語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【米国】サンオノフレ原発の核廃棄物移転を訴えた地域住民が“勝った”理由

2017年10月21日 | 社会
 (1)カリフォルニア州サンディエゴからほど近い、絶好のサーフスポットがある美しい海岸沿いにサンオノフレ原子力発電所がある。
 原発のすぐ横にあるビーチでは、家族連れやサーファーたちが水しぶきと歓声を上げて楽しむ。その海岸からわずか数十メートルの距離の土地に保管されているのが、1600トン近い高濃度核廃棄物だ。
 サンオノフレ原発自体は5年前に稼働を休止したが、地震や津波によって核廃棄物が海や周辺地域に流れ出すのを恐れていた住民たちは、原発を運営する電力会社、南カリフォルニア・エジソン社を訴え、原発の敷地にある核廃棄物を他所に移してほしいと要求した。
 そして8月末にエジソン社が、全ての核廃棄物を他所に移す努力を約束する和解が成立した。
 「この国の原発が、核廃棄物を他所に移すと約束したのは歴史上初めて。勝訴に等しい和解だ」と話すのは、訴訟を起こした市民団体、シチズンズ・オーバーサイト代表のレイ・ルッツ氏だ。核廃棄物を移す場所の候補地は、アリゾナ州などの人の住まない砂漠地帯になりそうだという。

 (2)しかし、なぜ巨大な電力会社を相手に、地域住民が“勝てた”のか。ルッツ氏は米国で大きく報道された福島原発事故の影響もあるとしながら、こう語った。「実はエジソン社も高濃度の核廃棄物をあんな所に置いたままで、万一の時、責任を問われたくなかった。そもそも、米エネルギー省が核廃棄物を引き取るはずだったが、その約束は実行されなかったし」。
 “あんな所”と彼が表現する場所を実際に歩いてみた。原発の建物と核廃棄物保管場所のすぐ横には高速道路のⅠ-5が走り、ひっきりなしに車が往来する。週末には道路は海水浴客で大渋滞だった。さらに原発や核廃棄物保管場所とⅠ-5の間には線路が敷かれ、列車が走っている。
 「これだけ人通りの激しい場所に高濃度の核廃棄物を置いてること自体クレイジーでしょ」と語るのは、住民のマッジ・トレスさん(67歳)だ。原発から37キロメートル地点に住む彼女は「地震や津波で放射能汚染が起きたら、20年近くローンを払い続けたわが家の価値はゼロになる。自宅だけが引退した私の唯一の財産なのに」と言う。
 エジソン社は核廃棄物移転に掛かる費用を400万ドルまで支払うことを約束したが、エジソン社の懐は痛まないはずだとトレスさんは言う。「廃炉にする費用も、核廃棄物処理の費用も、月々の電気代に上乗せされていて、ずっと私たち消費者が払ってきたから」。

 (3)和解に際し、エジソン社の社長は「政府や株主と協力して他所に(廃棄物の)ストレージを造る指揮を執る」とコメントを出した。
 小学校教師だったトレスさんは、1970年代に小学4年生の生徒たちを連れてサンオノフレ原発を社会科見学で訪れたことを思い出す。「ピエロに扮装したマジシャンが出てきて、子どもたちに『放射能は空気中に消えるから安全だよ』と言ったのが忘れられない」。
 地元サーフライダー財団のジェニファー・サベージさんはこう語る。「一刻も早く海岸線から放射能汚染の危険をなくしてほしい。有数のサーフスポットであるサンオノフレのビーチを楽しむサーファーの健康を守るためにも」。

□長野美穂(ロサンゼルス在住ジャーナリスト)「サンオノフレ原発の核廃棄物移転を訴えた地域住民が“勝った”理由」(「週刊ダイヤモンド」2017年10月21日号)
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 【参考】
【欧州】カタルーニャ独立は正しい選択なのか? ~住民投票で9割支持~
【米国】トランプ大統領のころころ変わる政策に振り回される不法移民
【中国】信用情報システム「芝麻信用」とは? ~個人の信用力を点数化~
【米国】北朝鮮問題の深刻化で浮上する開戦シナリオ ~1937年不況の再来?~
【欧州】英国のEU離脱選択で中東欧からの移民が激減 ~人手不足で農業は窮地に~
【欧州】ドイツ自動車業界を襲うディーゼル締め出し判決 ~EV普及の契機となるか~
【欧州】身近で頻発するテロで苦境に陥る欧州の観光業 ~ISが戦術を転換~
【中国】住宅を入手しやすい「新一線都市」が人気 ~地方の生活水準が向上~
【欧州】総工費8兆円超の英高速鉄道プロジェクト ~高まる期待と漂う懸念~
【欧州】スペイン経済は大打撃、欧州金融危機の再来か ~カタルーニャ独立~
【欧州】のゴミ箱扱いに憤慨する東欧諸国 ~深まるEUの東西分裂~
【英国】の地政学的優位性がBrexitで喪失 ~領内で高まる独立気運~
【欧州】北欧も難民入国規制強化へ ~形骸化するシェンゲン協定~
【スウェーデン】文化多元主義の限界 ~移民問題~

【佐藤優】リーダーが知るべき文明観、資本主義後の社会構想、刑務所暮らし経験者の本音

2017年10月20日 | ●佐藤優
 ①橋爪大三郎『世界は四大文明でできている』(NHK出版新書 820円)
 ②ポール・メイソン(佐々とも・訳)『ポストキャピタリズム』(東洋経済新聞社 2,200円)
 ③堀江貴文、井川意高著『東大から刑務所へ』(幻冬舎新書 820円)

 (1)①は、組織でリーダーとなる人が知らなくてはならない文明観について、学術的水準を落とさずに注意しつつ、分かりやすく書いている。
 <ビジネスも、政治や軍事や外交も、学術交流も、人間のやることです。人間であるからには、仕事で行なっているビジネスや政治や学術やの活動の背後に、そのひとの人間としてのどのような厚みと深みと、文明の理解が、控えているのかと興味がわきます。もしもそれが、自分と異なった、しかし共感のできるものだとわかったら、パートナーとして信頼と尊敬をえられるでしょう>
 との橋爪氏の指摘に評者も同意する。

 (2)②では、資本主義後の社会構想として次のような提言をしている。
 <政府レベルでは、「非市場経済庁」のような行政機関を創設し、無料のものを生産したり、共有や共同が不可欠となったりする、あらゆるビジネスを育てる役目を担い、価格システムを超える経済活動を最大限に拡大する。これが実施されれば、比較的小規模なインセンティブを用いて、大きな相乗効果を生み出し、経済を再構築できるだろう>
 これでは国家機能が肥大した新種のソ連型共産主義、もしくはイタリアファシズムのようになる危険がある。

 (3)③は、著者が本音で語り合っているので抜群に面白い。東大文学部中退の堀江氏と東大法学部卒業の井川氏(前大王製紙会長)が経済事件で懲役刑が確定し、刑務所に服役した経験について回想している。
 <堀江 裁判官って、自分より年収やステイタスが上の人間を認めたくないんだと思いますよ。「東大法学部を出て司法試験に受かって、裁判官にまでなったオレたち最高のエリートは、年収3000万円をもらってる。これが日本最高のステイタスだ。これ以上カネをもらってるヤツらは、悪いことをして稼いでるに違いない。世の中のルールに従っているフリをしながら、どこかでズルをしてるんだろう」くらいに考えてるんでしょうね。
井川 裁判官の倫理観ってものすごく時代遅れなんだよ。村上ファンドの村上世彰さんの判決にだって「利益を最優先するとはもってのほか」みたいなことが書いてあったでしょ。いやいや、ファンドの使命は顧客の利益を最大限にすることであって、それが職業倫理なんだよ>
 確かに裁判官の認識とはこのようなものだ。この2人が「悪かった、悪かった、ほんとうに運が悪かった」という類いの反省しかしていないことが行間から伝わってくる。

□佐藤優「刑務所暮らし経験者の本音 ~知を磨く読書 第219回~」(「週刊ダイヤモンド」2017年10月21日号)
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【佐藤優】夫婦の微妙な関係、安倍政権の内在的論理、警察捜査の正体
【佐藤優】情緒ではなく合理と実証で ~社会の再構築~
【佐藤優】中曽根康弘、21世紀の資本主義分析、北樺太の石油開発
【佐藤優】日本人の思考の鋳型、死刑問題、キリスト教と政治
【佐藤優】中国株式市場の怪しさ、イノベーションの障害、ホラー映画の心理学
【佐藤優】普天間基地移設問題の本質、外務省犯罪黒書、老後に快走!
【佐藤優】シリア難民が日本へ ~ハナ・アーレント『全体主義の起源』~

【南雲つぐみ】紅葉のメカニズム

2017年10月19日 | 医療・保健・福祉・介護
 桜を楽しむのは「花見」というのに対し、秋の紅葉はなぜ「紅葉狩り」なのだろう。
 諸説あるようだが、桜は天皇や貴族の邸宅内に植えられていたが、紅葉を楽しむ樹木は邸内にはない。そこで、紅葉を見るため狩猟と同様に山へ出かけていったのが由来といわれる。
 広葉樹の葉には、もともと緑の色素であるクロロフィルと黄色い色素のカロテノイドが含まれている。そういえば、針葉樹の深い緑に比べて、イチョウの葉にはもともと緑と黄色が合わさった黄緑色をしている。
 秋になり、次第に気温が低くなると、クロロフィルが分解されて緑色がなくなる。すると残ったカロテノイドにより、葉は黄色くなるのだ。
 一方、カエデなど、赤くなる葉は、クロロフィルの分解とともに葉の中に赤い色素のアントシアニンが作られていく。日光が当たり日中の気温が上がると、葉の中にため込まれていた糖分とタンパク質が化学合成してアントシアニンがたくさんできる。そこで、秋晴れが続き寒暖の差がある年は、紅葉がきれいになるそうだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「紅葉のメカニズム ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年10月14日)を引用
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【米国】ヤフーで30億人分の情報流出、世界で常態化する大規模データ漏洩 ~メガブリーチ ~

2017年10月19日 | 社会
 (1)2017年は「メガブリーチ元年(year of mega-breaches)」として記憶されるかもしれない。大規模なデータ漏洩(data breach)が相次ぎ発覚しているからだ。
 なかでも米ヤフーが突出している。同社は10月3日、2013年8月のサイバー攻撃によってアカウント数ベースで30億人分の情報が流出していた、と公表した。当時同社に存在した全アカウント数に相当する。一企業に対するハッキング事件としては、文句なしに史上最大だ。

 (2)何しろ、ヤフーが2016年12月に最初に公表した10億人と比べて3倍になっているのだ。当初の10億人は公表時点で史上最大だった。つまり、史上最大のハッキング事件がたったの10カ月で20億人も上方修正された格好だ。膨大なデータに依存し、常にハッキングの脅威にさらされているIT(情報技術)業界には激震が走った。
 2000年代前半にヤフーの情報セキュリティー対策を担当していたジェレマイア・グロスマン氏は、米IT専門誌「ワイアード」上で、次のようにコメントしている。
 「30億人とはすごい。これ以上のメガブリーチは起きないのではないか。ひょっとしたらグーグルやフェイスブックなどがハッキングに巻き込まれるかもしれない。それでも今回を上回る規模にはならないだろう」
 メガブリーチとは、漏洩したデータが1,000万件以上の事件を指す。

 (3)だが、ヤフーの場合には30億人分のアカウント情報が流出している。ここには名前や電話番号、生年月日、パスワードなどさまざまな個人データが含まれており、メガブリーチという表現でもインパクト不足かもしれない。
 米国を中心にメガブリーチは常態化しつつある。昨年の米国を見てみよう。IT業界に限ってもリンクトインで1億1,700万人、マイスペースで3億6,000万人、ヤフーで5億人相当のアカウント情報が流出していたことが発覚(ヤフーの5億人は今回公表のものとは別のサイバー攻撃によるデータ漏洩)。

 (4)2017年については、米信用情報大手エクイファクスも大きな注目を集めた。外部に流出した顧客情報はヤフーを大幅に下回る1億4,550万人分にとどまるとはいえ、一部の顧客についてはクレジットカード番号までも盗み出されており、影響はより大きい。同社の経営トップは辞任し、米議会に呼び出されて集中砲火を浴びた。

 (5)頻発するメガブリーチを背景に、「情報漏洩危険度指数(Breach Level Index=BLI)」は急ピッチで上昇している(BLIはオランダに本拠を置くデジタルセキュリティー大手ジェムアルトが集計している)。今年上半期に世界中で漏洩したデータは19億件に達し、昨年下半期と比べて164%増を記録しているのだ。
 メガブリーチに見舞われた企業の経営は厳しい。それを象徴しているのがヤフーだ。米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズへ身売りした際には買収価格の減額に応じなければならなかったし、個人情報を盗まれた利用者からは大規模な集団訴訟を起こされている。
 もっとも、ヤフーについて言えば最悪期は脱したかもしれない。被害規模を再び上方修正することはもうないからだ。

□牧野洋(ジャーナリスト兼翻訳家)「mega-breach(メガブリーチ) /米ヤフーで30億人分の情報流出、世界で常態化する大規模データ漏洩 ~Key Wordで世界を読む No.162~」(「週刊ダイヤモンド」2017年10月21日号)
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 【参考】
【北朝鮮】が自力で製造? ~西側先進国で使用禁止の猛毒ミサイル燃料「悪魔の毒液」~
【米国】アマゾンのベゾス氏の資産800億ドル突破 ~世界一の大富豪ゲイツ氏に肉薄~
【スウェーデン】の実験 ~1日6時間労働 six-hour workday~
【米国】保育危機 child care crisis ~保育費が大学授業料を超える~
【米国】トランポノミクス ~ドナルド・トランプの経済政策~
【IT】米IBMはもはや「コンピューターの巨人」ではない ~Medium Blue~



【欧州】カタルーニャ独立は正しい選択なのか? ~住民投票で9割支持~

2017年10月18日 | 社会
 (1)カタルーニャ自治州(州都バルセロナ)の独立を阻止するスペイン政府による実力行使は、世界を巻き込んだ金融危機を引き起こす可能性を秘めている。そうなれば、これはBrexitをはるかに上回る悪影響を世界経済に与えるだろう。
 10月1日に実施されたカタルーニャ州の独立を問う住民投票を阻止しようと、スペイン政府は警官隊を投票所に送り込み、多数の投票箱を撤収した。警官隊は抗議する州民に対しゴム弾を撃ち込み、800人以上が負傷した。実力行使だけではなく、独立に関わるサイトを閉鎖し、投票に関わる携帯電話アプリへのアクセスをブロックし、ネット上の情報規制も行った。さらにスペイン政府は有無を言わせず独立を阻止するため、地方政府の権限の凍結を行う憲法155条を適用する可能性が高い。
 実力行使や155条の適用は明らかに逆効果だ【注】。独立派、残留派の区別なく、80%のカタルーニャ州民が住民投票を望んでおり、今回の投票でも(投票率42%)、90%以上が独立に賛成したからだ。中央政府が強権的な態度に出れば出るほど、州民の感情は高ぶり、独立に中立・否定的だった州民でさえ、独立派に加わるだろう。

 (2)ただ、独立という選択には大きなリスクが伴う。独立派の大きな勘違いは、三つ。
  (a)カタルーニャがデンマークやフィンランド並みの経済規模のため、同じような経済発展ができると考えていることだ。カタルーニャはスペインの輸出の3割以上を担っているが、地中海に面する最大の港を保有しているため、スペインからの輸出の70%を取り扱う流通の重要拠点でもある。これはカタルーニャが欧州連合(EU)で4位の経済基盤を持つスペインの規模の経済のメリットをフルに受けていることを示している。この地域が潤っている大きな要因はスペインの一部であるからなのだ。
  (b)独立派によるもう一つの勘違いは、政府による資金の再配分に対する不満だ。確かに不公平な資金再配分は長年続いているものの、先月にスペイン財務省が出したデータを見ると、2014年にカタルーニャが供出した税金と中央政府から受け取った額の差は98億ユーロ(約1兆3,000億円)で、1人当たり1,317ユーロ(約17万円)の「支払い超過」だ。しかしこれは他地域と比べて突出して高いわけではない。
  (c)さらに、英国、フランス、ドイツの銀行によるスペイン向け融資は、EUの問題児とされるギリシャのそれと比べると桁違いに大きい。しかし、スペイン経済の20%を占めるカタルーニャが独立し、経済基盤が著しく不安定になるスペインに対しては信用コストが跳ね上がるだろう。その一方、カタルーニャが独立しても、離脱・立ち上げ費用、巨額の財政赤字、そして深刻な状況に陥っている大手銀行を抱える不確定要素満載の新生国に対して、金融機関は寛容な貸し付けを行わない。これはスペイン、カタルーニャ双方にとって崩壊へのシナリオだ。

 (3)政府側がすべきことは、これらの現実を州民に問うことであって、ゴム弾を撃ち込むことではない。力による住民投票阻止を行うことは、火に油を注ぐ行為だ。

 【注】「【欧州】スペイン経済は大打撃、欧州金融危機の再来か ~カタルーニャ独立~

□竹下誠二郎(静岡県立大学経営情報学部教授)「【from 欧州】 住民投票で9割支持 カタルーニャ独立は正しい選択なのか?」(「週刊ダイヤモンド」2017年10月21日号)
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【スウェーデン】文化多元主義の限界 ~移民問題~

【朝日俳壇抄】帰省の子大人になりて寄りがたし ~10月2日~

2017年10月18日 | 詩歌
【凡例】☆印は共選作。①、②以下丸文字は一席、二席等。

<稲畑汀子選>
 ③旅人として故郷の霧に濡れ (仙台市)三井英二
 ⑦秋天を秋天らしく描く雲 (高松市)白根純子
 【評】(前略)三句目。旅人として訪ねた故郷で、霧が郷愁を抱かせる。

<金子兜太選>
 ③廃校が村の食堂茸飯(きのこめし) (東大阪市)渡辺美智子
 ⑦酒好きと道連れとなる秋遍路 (新座市)五明紀春
 ⑩頑張れる者はがんばり秋の暮 (相馬市)根岸浩一
 【評】(前略)渡辺さん。人の減る村。されどしっかり暮らしあり。十句目根岸氏。さて、何を頑張るか。稲刈りか。

<長谷川櫂選>
 ②帰省の子大人になりて寄りがたし (いわき市)大津日出子
 ⑨春愁と別れ秋思とまた出会ふ (川越市)渡邉隆
 【評】(前略)二席。ちょっとの間にすっかりおとなびて。「寄りがたし」、やがて頼もしさに変わる。(後略)

<大串章選>
 ①水切りの小石届けり天の川 (大村市)小谷一夫
 ②広島の優勝に沸く獺祭忌(だっさいき) (高松市)島田章平
 ③孫抱いて地球儀見つむ彼岸花(羽生市) 小川正志
 ⑤笑ふことありしか母の笑む遺影(別府市)宇都宮克之
 ⑨希(まれ)に聞く虫の音欧州旅情かな(ドイツ)ハルツォーク洋子
 【評】第一句。小さな「小石」と広大な「天の川」の取合せに詩情あり。第二句。広島は九月十八日に優勝決定、翌日大きく報じられた。十九日は獺祭忌。第三句。孫の未来を思いながら地球儀を見ている。「彼岸花」が微妙に効いている。

□「朝日俳壇」(朝日新聞 2017年10月2日)
朝日俳壇
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 【参考】
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【朝日俳壇抄】君以外覚えず高二の文化祭 ~9月18日~
【朝日俳壇抄】渾身のバックホームや雲の峰 ~9月10日~
【朝日俳壇抄】つむじ風空蝉そらを飛びにけり ~9月4日~
【朝日俳壇抄】蟻地獄あなたの帰り待つてます ~8月28日~
【朝日俳壇抄】八月や骨で還れの骨さへも ~8月21日~
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【朝日俳壇抄】渾渾と泉湧きくる日野原忌 ~8月7日~
【朝日俳壇抄】天の川鳴門の渦に流れ入る ~7月31日~
【朝日俳壇抄】ヒアリ来る地球はますます炎えてくる ~7月24日~
【朝日俳壇抄】為政者の驕り露見や青嵐 ~7月10日~
【朝日俳壇抄】叩かれて叩かれてなほ油虫 ~7月3日~
【朝日俳壇抄】政権も徒党に堕すや走り梅雨 ~6月26日~
【朝日俳壇抄】妻はヨガ吾は吟行風薫る ~6月19日~
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【朝日俳壇抄】聖五月人には青の時代あり ~5月22日~
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【朝日俳壇抄】空爆の次は花見のニュースかな ~5月7日~
【朝日俳壇抄】鞦韆は蹴るべし愛は返すべし ~5月1日~

【保健】もし妻が乳がんに罹患したら ~10月はピンクリボン月間~

2017年10月17日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)10月はピンクリボン月間──乳がん啓発月間だ。
 日本の女性は40歳未満の若年成人と60歳未満の閉経前に発症のピークがある。乳がんは現役世代を直撃するのだ。万が一、妻が乳がんに罹患したら配偶者にどんな影響があるのだろう。

 (2)2014年、厚生労働省・がん臨床研究事業の一環として、乳がん患者の配偶者が感じている「困難」を明らかにすることを目的に調査が行われた。対象は妻が乳がんと診断され、治療後6年以内である男性368人だった。
 インターネット調査(期間:09年11~12月)に回答した男性の年齢は、50代が35.4%、40代が34.8%と、40~50代が7割を占めた。子どもがいる夫婦は8割以上だった。また、乳がん患者(妻)の9割以上が乳房全摘もしくは温存手術を受けており、6割以上が抗がん剤治療、放射線療法を受けていた。
 質問の結果、配偶者は「何をサポートすればいいかわからない」「どう接すればいいかわからない」「妻の気持ちがわからない」と「妻ががん」という状況に困惑している様子が認められた。
 診断直後に限ると半数以上が、診断から数年が過ぎた時点でも1~3割が困惑を引きずっている。
 特に
 (a)配偶者の年齢が若い。
 (b)抗がん剤治療中、あるいは再発など患者の状態が悪い。
 (c)自分自身ががんに罹患した経験がある。
などの条件で「困難」を感じやすい。若い夫婦は幼い子どもがいる可能性が高いため、将来や経済面の不安が強く、妻・母の死を恐れる、などの理由が考えられる。
 また、困難感が強い配偶者は、情報の提供や相談など社会的サポートを強く求めていることも示された。研究者は、「配偶者をいかに社会的サポートにつなげるか検討が必要」だという。

 (3)先行研究では、がん患者の配偶者が自身の不安を否定する「回避行動」や、不安が高じて「過干渉行動」をとると、双方の心身に悪影響があることがわかっている。
 早期乳がんの5年生存率が90%を超える今、配偶者も「がんとの共存」を冷静に受け入れる必要があるのだろう。

□井出ゆきえ(医学ライター)「10月はピンクリボン月間です/もし、妻が乳がんに罹患したら ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.370~」(「週刊ダイヤモンド」2017年10月21日号)
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 【参考】
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【保健】歯周病と全身疾患との関係
【保健】尿のpHで糖尿病の発症予測 ~酸性度が高いとリスクが上昇~
【保健】ビタミンB群の過剰摂取にご注意 ~男性の肺癌発症リスクが上昇~
【保健】長距離タイムは血液型しだいか ~影響は普段の練習に匹敵~
【保健】活動格差が肥満を招く ~72万人に対する調査で判明~
【保健】認知症の発症を予防する/10代から意識すべき9因子
【保健】10代の望まない妊娠を防ぐ ~長期間効果がある避妊法を選択~
【保健】糖尿病網膜症リスクを軽減 ~26メッツ・時/週以上の運動~
【保健】ヒアリにどう対処する? ~アナフィラキシーに注意~
【保健】鬱に効くボルダリング ~悲観的な自動思考を解消~
【保健】主食をしっかり食べると公平な判断ができる
【保健】梅雨明け~お盆は熱中症の季節 ~危ない人、予防と対応法~
【保健】塩分過剰で空腹に ~高血圧どころかメタボに~
【保健】満腹より栄養素に目を向けて ~収入が低い世帯は主食頼み~
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【保健】成人ADHDの予備診断 ~六つの質問でクリーニング~
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【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~
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【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~
【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~
【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~
【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?
【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~
【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~
【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~
【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~

【南雲つぐみ】六十の手習い ~バイオリン~

2017年10月17日 | 医療・保健・福祉・介護
 58歳になる知人がバイオリンを始めた。超絶技巧のバイオリニスト、パガニーニの映画を見て感動したのだそうだ。
 彼女はまず、通販で1万円の楽器を購入した。楽譜も読めないというのに「独学で頑張る」というから半信半疑だったが、最近では「バイオリン」「独学」と検索すると動画サイトなどに、レッスンの様子がいくつも見つかるそうだ。楽器の選び方や扱い方から、簡単な曲の弾き方まで、初心者にも分かりやすく手ほどきしてくれるという。
 2週間もしないうちに、「1曲弾けるようになった」と電話があった。電話口で聞かせてもらうと、ノコギリを弾いているような音も混じるが、確かに曲になっていて、思わず拍手。
 「六十の手習い」は、もともと冷やかし言葉ではなく、学問や習い事を始めるのに年齢制限はなく、いくつからでも遅くはないという意味だそうだ。しかも現代では、インターネットなどの情報網をうまく活用して、どこにいても商品やシステムを得ることができる。要はやる気と目的なのだろう。

□南雲つぐみ(医学ライター)「六十の手習い ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年5月10日)を引用
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 【参考】
【南雲つぐみ】キノコの季節に「キノコアドバイザー」
【南雲つぐみ】世界食料デー ~10月16日~
【南雲つぐみ】の記事一覧
【南雲つぐみ】の記事一覧

【米国】トランプ大統領のころころ変わる政策に振り回される不法移民

2017年10月17日 | 社会
 (1)「大統領閣下、あなたは私たちの身の上に起こることを理解していますか?」
 9月5日、ニューヨークのダウンタウンで開かれたデモで、メキシコ移民の若い女性ローラが、涙ながらに訴えた。
 同日、トランプ政権が「子どもの時に親に連れられて不法入国した若者らの強制送還を猶予する措置(DACA)」を打ち切ると発表し、急遽開かれた「DACAのために戦おう」というデモのクライマックスだ。
 「私たちは、米国人として学校にも行き、職業もあります。強制送還されても、両親の国には身内も友達もいません。そればかりか、私たちが強制送還されると、家族が離れ離れになってしまうのです」
 ローラは、そう続けた。

 (2)オバマ前大統領が2012年に署名したDACAが開始した時、移民の多くの子女が喜び、涙した。それまで、不法移民であることを隠しながら、大学に進学したり、就職したりしていたのだ。
 トランプ政権によると、DACA撤廃までの猶予は6カ月で、それまでに代替案を検討するように連邦議会に求めた。
 同日(9月5日)、トランプ氏は声明で「違法な移民政策を終わらせる責任がある」と述べ、DACAは憲法違反という見解を示している。

 (3)DACAによって、進学・就職といった「アメリカンドリーム」を見ることができるようになった若者=「ドリーマーズ」は、南米系を中心に、およそ80万人に上る。
 DACAの生みの親であるオバマ氏は、トランプ政権発足後、沈黙を続けてきた。しかし、今回の打ち切り表明に対して、「残酷で自滅的な決定だ」と珍しく強い非難を示した。
 DACAで保護されている人々を雇用している企業にとっても、大きな打撃となる。ザッカーバーグ・フェイスブック最高経営責任者(CEO)は、「残酷だ」と批判。クック・アップルCEOも「アップルはドリーマーと共に戦う」とツイートした。

 (4)デモが開かれた9月5日現在、DACAの適用者は、6カ月後の計画は何も立てられない、わが身に何が起こるか分からない、という状況だった。
 しかし、9月13日夜、トランプ氏と夕食を共にした民主党幹部は、DACA適用者が強制送還されないように法的措置を講じることで大統領と合意した、と電撃発表した。不法移民が入国しないように国境付近の警備を拡大する措置と抱き合わせで合意に達した、という。
 翌14日、トランプ氏もこう述べて、合意を肯定した。
 「80万人の若い人が、米国に連れられてきた。彼らが悪いわけではない。われわれは、DACAのための計画を練っているところだ」

 (5)移民を増やしたくない、いや排除したい、とまで思っている保守派共和党議員や有権者からは、一斉に反対の声が上がった。国境警備の予算が付帯していた背景には、そうした人々を少しでも満足させなければならないという事情がある。
 いずれにせよ、DACA適用者は10日間、強制送還の「悪夢」にさいなまれた。それが完全に消えるのかは、まだ不透明だ。撤廃を言い出した大統領がそれを撤回すると言っても、またいつ心変わりするか分からないのだから。

□津山恵子(ニューヨーク在住ジャーナリスト))「トランプ大統領のころころ変わる政策に振り回される不法移民」(「週刊ダイヤモンド」2017年9月30日号)
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 【参考】
【中国】信用情報システム「芝麻信用」とは? ~個人の信用力を点数化~
【米国】北朝鮮問題の深刻化で浮上する開戦シナリオ ~1937年不況の再来?~
【欧州】英国のEU離脱選択で中東欧からの移民が激減 ~人手不足で農業は窮地に~
【欧州】ドイツ自動車業界を襲うディーゼル締め出し判決 ~EV普及の契機となるか~
【欧州】身近で頻発するテロで苦境に陥る欧州の観光業 ~ISが戦術を転換~
【中国】住宅を入手しやすい「新一線都市」が人気 ~地方の生活水準が向上~
【欧州】総工費8兆円超の英高速鉄道プロジェクト ~高まる期待と漂う懸念~
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【朝日俳壇抄】人間も桃もおほかた皮と水 ~9月25日~

2017年10月17日 | 詩歌
【凡例】☆印は共選作。①、②以下丸文字は一席、二席等。

<大串章選>
 ①秋といふ駅に降り立つ目覚めかな (東京都)青木千禾子
 ②初鴨に湖(うみ)の光の新しく (鹿児島市)青野迦葉
 ③灯を消して人間の闇虫の闇 (長野市)縣展子
 ⑨賢治忌や古民家カフェにセロ流る (弘前市)須藤一光
 ⑩居酒屋へ月の神社を通りけり (明石市)北前波塔
 【評】第一句。爽やかな目覚め。秋晴れの一日であろう。第二句。初鴨が飛んで来ると、湖の光が新しくなる。第三句。「人間の闇」は辛辣(しんらつ)だが「虫の闇」は趣がある。虫の闇に心を解き放ち、人間の闇を消したい。

<稲畑汀子選>
 ①流星や見えぬ宇宙を見てゐたり (小樽市)伊藤玉枝
 【評】一句目。流星を見ようと夜空を仰いだ作者。待ってもなかなか現れず、暗い宇宙を見つめる思い。(後略)

<金子兜太選>
 ②無人なる被曝(ひばく)の町の天高し (いわき市)馬目空
 ③三十回咀嚼(そしゃく)に釣瓶落しかな (松山市)正岡唯真
 【評】(前略)馬目さん。被曝福島、秋草が寂しい。(後略)

<長谷川櫂選>
 ①物干しに子狸来たり月見るや (河内長野市)北阪英一
 ③桐一葉月の光を浴びて落つ (飯塚市)釋蜩硯
 ⑦伯父貴には伯母御がでんと敬老日(岐阜県揖斐川町)野原武
 ⑧人間も桃もおほかた皮と水 (北本市)萩原行博
 ⑨桔梗のごとき男にまだ逢はず (岡山市)三好泥子
 【評】秋の夜長の句を三句。一席。狸には狸の世界がある。それは人間の世界より少し平和にみえる。(後略)

□「朝日俳壇」(朝日新聞 2017年9月25日)
朝日俳壇
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【南雲つぐみ】キノコの季節に「キノコアドバイザー」

2017年10月16日 | 医療・保健・福祉・介護
 10月15日は「キノコの日」。10月はキノコ狩りが盛んになるだけでなく、鍋料理の本格シーズンになり、スーパーなどの店頭でキノコを多く見かけるようになる。
 キノコはカロリーがほとんどなく、ビタミンDやB群、食物繊維を豊富に含む。うまみ成分が強く、鍋や汁ものの味と栄養価を高めてくれる。
 「キノコの日」を制定した日本特用林産振興会の資料では、国内でこれまでに約2,500種のキノコが認められている。マツタケやシイタケ、シメジなどのように、柔らかく柄と傘がある一般的な形態のキノコ(ハラタケ目)に限っても、約1,500種あるそうだ。
 毒キノコにもさまざまな種類があって、分類学的に6目、18科、約40属にまたがる。毒キノコかどうかの見極め方で「柄が縦に裂けるキノコは食べても大丈夫」「毒キノコは毒々しい色をしている」などは、いずれもあてにしてはいけないという。
 同振興会では、こうしたキノコの正しい知識や情報を伝える専門家として「キノコアドバイザー」を育成している。

□南雲つぐみ(医学ライター)「キノコの日 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年10月15日)を引用
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【朝日俳壇抄】君以外覚えず高二の文化祭 ~9月18日~

2017年10月16日 | 詩歌
【凡例】☆印は共選作。①、②以下丸文字は一席、二席等。

<長谷川櫂選>
 ①金亀子(こがねむし)手を貸さずとも起きにけり(一宮市)岩田一男
 ③君以外覚えず高二の文化祭 (筑後市)近藤史紀
 ④西鶴忌よくある別れ話かな (川越市)渡邉隆
 ⑦☆赤とんぼ虚空に翅(はね)を休めをり(米子市)中村襄介
 【評】一席。どうにかこうにか自力で起き直れる。手を貸すのは愛情だが、貸さぬのもまた愛情。人もまた。(中略)三席。不要のものはすべて消去して。記憶とは正直なもの。

<大串章選>
 ①地球てふ仮の住処(すみか)や鰯雲 (今治市)横田青天子
 ②老いてなほ野球少年獺祭忌 (向日市)松重幹雄
 ③餓死といふ戦死もありし敗戦忌 (高槻市)池田利美
 ④敬老会逢ひたき人の来てをらず (山口県田布施町)山花芳秋
 【評】第一句。人間は死んだら何処へ行くのだろう。骨になるだけだろうか。第二句。獺祭忌は正岡子規の忌日。子規は野球が大好きだった。第三句。銃弾や手榴弾で命を落とすだけでなく、食糧不足のため戦地で餓死する兵士もいた。

<稲畑汀子選>
 ①百日紅やうやく疲れ見えはじむ (奈良市)名和佑介
 ⑥☆赤とんぼ虚空に翅を休めをり(米子市)中村襄介
 【評】一句目。百日咲き続けると言われる百日紅も、花の終わりの疲れが見えてきた。長く愛でてきた作者の心の推移。(後略)

<金子兜太選>
 ①桔梗や先生の引く対角線 (立川市)星野芳司
 ②溶岩に木苺熟れてこぼれけり (熊谷市)内野修
 ③生きる者みな遺族なり曼珠沙華(まんじゅしゃげ) (尼崎市)ひじり純子
 ⑦消息は森の奥より法師蝉 (泉大津市)多田羅初美
 【評】星野さん。桔梗が上手(うま)い。直線的な花弁と対角線が重なり清潔感増す。内野さん。素朴な色彩の対比、夏の終わり。ひじりさん。みな遺族。このことに気づけば戦争はなくなる。十句目岸田氏。天候不順の夏は過ぎた。次は台風か。

□「朝日俳壇」(朝日新聞 2017年9月18日)
朝日俳壇
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【朝日俳壇抄】渾身のバックホームや雲の峰 ~9月10日~
【朝日俳壇抄】つむじ風空蝉そらを飛びにけり ~9月4日~
【朝日俳壇抄】蟻地獄あなたの帰り待つてます ~8月28日~
【朝日俳壇抄】八月や骨で還れの骨さへも ~8月21日~
【朝日俳壇抄】戦争の滴り落つる日本かな ~8月14日~
【朝日俳壇抄】渾渾と泉湧きくる日野原忌 ~8月7日~
【朝日俳壇抄】天の川鳴門の渦に流れ入る ~7月31日~
【朝日俳壇抄】ヒアリ来る地球はますます炎えてくる ~7月24日~
【朝日俳壇抄】為政者の驕り露見や青嵐 ~7月10日~
【朝日俳壇抄】叩かれて叩かれてなほ油虫 ~7月3日~
【朝日俳壇抄】政権も徒党に堕すや走り梅雨 ~6月26日~
【朝日俳壇抄】妻はヨガ吾は吟行風薫る ~6月19日~
【朝日俳壇抄】あの人も人間失格桜桃忌 ~6月5日~
【朝日俳壇抄】地響きに滝の重さのありにけり ~5月29日~
【朝日俳壇抄】聖五月人には青の時代あり ~5月22日~
【朝日俳壇抄】戦後よりまた戦前へ四月馬鹿 ~5月15日~
【朝日俳壇抄】空爆の次は花見のニュースかな ~5月7日~
【朝日俳壇抄】鞦韆は蹴るべし愛は返すべし ~5月1日~

【朝日俳壇抄】渾身のバックホームや雲の峰 ~9月10日~

2017年10月16日 | 詩歌
【凡例】☆印は共選作。①、②以下丸文字は一席、二席等。

<金子兜太選>
 ①語り部の遺影となりて八月尽 (太田市)吉部修一
 ②秋暑しとどのつまりは老いにけり (山梨県市川三郷町)笠井彰
 ⑨入院の祈りは一つ新月に (福岡市)伊佐利子
 ⑩鉄砲百合四つ開けば四方向く (下関市)内田恒生
 【評】吉部さん。戦禍を知る人がまた一人減ってしまった。語り継ぐこと増々大事に。笠井さん。達観、嘆息、いずれにしても、まだまだ。阿知波さん。日常を爽やかに詠む。季語も日常を。十句目内田氏。含意と読むか否かは読み手次第。

<長谷川櫂選>
 ①秋暑し残生の錆(さび)ことのほか (山梨県市川三郷町)笠井彰
 ②宇宙樹のごと立ち上る雲の峰 (島根県邑南町)高橋多津子
 ⑥一山の大気動きて秋に入る (三重県菰野町)川村佳子
 ⑨仏壇に残暑そのまま閉ぢにけり (飯塚市)釋蜩硯
 【評】一席。「残生の錆」とは! 残生までゆかなくても、年を重ねるにつれ帯びる錆がある。二席。宇宙を抱擁する一本の巨樹。青空にうすうすと見えるのだ。(後略)

<大串章選>
 ①秋暑し社葬の長き列に居て (川口市)青柳悠
 ②☆渾身(こんしん)のバックホームや雲の峰 (町田市)川井一郎
 ④熱帯夜消したき記憶つぎつぎと (東京都)大澤都志子
 ⑥芋殻焚く姉妹を雲が見て通る (群馬県東吾妻町)酒井大岳
 ⑩夏草や鎌倉古道に人を見ず (我孫子市)渡辺肇幸
 【評】第一句。現役社員の突然死であろうか。先輩同僚の長い列が続く。第二句。何としても本塁を踏ませてはならない。夏の高校野球が目に浮かぶ。(後略)

<稲畑汀子選>
 ①ずぶ濡(ぬ)れとなれば走らず大夕立 (横浜市)渡辺萩風
 ③☆渾身のバックホームや雲の峰 (町田市)川井一郎
 ⑤父母(ちちはは)の声を探してゐる墓参 (神戸市)岩水ひとみ
 【評】一句目。夕立でずぶ濡れの作者が開き直った瞬間である。(中略)三句目。野球の一コマ。フライをキャッチしてからの渾身の姿。

□「朝日俳壇」(朝日新聞 2017年9月10日)
朝日俳壇
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 【参考】
【朝日俳壇抄】つむじ風空蝉そらを飛びにけり ~9月4日~
【朝日俳壇抄】蟻地獄あなたの帰り待つてます ~8月28日~
【朝日俳壇抄】八月や骨で還れの骨さへも ~8月21日~
【朝日俳壇抄】戦争の滴り落つる日本かな ~8月14日~
【朝日俳壇抄】渾渾と泉湧きくる日野原忌 ~8月7日~
【朝日俳壇抄】天の川鳴門の渦に流れ入る ~7月31日~
【朝日俳壇抄】ヒアリ来る地球はますます炎えてくる ~7月24日~
【朝日俳壇抄】為政者の驕り露見や青嵐 ~7月10日~
【朝日俳壇抄】叩かれて叩かれてなほ油虫 ~7月3日~
【朝日俳壇抄】政権も徒党に堕すや走り梅雨 ~6月26日~
【朝日俳壇抄】妻はヨガ吾は吟行風薫る ~6月19日~
【朝日俳壇抄】あの人も人間失格桜桃忌 ~6月5日~
【朝日俳壇抄】地響きに滝の重さのありにけり ~5月29日~
【朝日俳壇抄】聖五月人には青の時代あり ~5月22日~
【朝日俳壇抄】戦後よりまた戦前へ四月馬鹿 ~5月15日~
【朝日俳壇抄】空爆の次は花見のニュースかな ~5月7日~
【朝日俳壇抄】鞦韆は蹴るべし愛は返すべし ~5月1日~



【南雲つぐみ】世界食料デー ~10月16日~

2017年10月16日 | 医療・保健・福祉・介護
 10月16日は「世界食料デー(World Food Day)」。この日は、FAO(国際連合食糧農業機関)の創設記念日で、世界の食料問題を考えようと国連が制定した。日本では10月の1カ月間にさまざまなイベントが開催される。
 その中で各地で行われるのが「フードライブ」。家庭で余っている食料品を持ち寄り、広く地域の福祉団体や施設などに提供する活動だ。缶詰やレトルト食品、パスタなどの乾物、お茶などを対象に、食べ物を捨てずに有効に使うことを日常化していく試みだ。
 日本の食料自給率は年々低下し、カロリーベースで1990年代からほぼ40%となっている。一方で、まだ食べられるのに廃棄される「食品ロス」は年間約632万トンある(政府広報)。これは消費される食料全体の3割になる。
 食といえば、「食べ過ぎない」「体質に合った良いものを食べる」という肥満や生活習慣病、アレルギーなどに関心が寄せられがちだ。健康を大切にしつつ、世界の全ての人に食料が行き渡るよう、無駄なく使うことも考えていきたいものだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「世界食料デー ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年10月16日)を引用
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【後藤謙次】自民党優位、希望の党苦戦の裏で注目高まる無所属ネットワーク

2017年10月15日 | 社会
 (1)やはり選挙は怖い。時々刻々と情勢が変わる。
 東京都知事の小池百合子による「小池劇場」で始まった衆院選挙は、10日の公示前後から様相が一変した。12日付の在京6紙の朝刊の見出しがそれを証明する。
  「自民堅調 希望伸びず」(朝日新聞)
  「自公300超うかがう 希望伸び悩み 立憲に勢い」(毎日新聞)
  「自民単独過半数の勢い 希望伸び悩み」(読売新聞)
  「与党、300議席に迫る勢い 自民、単独安定多数も」(日本経済新聞)
  「自公300議席うかがう 希望、伸び悩み」(産経新聞)
  「自公堅調、希望伸び悩み」(東京新聞)

 (2)毎日新聞と東京新聞は共同通信社の調査によるが、全紙に共通するのは自民党の優位と、台風の目とみられていた希望の党の苦戦ぶりだ。
 小池は、9月27日の新党設立の記者会見では首相の安倍晋三に激しい言葉で“挑戦状”をたたきつけた。
 「本気で政権を取りにいく改革保守政党をつくりたい。日本をリセットするための党を立ち上げる」
 その後は小池旋風が吹き続ける。民進党代表の前原誠司とタッグを組み、民進党が事実上解体された。大多数の候補者が希望の党に流れ込む・・・・かにみえた。
 しかし、小池が表明した「排除の論理」が、全く新しい状況を生んだ。
 小池・前原連合に反発した枝野幸男・元官房長官を中心に立憲民主党が結成されると、希望の党の勢いに陰りが見え始め、小池が唱えた「政権選択選挙」が大きく後退した。
 気を持たせた揚げ句に「首相候補」を決められないまま公示日を迎えた。方向性の定まらない“新造船”への乗船を見合わせる候補者が続出した、当然。
 各紙の情勢調査を見る限り、小池の強気戦略が裏目に出た格好だ。逆に筋を通した立憲民主党が反自民票の一定の受け皿になりつつある。

 (3)今回の選挙の大きな特徴は、大量の無所属候補が生まれたことだ。解散時に現職議員だった民進党出身者の無所属候補の総数は21人に上る。
 2005年の郵政選挙では、27人の無所属候補が立候補した。
  (a)当時の首相、小泉純一郎が郵政民営化法案に反対した自民党の候補者全員を非公認にしたからだ。
  (b)小泉は刺客候補を立てて反対派の自民党候補者の追い落としを図った。このうち綿貫民輔・元衆院議長、亀井静香・元運輸相らは国民新党を結成して抵抗したが、大半は無所属という孤独の戦いを強いられた。いわば「やむを得ず無所属」だった。
 今回は、むしろ積極的にあえて無所属を選択した候補が目立つ。中には一度は希望の党の公認候補になりながら公認を辞退して無所属に転じた候補もいる。その背景には、
   ①小池が声高に叫んだ「排除の論理」
   ②事実上の「踏み絵」となった「政策協定書」
の存在がある。前首相の野田佳彦はテレビカメラに向かって意地を見せた。
 「先に離党していった人の股をくぐる気は全くない」

 (4)国民世論は無所属の候補者を「筋を通した政治家」として注目。加えて民進党の最大の支持団体である連合の会長、神津里季生が「排除の論理」に激怒したことも大きい。連合は9月下旬の時点で推薦を決めていた候補者を、所属にかかわらず支援することを表明した。
 「働く者の思いを共有できる人たちをしっかり国会に送り出すことを当面の最大の課題として力を入れていく」
 連合という686万人の労働者を擁する組織が支援するとなれば、「無所属でも十分戦える」(民進党幹部)。そう踏んでも不思議はない。野田に続き、元外相の岡田克也らが次々と無所属での立候補を表明した。勢いを感じたのか、岡田は新たな動きに出た。民進党出身の無所属候補のネットワークを構築したのだ。
 「分散してしまった野党を一つにしていく接着剤、中軸としての役割をわれわれ無所属が果たしていきたい」
 最終的に民進党出身の無所属候補が何人当選するかは分からないが、一定の勢力を確保する可能性は高い。小池が首相候補を明らかにしないまま選挙戦に突入したため、選挙後の政権の枠組みに関心が移っている中、「無所属ネットワーク」の存在は無視できない。

 (5)民進党出身の無所属候補に関しては、別の意味で注目される2人がいる。前原と、前原の手足となって希望の党の候補者調整を担ってきた玄葉光一郎・元外相だ。
 前原は、民進党の希望者全員の希望の党への合流を約束して両院議員総会で了承を取り付けたが、結果は「選別合流」。前原に対する不信感が党内に根強く残っている。
 民進党は今も参院議員と地方議員を残して政党として存在している。前原は選挙後にどう対応するのか--。

 (6)衆院議員として最多の16回連続当選を果たしてきた小沢一郎も、今回は無所属で挑む。小沢は依然として野党再結集に強い意欲を持っている、とされる。
 無所属候補が選挙後の政局の動向を左右する鍵を握ることは間違いない。

 (7)既に小池は選挙後を見据えた言動を繰り返す。
 「(首相候補は)選挙の結果を踏まえながら考える」
 小池が当初目指した「政権選択選挙」の意味合いは失われ、「安倍1強政治」をめぐって「イエス」か「ノー」かの選挙へと意味合いが変化した。
 自民党選対のベテラン幹部は常々こう語っている。
 「日本の選挙の最大の特徴は一貫して自民党が好きか嫌いか。自民党候補に投票するかしないか。これだけだ」
 安倍は勝敗ラインについて、「自公で233の過半数」と極めて低い目標を掲げたまま。選挙戦では優位な戦いを進める自民党だが、内閣支持率は低下している。風向き不明の選挙戦が続く。安倍による「不意打ち解散」の最終到着点はまだ見えない。

□後藤謙次「自民党優位、希望の党苦戦の裏で注目高まる無所属ネットワーク ~永田町ライブ!No.360」(「週刊ダイヤモンド」2017年10月21日号)
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 【参考】
【後藤謙次】「希望の党」の失言が引き起こした民進党解体 ~政治は一言で動く~
【後藤謙次】選挙戦の主導権握った小池新党 ~舞台裏は「細川劇場パート2」~
【後藤謙次】前代未聞の「トランプ解散」へ ~日程に伴う大きな北朝鮮リスク~
【後藤謙次】再々改造は権力構造を変える ~事実上の「古賀・菅連合内閣」~
【後藤謙次】急浮上する電撃解散説 ~ダブル補選と内閣支持率急落の絡み合い~
【後藤謙次】反自民の受け皿になれないし、小池知事との連携も困難 ~民進党~
【後藤謙次】内閣改造は「専守防衛」でも活路が見えない「守りの安倍」
【後藤謙次】経世会(額賀派)・宏池会(岸田派)・石田茂 ~都議選大惨敗後の動き~
【後藤謙次】安倍首相の改憲案の前倒し発言 ~「年内解散」に向けた思惑~
【後藤謙次】支持率急落で首相が「反省の弁」 ~それでも止まらぬ内部文書流出~
【後藤謙次】憲法改正発議までの長い道のりが賭のリスクに ~天皇退位・総裁選・衆院選~ 
【後藤謙次】【加計学園疑惑】沈黙していた政官双方から異論 ~加計学園問題が招く想定外反応~
【後藤謙次】共謀罪に加計学園問題まで炎上 ~予想以上に高い「6月の壁」~
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