語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】キノコの季節に「キノコアドバイザー」

2017年10月16日 | 医療・保健・福祉・介護
 10月15日は「キノコの日」。10月はキノコ狩りが盛んになるだけでなく、鍋料理の本格シーズンになり、スーパーなどの店頭でキノコを多く見かけるようになる。
 キノコはカロリーがほとんどなく、ビタミンDやB群、食物繊維を豊富に含む。うまみ成分が強く、鍋や汁ものの味と栄養価を高めてくれる。
 「キノコの日」を制定した日本特用林産振興会の資料では、国内でこれまでに約2,500種のキノコが認められている。マツタケやシイタケ、シメジなどのように、柔らかく柄と傘がある一般的な形態のキノコ(ハラタケ目)に限っても、約1,500種あるそうだ。
 毒キノコにもさまざまな種類があって、分類学的に6目、18科、約40属にまたがる。毒キノコかどうかの見極め方で「柄が縦に裂けるキノコは食べても大丈夫」「毒キノコは毒々しい色をしている」などは、いずれもあてにしてはいけないという。
 同振興会では、こうしたキノコの正しい知識や情報を伝える専門家として「キノコアドバイザー」を育成している。

□南雲つぐみ(医学ライター)「キノコの日 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年10月15日)を引用
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【朝日俳壇抄】君以外覚えず高二の文化祭 ~9月18日~

2017年10月16日 | 詩歌
【凡例】☆印は共選作。①、②以下丸文字は一席、二席等。

<長谷川櫂選>
 ①金亀子(こがねむし)手を貸さずとも起きにけり(一宮市)岩田一男
 ③君以外覚えず高二の文化祭 (筑後市)近藤史紀
 ④西鶴忌よくある別れ話かな (川越市)渡邉隆
 ⑦☆赤とんぼ虚空に翅(はね)を休めをり(米子市)中村襄介
 【評】一席。どうにかこうにか自力で起き直れる。手を貸すのは愛情だが、貸さぬのもまた愛情。人もまた。(中略)三席。不要のものはすべて消去して。記憶とは正直なもの。

<大串章選>
 ①地球てふ仮の住処(すみか)や鰯雲 (今治市)横田青天子
 ②老いてなほ野球少年獺祭忌 (向日市)松重幹雄
 ③餓死といふ戦死もありし敗戦忌 (高槻市)池田利美
 ④敬老会逢ひたき人の来てをらず (山口県田布施町)山花芳秋
 【評】第一句。人間は死んだら何処へ行くのだろう。骨になるだけだろうか。第二句。獺祭忌は正岡子規の忌日。子規は野球が大好きだった。第三句。銃弾や手榴弾で命を落とすだけでなく、食糧不足のため戦地で餓死する兵士もいた。

<稲畑汀子選>
 ①百日紅やうやく疲れ見えはじむ (奈良市)名和佑介
 ⑥☆赤とんぼ虚空に翅を休めをり(米子市)中村襄介
 【評】一句目。百日咲き続けると言われる百日紅も、花の終わりの疲れが見えてきた。長く愛でてきた作者の心の推移。(後略)

<金子兜太選>
 ①桔梗や先生の引く対角線 (立川市)星野芳司
 ②溶岩に木苺熟れてこぼれけり (熊谷市)内野修
 ③生きる者みな遺族なり曼珠沙華(まんじゅしゃげ) (尼崎市)ひじり純子
 ⑦消息は森の奥より法師蝉 (泉大津市)多田羅初美
 【評】星野さん。桔梗が上手(うま)い。直線的な花弁と対角線が重なり清潔感増す。内野さん。素朴な色彩の対比、夏の終わり。ひじりさん。みな遺族。このことに気づけば戦争はなくなる。十句目岸田氏。天候不順の夏は過ぎた。次は台風か。

□「朝日俳壇」(朝日新聞 2017年9月18日)
朝日俳壇
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 【参考】
【朝日俳壇抄】渾身のバックホームや雲の峰 ~9月10日~
【朝日俳壇抄】つむじ風空蝉そらを飛びにけり ~9月4日~
【朝日俳壇抄】蟻地獄あなたの帰り待つてます ~8月28日~
【朝日俳壇抄】八月や骨で還れの骨さへも ~8月21日~
【朝日俳壇抄】戦争の滴り落つる日本かな ~8月14日~
【朝日俳壇抄】渾渾と泉湧きくる日野原忌 ~8月7日~
【朝日俳壇抄】天の川鳴門の渦に流れ入る ~7月31日~
【朝日俳壇抄】ヒアリ来る地球はますます炎えてくる ~7月24日~
【朝日俳壇抄】為政者の驕り露見や青嵐 ~7月10日~
【朝日俳壇抄】叩かれて叩かれてなほ油虫 ~7月3日~
【朝日俳壇抄】政権も徒党に堕すや走り梅雨 ~6月26日~
【朝日俳壇抄】妻はヨガ吾は吟行風薫る ~6月19日~
【朝日俳壇抄】あの人も人間失格桜桃忌 ~6月5日~
【朝日俳壇抄】地響きに滝の重さのありにけり ~5月29日~
【朝日俳壇抄】聖五月人には青の時代あり ~5月22日~
【朝日俳壇抄】戦後よりまた戦前へ四月馬鹿 ~5月15日~
【朝日俳壇抄】空爆の次は花見のニュースかな ~5月7日~
【朝日俳壇抄】鞦韆は蹴るべし愛は返すべし ~5月1日~
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【朝日俳壇抄】渾身のバックホームや雲の峰 ~9月10日~

2017年10月16日 | 詩歌
【凡例】☆印は共選作。①、②以下丸文字は一席、二席等。

<金子兜太選>
 ①語り部の遺影となりて八月尽 (太田市)吉部修一
 ②秋暑しとどのつまりは老いにけり (山梨県市川三郷町)笠井彰
 ⑨入院の祈りは一つ新月に (福岡市)伊佐利子
 ⑩鉄砲百合四つ開けば四方向く (下関市)内田恒生
 【評】吉部さん。戦禍を知る人がまた一人減ってしまった。語り継ぐこと増々大事に。笠井さん。達観、嘆息、いずれにしても、まだまだ。阿知波さん。日常を爽やかに詠む。季語も日常を。十句目内田氏。含意と読むか否かは読み手次第。

<長谷川櫂選>
 ①秋暑し残生の錆(さび)ことのほか (山梨県市川三郷町)笠井彰
 ②宇宙樹のごと立ち上る雲の峰 (島根県邑南町)高橋多津子
 ⑥一山の大気動きて秋に入る (三重県菰野町)川村佳子
 ⑨仏壇に残暑そのまま閉ぢにけり (飯塚市)釋蜩硯
 【評】一席。「残生の錆」とは! 残生までゆかなくても、年を重ねるにつれ帯びる錆がある。二席。宇宙を抱擁する一本の巨樹。青空にうすうすと見えるのだ。(後略)

<大串章選>
 ①秋暑し社葬の長き列に居て (川口市)青柳悠
 ②☆渾身(こんしん)のバックホームや雲の峰 (町田市)川井一郎
 ④熱帯夜消したき記憶つぎつぎと (東京都)大澤都志子
 ⑥芋殻焚く姉妹を雲が見て通る (群馬県東吾妻町)酒井大岳
 ⑩夏草や鎌倉古道に人を見ず (我孫子市)渡辺肇幸
 【評】第一句。現役社員の突然死であろうか。先輩同僚の長い列が続く。第二句。何としても本塁を踏ませてはならない。夏の高校野球が目に浮かぶ。(後略)

<稲畑汀子選>
 ①ずぶ濡(ぬ)れとなれば走らず大夕立 (横浜市)渡辺萩風
 ③☆渾身のバックホームや雲の峰 (町田市)川井一郎
 ⑤父母(ちちはは)の声を探してゐる墓参 (神戸市)岩水ひとみ
 【評】一句目。夕立でずぶ濡れの作者が開き直った瞬間である。(中略)三句目。野球の一コマ。フライをキャッチしてからの渾身の姿。

□「朝日俳壇」(朝日新聞 2017年9月10日)
朝日俳壇
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 【参考】
【朝日俳壇抄】つむじ風空蝉そらを飛びにけり ~9月4日~
【朝日俳壇抄】蟻地獄あなたの帰り待つてます ~8月28日~
【朝日俳壇抄】八月や骨で還れの骨さへも ~8月21日~
【朝日俳壇抄】戦争の滴り落つる日本かな ~8月14日~
【朝日俳壇抄】渾渾と泉湧きくる日野原忌 ~8月7日~
【朝日俳壇抄】天の川鳴門の渦に流れ入る ~7月31日~
【朝日俳壇抄】ヒアリ来る地球はますます炎えてくる ~7月24日~
【朝日俳壇抄】為政者の驕り露見や青嵐 ~7月10日~
【朝日俳壇抄】叩かれて叩かれてなほ油虫 ~7月3日~
【朝日俳壇抄】政権も徒党に堕すや走り梅雨 ~6月26日~
【朝日俳壇抄】妻はヨガ吾は吟行風薫る ~6月19日~
【朝日俳壇抄】あの人も人間失格桜桃忌 ~6月5日~
【朝日俳壇抄】地響きに滝の重さのありにけり ~5月29日~
【朝日俳壇抄】聖五月人には青の時代あり ~5月22日~
【朝日俳壇抄】戦後よりまた戦前へ四月馬鹿 ~5月15日~
【朝日俳壇抄】空爆の次は花見のニュースかな ~5月7日~
【朝日俳壇抄】鞦韆は蹴るべし愛は返すべし ~5月1日~


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【南雲つぐみ】世界食料デー ~10月16日~

2017年10月16日 | 医療・保健・福祉・介護
 10月16日は「世界食料デー(World Food Day)」。この日は、FAO(国際連合食糧農業機関)の創設記念日で、世界の食料問題を考えようと国連が制定した。日本では10月の1カ月間にさまざまなイベントが開催される。
 その中で各地で行われるのが「フードライブ」。家庭で余っている食料品を持ち寄り、広く地域の福祉団体や施設などに提供する活動だ。缶詰やレトルト食品、パスタなどの乾物、お茶などを対象に、食べ物を捨てずに有効に使うことを日常化していく試みだ。
 日本の食料自給率は年々低下し、カロリーベースで1990年代からほぼ40%となっている。一方で、まだ食べられるのに廃棄される「食品ロス」は年間約632万トンある(政府広報)。これは消費される食料全体の3割になる。
 食といえば、「食べ過ぎない」「体質に合った良いものを食べる」という肥満や生活習慣病、アレルギーなどに関心が寄せられがちだ。健康を大切にしつつ、世界の全ての人に食料が行き渡るよう、無駄なく使うことも考えていきたいものだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「世界食料デー ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年10月16日)を引用
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