語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】夏野菜と秋の果物 ~梨皮は漢方薬の材料~

2017年10月07日 | 医療・保健・福祉・介護
 「秋ナスは嫁に食わすな」の解釈はさまざまだが、そのひとつに「秋ナスは体を冷やすので若い女性には良くない」というものがある。
 ナス科の夏野菜は、漢方では体を冷やす「涼」の作用があるとされる。例えば、トマト、ナス、キュウリ、ジャガイモ、ピーマン、シシトウ、トウガラシなどだ。トウガラシはカプサイシンの働きで汗をかいて熱を放出し、体温を下げてくれる。気温の高い国で、辛い食べ物が喜ばれる理由だ。
 まだまだ暑い日は多いが、一歩一歩冷えてくるこの時期に、カラダを冷やさないほうがいいのは、若い女性だけでなく中年以降の我々も同じだ。秋ナス、秋トマトはほどほどに、秋に登場する食べ物を味わおう。
 秋は「燥邪(そうじゃ)」といって、乾燥による体への悪影響が出やすい時季とされている。ダメージを受けやすいのは「肺」を中心に、鼻、喉、気管支を含めた呼吸器系だそうだ。
 秋の果物で、体を潤してくれるのはナシ。「梨皮(りひ)」という漢方薬の材料にもなっており、喉や肺を潤すせき止めとしても使われている。

□南雲つぐみ(医学ライター)「夏野菜と秋の果物 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年9月6日)を引用
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【米国】北朝鮮問題の深刻化で浮上する開戦シナリオ ~1937年不況の再来?~

2017年10月07日 | 社会
 (1)国際金融筋のオフレコ懇談会がある。「国際」といっても、出席者のほとんどが米国人なので、会話の大半が米経済の話題に割かれる。
 だが、10月に入って開催されたこの会合では、「ミサイル発射と核実験を繰り返す北朝鮮と取引している銀行と個人をどう監視するのか?」「有事の際には、ドル供給などの緊急対策を用意しているのか?」といった質問が飛んだ。

 (2)米政府の外交政策に影響力を持つニューヨークのシンクタンク「外交問題評議会(CFR)」では、北朝鮮に関連した緊急会合が増えている。
 米メディアは、米国と北朝鮮の「開戦シナリオ」を日夜討論している。
 「対岸の火事」を決め込んでいたはずの北朝鮮問題に、米国民が慌て始めた。北朝鮮が「グアム島攻撃」を警告した上に、米国本土に到達する核弾頭搭載可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)の完成が現実味を帯び始めたからだ。
 ミサイル発射と核実験のたびに株価が下落するなど、ウォール街の住人たちも意識し始めた。最近、「足元の世界情勢は1937年に似ている」という見方が流行している。
 1929年に起こり33年ごろまで続いた世界大恐慌ののち、米経済はケインジアン的な政策で持ち直したが、36年に見切り発車で金融政策を引き締め、37年には財政も圧縮した。
 すると、米経済は38年に前年比マイナス3.4%となり、株価は1年で半値になった。米国の不況は、世界に伝播した。

 (3)翻って足元では、米連邦準備制度理事会(FRB)が「出口政策」を遂行し、欧州中央銀行(ECB)なども追随しようとしている。
 こうした金融引き締めの動きが、かつての不況入りを連想させるのだ。
 実は、「37年と似ている」と膾炙(かいしゃ)された局面は、今回で3回目である。
 1回目:2011年。米政府の債務上限引き上げ問題が難航したことで、格付け会社が米国債の格下げを発表した。欧州危機で世界経済が混乱しているのに、米政府による財政削減が現実味を帯びた。
 2回目:2013年。当時のバーナンキFRB議長が「出口政策」の開始を示唆したため、長期金利が急上昇し、新興国からの資金逃避が起きた。
 3回目:今回。前の2回と比べて人気なのは、北朝鮮問題という地政学リスクが顕在化しているからだ。格差が拡大し、ポピュリズムが台頭している点でも、30年代に似ている。

 (4)「37年説」を吹聴する銀行家の間では、20世紀に活躍した経営学者、ピーター・ドラッカーが1939年に著した『経済人の終わり』が読まれているそうだ。
 この名著は、世界恐慌で格差が決定的になり、欧州大陸で「積極的な信条を持たず、専ら他の信条を攻撃し、排斥し、否定する」全体主義が台頭した仕組みを解析した。
 37年不況で世界経済が縮小すると、「自国が第一」とばかりに世界経済はブロック化した。ブロック経済が第2次世界大戦の遠因になったことは周知のとおり。
 北朝鮮問題をきっかけとした大国間の紛争シナリオが、米国民の恐怖心を煽るのだ。

□松浦肇(産経新聞ニューヨーク駐在編集委員)「北朝鮮問題の深刻化で浮上する開戦シナリオ/1937年不況の再来?」(「週刊ダイヤモンド」2017年10月14日号)
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 【参考】
【欧州】英国のEU離脱選択で中東欧からの移民が激減 ~人手不足で農業は窮地に~
【欧州】ドイツ自動車業界を襲うディーゼル締め出し判決 ~EV普及の契機となるか~
【欧州】身近で頻発するテロで苦境に陥る欧州の観光業 ~ISが戦術を転換~
【中国】住宅を入手しやすい「新一線都市」が人気 ~地方の生活水準が向上~
【欧州】総工費8兆円超の英高速鉄道プロジェクト ~高まる期待と漂う懸念~
【欧州】スペイン経済は大打撃、欧州金融危機の再来か ~カタルーニャ独立~
【欧州】のゴミ箱扱いに憤慨する東欧諸国 ~深まるEUの東西分裂~
【英国】の地政学的優位性がBrexitで喪失 ~領内で高まる独立気運~
【欧州】北欧も難民入国規制強化へ ~形骸化するシェンゲン協定~
【スウェーデン】文化多元主義の限界 ~移民問題~
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【片山善博】【本】公私を峻別する大切さ ~『最高指導者の条件』~

2017年10月07日 | 批評・思想
★李登輝『最高指導者の条件』(PHP研究所、2008/新版、2013/『指導者とは何か』、PHP文庫、2015)

 内外を問わず、政治指導者の在り方が問われる。老舗の大企業では屋台骨を揺るがす不祥事が目立つ。そんな昨今、台湾の政治を見事に民主化した李登輝元総統が自身の体験を踏まえて語る『最高指導者の条件』には頷かされる。
 政治でも企業経営でも、指導者には素質と能力が不可欠だ。それは、誠実に説く力や忍耐力だという。さらに、公私の別を弁えるべきことを強調する。
 総統在任中の李は、近親者との接触を避け、父親には知人を紹介しないよう求めた。元県会議員の父親を通して、頼み事が寄せられるのを避けたのである。そんな李からすれば、「お友達」とゴルフや会食を繰り返すなどということはもってのほかだろう。政界のリーダー、企業のトップの必読書であってほしい。

□片山善博(早稲田大学公共経営大学院教授)「公私を峻別する大切さ ~名著未読・再読~」(「週刊ダイヤモンド」2017年10月14日号)
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【南雲つぐみ】マグネシウム ~心筋梗塞を防ぐ~

2017年10月07日 | 医療・保健・福祉・介護
 国立がん研究センター(東京)の発表によれば、海藻や魚、玄米、アーモンドなど、マグネシウムの多い食事をしている人は、心筋梗塞などの発症リスクが低いという。
 体内のマグネシウムの約3分の2は、カルシウムやリン酸とともに骨を作る成分になり、残りの多くは筋肉などの細胞内で、体温調節、神経の興奮、筋肉収縮などに関わっているとされる。
 マグネシウムが欠乏すると神経過敏症や筋肉のけいれんなどが起きて、血管や末梢神経へカルシウムが沈着しやすくなり、血圧上昇や動脈硬化をもたらして脳卒中や心筋梗塞など循環器病を発しやすいといわれてきた。
 同センターでは、全国の45~74歳の約8万5千人を対象に、15年にわたって食生活と循環器疾患の発症リスクを追跡調査した。その中で、138品目について1日に食べる量を聞き、マグネシウムの摂取量を推計。その結果、男性では、食事からのマグネシウム摂取量が最も少ないグループに比べ、最も多いグループのほうが、心筋梗塞などの発症リスクが34%も低かったという。

□南雲つぐみ(医学ライター)「マグネシウム ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年10月2日)を引用
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