カテゴリー別目次
2018-11-19
古典には無常観がつきものだから、ちろりと寿命の話になる。
「先生、何歳まで生きるつもりなの~」
「最近ですね、63で終わりそうな気がするんですよ。あと6年」
「早いでしょー!!! まだにじゅうさんだし」
この言葉のつながりが分からなくて聞き流した。
「いや、なんかね、65まで行かない気が、とてもする」
飲めないじゃん、とか何とか誰かが言った。
あ、そういうこと。
へえ、そういうことか。
「ああ、一緒に飲みに? 行きたいねえ。そんときは全部おごるよ」
「わーい」
だんだん頭の中で考え始めた。
しみじみと、もう一回言った。
「そうかあ。そんなこと考えてたのかあ」
みんな、というか女子だけどガハガハ笑っている。
二十三だしは、まだ自分たちが23歳だということだった。
親しくしてくれるクラスだ。
でも、この頃、俺に飽きてきた感じ、だなあと思っていた。
今月はずっと季節のアレルギーで調子が悪い。かなり悪い。
気候も変だ。
こういうときに限って、先週危ない死ぬかもというほど電車が満員になった。
本当に初めて、危ないくらいだった。
昨日髪を切りに行ったら、尊敬する美容師君が、
「自分には無理です。通えません」
と言った。
満員で往復3時間。無駄でしかない。そうだよなあ。普通じゃない。
なんだかな。還暦まで続けられるのか。
そんなことを、つらつら思う数日間だったから余計に来た。
「そうか。何だか元気出てきた。ストレッチ再開しようかな」
よしよし、みたいなことを誰かが言った。
もう、僕はおじいさんの年齢だ。
僕が高校生のとき、僕の年の教員はみな、とても年を取ったおじいさんに見えた。
8年前の中学生は、よく飲みに行こうみたいなことを言ってくれた。
8年は長く、僕は本当におじいさんの年齢になった。
今でも、飲みに行きたいなんて、言ってくれて、嬉しいな。
2018-11-19
古典には無常観がつきものだから、ちろりと寿命の話になる。
「先生、何歳まで生きるつもりなの~」
「最近ですね、63で終わりそうな気がするんですよ。あと6年」
「早いでしょー!!! まだにじゅうさんだし」
この言葉のつながりが分からなくて聞き流した。
「いや、なんかね、65まで行かない気が、とてもする」
飲めないじゃん、とか何とか誰かが言った。
あ、そういうこと。
へえ、そういうことか。
「ああ、一緒に飲みに? 行きたいねえ。そんときは全部おごるよ」
「わーい」
だんだん頭の中で考え始めた。
しみじみと、もう一回言った。
「そうかあ。そんなこと考えてたのかあ」
みんな、というか女子だけどガハガハ笑っている。
二十三だしは、まだ自分たちが23歳だということだった。
親しくしてくれるクラスだ。
でも、この頃、俺に飽きてきた感じ、だなあと思っていた。
今月はずっと季節のアレルギーで調子が悪い。かなり悪い。
気候も変だ。
こういうときに限って、先週危ない死ぬかもというほど電車が満員になった。
本当に初めて、危ないくらいだった。
昨日髪を切りに行ったら、尊敬する美容師君が、
「自分には無理です。通えません」
と言った。
満員で往復3時間。無駄でしかない。そうだよなあ。普通じゃない。
なんだかな。還暦まで続けられるのか。
そんなことを、つらつら思う数日間だったから余計に来た。
「そうか。何だか元気出てきた。ストレッチ再開しようかな」
よしよし、みたいなことを誰かが言った。
もう、僕はおじいさんの年齢だ。
僕が高校生のとき、僕の年の教員はみな、とても年を取ったおじいさんに見えた。
8年前の中学生は、よく飲みに行こうみたいなことを言ってくれた。
8年は長く、僕は本当におじいさんの年齢になった。
今でも、飲みに行きたいなんて、言ってくれて、嬉しいな。