかったら買いに行かなくちゃいけない。もうその時点で、「買い物面倒くさいなあ」になっちゃう。
 でも、冷蔵庫にトマト・ニンニク、乾物の棚にパスタがあれば、わざわざミートソースにする必要はない。シンプルなトマトのソースを作ればいい。
 冷蔵庫にナスもあれば、ナスのトマトソースができちゃう。
 ツナ缶があれば、こってりしたツナのトマトソースができちゃう。
 要するに、冷蔵庫や台所の棚にどんな食材があるかを見て、そこから料理レシピを決めればいい。買い物に行ったり、「これがない、あれがない」と悩むこともない。料理の献立が一発で決められる。

 (2)余計な手順はどんどん省いてしまう。トマトソースのスパゲティでいうと、
 <例>麺を茹でる時に大鍋に塩を入れる・・・・のは、家めしレベルだったら、ほぼ不要。厳密に言えば多少の味や食感は変わるが、家めしならそんな微妙な違いよりソースのでき具合とか、茹であがった後の段取りとか、そういう別の要素で味が大きく左右されちゃう。塩を入れるかどうかは、そんなに大きく影響しない。だから麺を茹でる時の塩は省く。
 トマトソースを作る時も、レシピ本には「まずニンニクとタカノツメを弱火で熱し、その後にみじん切りのタマネギを入れてさらに炒め、そして最後に潰したトマトを加えて、うんぬん」というように手順が書いてある。しかし、家めし的には具材はどんどん放りこんでしまってかまわない。むろん正式にやったほうが美味しくなるが、味つけや手際のよさなどの他の要素の方が比重が大きい。具材を投じる順番など、重要ではない。

 アウトドアの、例えば登山の時に料理を作る際も、調理道具が乏しくて手間をかけられない山中では、トマトソースはたいていこのやり方で通せばいい。これで十分に旨い。
 こんなふうに省力化してしまえば、家庭料理はかなりシンプルで簡単になる。
 面倒でなくなる。
 
□佐々木俊尚(作家・ジャーナリスト・「TABI LABO」共同編集長)「毎日の料理もちっとも面倒くさくない ~オヤジの家めし 2~」(「週刊金曜日」2014年7月11日号)
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