円の外へ

20070121開設/中学高校国語授業指導案/中学校学級経営案/発達症対応/生活指導/行事委員会指導

5月の授業・夢なのかもしれない

2021-06-06 17:07:00 | 中高国語など指導案
カテゴリー別目次
2021-06-06
5月の授業。

①熟字訓・部首(へん・かんむり)フラッシュカード(視覚と聴覚を使わせる)
 「熟字訓」読み方は、約110語を4月にだいたいクリアーした。
 だが、短縮授業の間やらずにいたら、5月終わりにだいぶ忘れた。
 部首の名前(かんむり)はけっこう難しいらしいので後回しにした。
 (へん)の名前は復習し始めて、だんだん覚えている。
 数十年来同じく、しめすへんところもへんの区別は最初ほぼ全員わからなかった。

②漢字ドリル(30分から10分以内へ・長い目で見れば最初は丁寧に)
 選んだ漢字ドリルは、右が練習で左がテスト形式だ。
 何も言わずやらせれば、両方合わせて5分で終わる。
 手のひらサイズの12問、12点ドリルだ。
 でも、終わらない生徒もいる。
 5月初めは、指書き・なぞり書き・写し書き、を確実に教えて、
 左右いっぺんにやっていたら、30分かかった。
 その状態をじりじり縮めて、練習とテストを分けて10分以内まで来た。

③交代読み(読めないものは書けないし理解できない・常に読み先習)
 コンビの1分交代読みはどんどん速くなる。
 高校3年まで、これは楽しいらしくてものすごくよくやる。
 題名の横に5個丸を書かせて、塗らせるのはいつもどおりだ。
 いつも4回やるが、2、3分で終わったコンビは続けて最初から読ませる。
 一人か二人は、2回読む。
 5月終盤は、
 「●ページ開く。開けた人は起立。最後まで読み終わったら座る。よーい始め」
 で、一つ丸を塗らせる。

④短編の小説と説明文
 感性豊かな人たちなので、今度の小説は簡単すぎてつまらないという生徒がいた。
 だが、全員感じ取る力は高くて、初読の感想は過去最高のレベルだった。
 基礎的な学力と、感性は、恐ろしいほど一致する。
 短縮授業が続いたのと、漢字に時間をかけたので小説に時間をかけすぎた。
 あらすじと主題の違いは教えたが、あらすじしか指導できなかった。
 ただ、1から5まで板書しておき、
 「書けたら持ってきなさい」でノートに番号を書き、
 「1番に書きなさい。2番に書きなさい」方式を何度かできた。
 それで、入れるべき言葉の付け足し方と、字数の削り方を見せたのはよかった。
 説明文では、指示語のさすものを探すのは結構難しいのだとわかった。
 丁寧に進めて、もう少しで終わる。

⑤五色百人一首(大事だけど漢字のほうが)
 一つの小学校が、過去例を見ないほど徹底的に五色百人一首を定着させた。
 相当の覚悟と指導方法を持たなければできないレベルだ。
 まったくやっていないもう一つと差がありすぎて、やり方には工夫がいる。
 でも、なぜ五色より漢字の読み書きに力を入れなかったのだろう?

⑥私語というものが存在しない(授業の勉強をしてきてよかった)
 4月からほぼ私語はなかったが、数人おさまらないのがいた。
 5月からは、私語で困るというより、私語がない。
 思う通りに進む。
 怒ったり叱ったりしたことは、一度もない。
 私語で授業が成り立たないというかたもいる。
 せめて一つ、二つの原則を学べばうまくいくのに残念だ。

⑦「安先生がいちばんわかりやすい」
 いちばん勉強が苦手な生徒が言ったので、
 「なぜかなぁ?」
 「わかんない」
 「そうか。そうだよね」
 とやりとりした。

……とにかく、授業が楽しくてたまらない。
これは夢なのかと思う。
去年までの高校の授業を思うと、この中学校に就職できたのは奇跡だと思う。
いろんな人に感謝でいっぱいだ。

行事の指導もとても楽しかったが、下らないこともあったので書かない。
書けば参考にしていただけることもあるような気がするが仕方ない。
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4月の授業

2021-05-02 16:59:04 | 中高国語など指導案
カテゴリー別目次
2021-05-02
公立中再就職後、1ヶ月たちました。

職員のすばらしさは述べましたが、生徒もとても良い人達です。

ヤンキーもそれっぽいのも一人もいない。奇跡だ。

元気とやる気にあふれている。

国語の授業で、ありったけのスキルと愛情をふりそそいでいます。

① 早口言葉(時間内。全員に発言させる)
  (いつもどおり、「3人。手に持っているものを放しなさい」
   1ヶ月間、最も多く言ったのはこの言葉です)
② うとてとこ(①に続いて、国語授業のルールを教える)
③ 朝のリレー(詩の対比を教える)
④ たんぽぽ 又は かまきり(時間内。全員音読テスト・とんでもなくすごかった)
⑤ 縦書き原稿用紙の使い方(記号の名前・使い方と視写練習・400字・200字✕3回)
⑥ 5分間漢字ドリル(指書き・なぞり書き・写し書き、を教える)
⑦ 熟字訓音読フラッシュカード。109枚全てほぼ習得。
⑧ 五色百人一首(青)

※ 五色をやるよ、と言ったら狂喜しました。今までで最高です。
※ いつもどおり、机の上の教材はすべて左上に積ませています。(左利きは逆)
※ 「縦書きノート」の使い方は例年通り丁寧な説明が必要でした。
  また、二穴ファイルのプリントのとじ方も多くの生徒が間違っていました。
※ 小学校では全員鉛筆だったそうです。
  シャーペンを使うなら、0.9ミリがお勧め。そうしろというわけではない。
  そう言ったら、教室に行くと、次々「買ってみました」と報告に来ます。かわいい。
  「そうなの。ちょっと貸して。……これはいい。ぜんぜん違うね」
  何人も続けて、そうやって見せました。
※ ノートは、マス目ノートがお勧め。そうしろというわけではない。
  20年近く前から100円ショップでも売るようになりました。
  買った生徒のノートの見やすさは歴然です。
  低学年には必要な指導です。
※ いずれも、小学校での指導が行き届いているおかげです。
※ 漢字ドリルは15分くらいかかっています。
  今の一年生は、空書きは習っていますが、指書きは知りませんでした。
※ 空書きは「書き順指導」のための方法です。
  生徒が、
  「全員のがわかるのがすげー」
  と小さく言いました。40人以下なので易しいスキルです。
  生徒に見本を同時に見せるには、鏡文字を書いてみせる必要があります。
  国語科にもけっこう難しいようです。
※ 指書きの正しいやり方は、しつこく言い続けました。
  「信じろ」と言って、丁寧に強く指導し続けました。
  漢字ドリルはほとんどの出版社で、
  指・なぞり・写し、の指導を前提に作られるようになって20年たちます。
※ 教科書は少ししか入っていませんが、4月の9~13時間は準備運動です。
  これが、この先の速さと深さにつながります。

昨日、馴染みの店で髪を切ったら、
「顔が輝いてますよ。一ヶ月前と全然違います。
 人間って顔に出るんですね」
と言われました。自分でも鏡を見てわかるほどです。

楽しくてたまらない毎日です。
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古典夏講習感想

2019-07-29 20:13:15 | 中高国語など指導案
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2019-07-29
先日、夏の講習があった。
【生徒感想 高1】
1 楽しくできたし活用を覚えられるようになったし、
  サラサラ書けるようになって来てよかったと思いました。

2 とてもわかりやすくて、レベルが上った気がした。

3 寝てばっかだった。しかしとても分かりやすかった。
  理解するまで何度も教えてくれた。
  ありがとうございました。

4 とてもわかりやすくて、何回も発言することによって、
  覚えることができた。
  一つ一つの項目でていねいに教えてもらい身につくことができた。

5 活用表を思い出すよい四日間だった。

6 古典の活用が覚えられなく、困っていたので、
  夏期講習を受講しました。
  自分の勉強も学ぶことができたので良かったです。

7 前より古典ができるようになった。覚え方がわかった。

8 前まで ここどんなだったっけと 
  問題で迷うときが多かったけど 今回の授業で活用表をかんぺきに分かることができた。

9 私はいつもB先生の授業を受けているので、
  普段の授業とは違う先生の授業を受けると、
  頭の中が混乱するから、あまり好ましくないなと思っていました。
  ですが、安先生は、生徒に合わせて進めてくれたので、
  とてもわかりやすく、
  自分が分かららなかったところがわかるようになりました。
  ありがとうございました。

10 四日間でかなり覚えたことがあるので、
  夏期講習を申し込んでよかったと改めて思いました。

11 声に出して読んだり繰り返して反復するのは
  記憶に定着しやすく、とても良かったし楽しかった。
  だが、もう少し応用とか文章から抜き出したりしてもよいのではないかと思った。


【注:まあねえ。講座の目標が「活用表が書けるようになる」ことだったからね。
   その点では、目標達成でした。
   半分は知り合いの生徒で、すごくいい人ばかりでした。  
   半分が初対面の生徒でした。とても感じのいい人ばかりでした】
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初対面の中学生に授業・その「感想」

2019-07-20 20:05:27 | 中高国語など指導案
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2019-07-20
過日、校内で公開授業があった。
地域の中学生に参加希望を取り、本校の教員が授業してみせる企画だ。
研究授業が存在しない学校で、いい度胸だ。

今どきの若い教員にはどうとういことはないのだろうか。
と思ったら、聞き違いかもしれないが、
「吐きそう」
「もうぎりぎり」
と休み時間に若手が言うのが聞こえた。
そうでしょう。
それが自然です。

僕は理由も分からず授業を割り当てられた。
たぶん暇だからだ。
僕には吐くより何より、緊張のキの字もない。
楽しみでいっぱいだった。
【国語授業で思ったこと気づいたこと考えたことを書いてください】
●娘が小学生の頃、よく音読を聞き、音読カードにサインをしていたことを思い出しました。
 そこまで重要と思わず聞いていたように思います。
 音読することで、文章を覚え、読解していくことができるということをしりました。
 ありがとうございました。

●天井に声をとどけるつもりで音読したら、大きな声が出るようになった。
 いろは歌に意味があることを初めて知った。
 平安時代に五十音が出来上がっていたことにも驚いた。

●音読の方法を、楽しく学べたので良かったです。
 授業を受ける前と後では、自分の音読に対する考えがガラッと変わったり、
 新たな発見があったので良かったです。
 すばらしい授業を、ありがとうございました。

●国語では、音読することにより暗記できることを実感しました。
 いろは歌を、はじめて全部言うことができました。

●とても引き込まれました。
 スピード感があり、とても良い緊張感がありました。
 もっと色々な授業を聞いていたいと思いました。
 ありがとうございます。

●人前で声を出す事が、いかにむずかしいかわかりました。
 日本語は得意と思っていたのですが、
 本当は、むずかしい言語だと思いました。

●生徒に、まんべんなく授業に参加させることで、
 40分の間に行動変容が見られて、
 とてもいい体験をさせていただけました。ありがとうございました。

●今日のように、何かを覚えるときは、
 一人でやるより、誰かと一緒にやったほうが覚えやすいと思いました。
 覚えるには、読むもの大切ですが書くことも大切だと思いました。

●声に出して読むことで、文を覚えやすくなることが分かりました。
 これからは、もっと大きな声で音読しようと思います。
 ありがとうございました。

●楽しい授業でした。
 自分も高校生の時に受けたかったです。

●音読の重要さと暗記の方法がわかりました。

●とても楽しい授業でした。

●楽しく参観させていただきました。
 古典の暗唱はとても有意義だと思います。有難うございました。

●今日の授業で、音読の大切さや読み方など学ぶことができたので良かったです。

  【感想・中学3年生、保護者。以上】

授業の内容は二つだった。
 1 アイスブレイク
 2 いろは歌・音読から暗唱へ
とてもおとなしくて品のいい生徒が来てくれた。
終わって感想を書いて帰るかたが、親子共々、口々に
「ありがとうございました」
と言って下さるのに心を打たれた。
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習熟度別クラスと国全体の学力/ブログ内記事再掲載

2019-05-19 12:29:00 | 中高国語など指導案
カテゴリー別目次 
2019-05-19
2013-05-05up
習熟度別クラスと国全体の学力
■1■2012/7/17
習熟度別に関しては…より
  教育学的なアプローチでは実はあまり成功例がなく
  制度の上では非常に運営が難しい制度

●習熟度別の運営の難しさは…
  2つ、3つに分けても個人の学力差は必ず存在するので
   分けても個人の学力差は必ず存在
する
  よっぽどの低学力の子に対しては特別な支援は必要かもしれませんが、
   大多数の子にとっては2~3つに分ける習熟度別クラス編成は不必要

●トラッキング、ストリーミング
  生徒の能力に応じてクラスを編成するやり方を
   トラッキング、ストリーミングと教育学では呼んでいます
   トラッキングを早い段階で大規模に行なっている国ほど、
  国全体の学力が低くなっているという結果
があります 
  これはOECD・PISA調査という国際的な学力調査で明らかになりました
  逆に平等なシステムほど国全体の学力は高いという結果が出ています
  システムで対応するのではなく
  …いい教師をたくさん持っている国の方がいいという事


■2■文科省、学力格差黙認2007/11/14
文科省…各校の習熟度別学習への取り組み状況と正答率の相関
日常を哲学するブログ~A day in the life~Yahoo!ブログ
より
  かたくなに公表を拒んだデータ
  習熟度別学習とは、平たく言えば成績の良い者と悪い者とを分けて教える事
  『ところが、両者に大きな相関が見られないとして、結果は非公開に。
   「そのまま数値を公表すると、
    習熟度別学習に効果がないような誤解を与えてしまう。
    学力調査室はこう説明した』
   そうだ。

  習熟度別学習の『効果』はあった
   成績上位層の学力の伸び、が、習熟度別学習を行っていない学校と比較して、高かった
   逆に、成績下位層では学力が更に低下したのであれば、その平均値は変化しない。
   習熟度別学習が「学力の二極化を促進する」という結果が出たのである
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仕事を真似・完コピすることができない

2019-05-07 22:09:44 | 中高国語など指導案
カテゴリー別目次 
2019-05-07
授業と仕事の腕を上げたければ、真似するのが一番だ。
優れた授業を見たら、完全に同じように真似する。
顔つきも、服装も、立ち方も、立つ位置も、ネクタイも、声の高さも。
気づくことはすべて真似する。

他の、技術が必要な仕事は、例外なくすべて同じで、真似から始まる。
真似から始まり、ずっと真似して、一生真似する。

真似して同じにできるようになるのは、長い時間がかかる。
「まったく同じにできるようになろう」
と意識しても時間がかかる。
授業の場合、数年とか十数年とかの長さが必要だ。
含まれている、技能の要素が多く、組み合わせが複雑だからだ。
僕の能力が低いせいだろうが、誰にとっても簡単ではない。
真似する気がなければ、一生完コピはできないだろう。

教員の仕事を、真似とか完コピしようとする人にあまり出会わない。
言わないから、こっそり学んでいるのだろうか。……いないな。いるか。わからん。

せっかく去年始まった行事が、今年は危ない。
「これを作るのがまず大事。これ次第で成否は決まる」
その企画文書を去年作ってみせた。
他の職員はその行事を見ることも指導したこともないので真似してくれた。
「それ」が最初、「それ」を教員が全力で作って行事が成り立つ。
去年の行事が成功に見えたのは「それ」のせいだった。
そう、言い続けたつもりだった。
やめておけばよかったな。

今年「それ」は全然できないままだ。
去年のまま、部分だけ、数学の数式のように変えればよいようにしたのだ。
それを、まず三年間、真似して続けるのだ。
そこまで、分かりやすく、緻密に僕は「それ」を作って大人は全員見た。

なぜ、今年の手順を訊かないのだろう。
去年うまくいったのが、なぜか、わからなかったのだな。
やめておけばよかったかな。
まあ、とにかくだ。僕には時間がない。気にしない。

GW明けの生徒は、みんな元気だった。
授業に入る前に出くわした女子が大声で
「あああ~」と言うから「そんなに喜んでもらえてうれしいよ」と応える。
廊下を通る男子が授業直前の教卓の僕に、おおお先生~、と手を振る。
おおお今日は授業ないね~、とブンブン振り返す。
階段を上る途中で三年教室から背中に「安せんせえ~」と声がかかる。
手を振るM●y●さんに「おおおぃ」と両手を振り返す。

授業のあったクラスには、最後にこう言う。
週に何度も言わせるのだ。
「GW明けなのに、みんな元気でやってきて、それだけで合格です」
「コンビで言いなさい。
 一人が、今日授業がんばったね、もう一人が、それよりあなたに会えてよかったよ。
 はい、どうぞ」

これを、高校生40人が照れくさそうにみんなやるからね。
いつも、言いやすいセリフさえ用意すればみんな言う。
生徒はみんなニコニコいい笑顔だ。
号令などかけない。
「よしっ。解散っ。次の授業の準備」
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高校教員デビュー宣言 三流入り

2019-05-05 15:49:58 | 中高国語など指導案
カテゴリー別目次 
2019-05-05
高校授業も四年目だ。
だが、去る4月にやっと高校でも三流のはじに指をかけた。

一年目はコテンパンにやられた。
生徒は全員が喋るか寝ているかメシを食っていた。
四クラスすべてが、全員だ。
皆さんに経験してほしい。
面白いのは職場の二十、三十年選手でも一度もそのタイプのクラスを授業しない人もいることだ。
大人にもやられて、二年目にもひびいた。
これは退職後に書く。
三年目の去年は素敵な生徒に助けられ、育ててもらった。
なぜかすべて古典授業を割り当てられた。
今考えると、古典はいつ辞めてもいいヤツに割り当てる方針に思えた。
だが、大成功だった。
職場で最も幸せな一年を過ごしたのは僕だった。

今年は、すべて国語に割り当てられた。
今考えると、いつ辞めてもいいよというヤツで固めている。
つらくてつぶれたら非正規職員を雇う方針としか思えないのだ。
僕は学習能力だけはある。
「四年前のアレと同じ授業になったら辞めるか休むかしますから。学校じゃないんで」
数人の大人に言った。
本気だ。
そして、最善を尽くした。
結果は、最高だった。
ただ予測すれば「今年は誰でもうまくいったよ」と3月に言われる。

どうでもいい。大事なのは、もうすぐすべてが終わるということだ。

最初に、公立非常勤で勤めた年。
最初に、私学に非常勤で勤めた年。
そのとき、僕のしてきた授業の勉強が正しかったのがわかった。
授業で生徒はできるようになり、絶大な信頼を得て、別れは悲しかった。
今年も同じ様になるかもしれない。

今のGW前「高校デビュー。僕も高校3流プロ宣言」というタイトルだけ思いついた。
この4月は、さすがの小心の僕も自信がついた。
高校生相手に、中学生と同じ4月授業を完璧にやりとげた。
中味は、原則どおりのことだけだ。
それを、顔も知らない高校生に授業した。
だが、その毎日、毎時間の気力は、それほど多くの人には真似できないと思う。
空白は秒単位で作らず(いえ、作らないようにして)、完全に全員を参加させた。

書きたいことは多すぎた。
シリーズ物にしようとしたができないままGWが終わる。
もったいないので少し書き残そう。
つまりは、当たり前のことが、どんな生徒にもどこでも必要だということだ。
当たり前のことができる力を、身につけておくことだ。

1 授業クラスが決まり、それが一年間崩壊していたと知ったときの一気メモ
 1 アンケート「広めたい言葉、なくしたい言葉」全クラス。(掲載済み・結果未公表)
   各クラス。集計。ノートに貼る。
 2 国語班四人。約10班。
 3 ファイルは。自由。
 4 のり。俺が10本用意。
 5 コンビ+4人班両方。
 6 なぞり書き4級。一日5語。全クラス共通。
 7 1分音読。指名音読。個別評定。
 8 「時間着席」・「話を聞く」二つだけ
 9 4月は。視写。聴写。音読。なぞりを美しく。原稿使い方。
 10 毎日授業結果を担任報告。
 11 カルタ??? やるか? 
 12 黒板掃除。ゴミ。机。カバン。毎日。(黒板用ぞうきん持つ)(黒板拭いてみせる)
 13 アンケート「どんな授業・クラスでしたか」全クラス。(掲載済み・結果未公表)
 14 (去年のことには一切触れない。言わない。今日からがすべて)
 15 チャイムで着席できないとき減点1。毎回。
 16 教科書コピー、ノート、ボールペン、用意してすぐ貸す。
 17 指名磁石作る(作った。中学生以来)
 18 座席表。A6版。(毎時間1枚使用。一年間全授業分保存)
 (以上。メモしたけどできていないことは除く)

2 いくつかの事前の準備
1 担任じゃない、前年授業してた若手に生徒全員の情報を聞いた。

2 情報を座席表にして眺め続けた。

3 終業式でその二クラスをずっと観察した。

4 クラス替え後の名簿はすばやく手に入れて読み方は若手に教わった。

5 4月の始業式後、廊下で二クラスのHRをこっそり聞き続けた。

6 授業開始の日、朝SHR前に廊下に行った。
  一時間目の始め、廊下に立っていた。生徒とは一切喋らなかった。
  授業者は二人とも、チャイムのあとにノコノコやってきた。
  開始の日の、一時間目にだ。前年荒廃授業だったクラスにだ。
  二時間目の始めも、廊下でうつむいて立っていた。

7 1より前に。
  読み物としては、これがメインです。
  学年が3月半ばに合唱コンをした。
  課題曲と自由曲の二曲ある。無謀すぎる。
  「今からでもやめたほうがいいですよ。合唱なめてますよ。荒れますよ」
  と二つのうち一つの担任には言った。
  案の定、そのクラスはまったく練習しなかった。有りがちな理由でできなかったのだ。
  僕は聴きに行き■組後ろの中央壁沿いに座った。
  あとから、僕の右に担任が座った。
  ■組男子はずっと喋っている。
  ◆組が前に並んで始まる。ピアニストも指揮もいる。
  でも。しかし。◆組はものすごくうまかった。
  公立中学校に行っても優勝にからむほどだった。
  男女とも歌う口も顔も本気だ。
  指揮もめちゃくちゃにかっこよくうまい。
  びっくりして、途中から立って聞いて、爆発的に拍手した。
  担任の女性教諭は優れている。それにしても、何でもできるんだなあ。
  この感激で、黙って見るだけのつもりに火がついた。
  あまりにうまくて生徒たちもびっくりして拍手もすごい。
  でも、■組男子はずっと喋っている。
  うしろから髪の毛をつかんで引き倒してやりたい。
  次のクラスもとてもうまい。
  が、だんだん輪切りの偏差値のように弱くなった。
  この学級編制って、怖いね。可愛そうだね。
  ■組男子は自分の二つくらい前の合唱の途中、黙り始めた。
  その時、突然僕は突然立ち上がった。
  そんな気はまったくなかったが、今何かするしかないと思ったのだ。
  知る大人にはわかるが、僕は度々そんなふうだった。
  歌うクラスの入れ替わりのとき、僕はギューギューの椅子席の間に無理やり入った。
  そして、■組男子5人かける5人位を、僕にできる最も恐ろしい顔でにらんだ。
  それは、すごく怖い。しかも本当に火がついている。
  「こらっ。お前ら。聞け。」
  彼らは僕が教員かどうかさえ知らないほど接点がない。ポカンとしている。
  「お前らがべちゃべちゃ喋ってるときな。
   引っ張り出してぶん殴ろうとしたんだっ。
   ふざけんなっ。
   でもな。今の曲の聞き方は100点だっ。100点ですよっ。
   練習しなかったんだろ? 不安で喋ってんだろ。わかるよっ(怖い顔キープ)
   でもな、一生懸命やりゃいいんだよ。
   今の聞き方みたいにしっかり立っていればいいんだよ。
   わかったかっ」
  男子は答えもできず、ボーッとしている。
  僕が席に戻ると、間違いかもしれないが担任がメガネをずらして目をこすっている。
  しばらくして、ありがとね、と彼は言った。
  僕は、いえ、とだけ言った。息が上がっていたからだ。
  ■組は伴奏もいない。CDで歌うのだ。なんと担任が歌詞の紙を壇上で配り始める。
  指揮もいなかったらしく、急に担任が振り始めた。
  ものすごく大きく、でも四拍子なのに三拍子で三角に振っている。
  女子が何人も笑ってしまう。でも、とてもかわいらしい素敵な笑い方だ。
  一人が四拍子で小さく振って見せて直そうとするが、担任は変わらない。
  彼はきっと急に振ることにしたのだ。
  決まっていたらせめて四拍子の練習くらいしただろう。
  突然、何とかしようと思ったのだ。
  さっき僕が爆発するのを見たせいかもしれないと思った。
  わからない。
  できないとわかっていて、担任は二曲とにかく腕をブンブン振り続けた。
  男子はほとんど歌えず、女子も蚊の鳴くような声で、でも真っすぐ立っていた。
  みんな担任を好きなのがよくわかった。
  次の▲組は離れた席で最後までずっと喋っていた。
  ▲組もCDで、下手な指揮で、ほとんど声が聞こえないまま二曲のあいだ立っていた。
  職員室にもどったあと、担任が僕に言った。
  「俺にできないことしてくれて。やつら相当ビビってたけど、良かった。ありがとね。
   次、授業持ったらええやん」
  「持つんですよ。だから、わざと行ったんです」
  「あ、そうか」
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一週間目にノートを書き始めた

2019-04-17 19:59:51 | 中高国語など指導案
カテゴリー別目次 
2019-04-17
チャイムが鳴り始めるときには全員が着席している。
机の上には、漢字のなぞりと写し書き用紙が置いてある。
教科書などと筆箱は、机の左上に重ねて置いてある。
「第3回。読み仮名。なんとか、なんとか。かんとか、かんとか」
一語は二度ずつ繰り返す。
次に五語をなぞる。写す。書けない漢字を裏に練習する。
その間に僕がテスト用紙を配っている。
氏名の他日時などを書く欄と、カッコが五つ書いてある。
「まだ時間欲しい人。・・・しまって下さい」
今、なぞった漢字を平仮名で板書する。
これが、毎時間やる漢字テストだ。

まあ、まだこんなきれいにはなっていない。
だが、来週はこのとおりになる。
まだ時間欲しい人、というムダ言葉も削る。
書くのも集めるのも、2年はものすごく早い。1年はかなり早い。
字がとても美しくはっきりしている。
伸びる地力を持っているのだ。
コンビで交換し丸付けさせ回収し、教科書の「1分交代音読」を4回する。
そして、
「ノートを出しなさい」

一週間たって、やっとこの流れ方を始めた。

一週間、すべてのクラスが、チャイムが鳴り終わる前に着席している。

一週間、すべてのクラスで、無駄口をたたく生徒は一人もいない。

2年生は、全力でやっているが、まだ固さが取れない。

1年生は、どちらもとろけるほどかわいい。

昨日は2年で「班別聴写」を何年ぶりだろう、やってみた。
めちゃくちゃ楽しかった。
ある2年生が「先生今日はやばいです。寝そうです」と言うから「絶対寝ない」と答えた。
寝るどころではなかった。
本当に全員楽しそうで、見ている僕も笑い続けた。
【聴写】の授業は、原稿用紙の使い方を完璧にし、聞く力、話す力、コミュニケーションの力を育てる。
4月に、視写の次に続けて行なうとよい。
中1から、高校生まで、お勧めの授業だ。

帰り道の空も雲もペンペン草もすべて美しく見える。
学校の近くに、年中花を絶やさず植えているお宅がある。
今はチューリップと、パンジーが美しい。
僕は必ず見る。人通りがなければ、時々止まって匂いをかぐ。香りはないけど。
きっと生徒に見せてあげるために、手間をかけてくださっているのだと想像している。
自宅の近所にも、同様のお宅がある。
カラーは切り花以外で見ることはなかなかない。
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まったく授業で教師の声が聞こえなかった二クラス

2019-04-13 22:19:48 | 中高国語など指導案
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2019-04-13
今年当てられたうち二クラスは、去年、教室の授業でまったく教師の声が聞こえなかったという。
どちらも数人がすき間なく大声で一時間ずっと喋り続けたという。

怒鳴りつけても、迷惑が分からないか、と教員がののしっても、教師が黒板に向いたら喋り始める。
それが一年間続いたという。

聞いたのは、本当に信頼する若い強い男性教員だ。
別の、僕の千倍しっかりした女性教員の授業も同様と聞いた。
そのクラス担任も「そうなのだ」と言った。
ただし、一度も授業を見たわけではない。

信頼する人とクラス担任の同様の話を聞き、ギヤをトップに入れた。
三年前のような、葛・崩壊授業のクラスを味わうなら辞める。
何人かの大人にそう伝えた。本気だ。
三十数年の危機で考えうるすべての授業準備をした。
一週間前の僕は、
『アキラ』が覚醒したように周りの壁に穴を開けながら歩きまわっていた。……アノ、一応、比喩です。

その二クラスが、一週四時間、ひと言の私語もなく、完璧に読み、書き、清聴した。

僕自身に、進歩もあった。
去年までは、この恐ろしげな顔と強い口調のまま、ひとコマ目を始めた。
だが、今年、自信なく怖がっているのは向こうだな、と思った。
自信がなく、認められず、叩き続けられたまま一年間たった。
一年間ではない。
中学校、小学校から同じように、教えられず育てられずにきたのだ、きっと。

(顔は恐ろいままで。
 態度は厳しく。
 言葉は少しやわらかく丁寧にしよう)

今年の授業クラスを配分した、主任・管理職に心から感謝したい。
自分でも信じられないほどの急成長をアラ還で得られた。
大きな自信を得た。
僕だけ成長しちゃって、主任・管理職には申し訳ないっ。
あなた達も、是非来年度は同じ喜びを味わって頂きたい。
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今を崩したら100%教師の責任

2019-04-11 22:57:05 | 中高国語など指導案
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2019-04-11
職員室で1
「*年*組も、最高に良かったですよ」
「最初だからね。このあとどうなるか」
「???????????????
  いえ。
  絶対に、3月までこのまま行けます。
  もし崩れたら、100.00パーセント僕の責任です。
  アレとアレのクラスの生徒が、今週どれだけ耐えて授業したと思いますか。
  去年、うるさくて誰にも授業が聞こえなかったんですよ。
  彼らの辛抱に、応えられないのは、ありえません。
  すべて、大人の責任です」
 

他「・・・・・・」
(俺)も(他)も、今年同じクラスの授業を押しつけられたんだ。
同じ「覚悟」を持とうよ!
(押しつけられた)は勘違いだろ~、と思いますか。
……違くない。
非常勤、若手、外様、俺のような老人が、集中して或るクラス達に割り振られた。
「組織」には、立て直そうなんて気は1ミリもない、と考えるのが自然だ。
つぶれたら、代わりの非常勤を雇えばよいということだろうか。


職員室で2
尊敬していた、大先輩の教諭が珍しく声をかけてくださった。
「先生、あの盛り上がりは何ですか。隣の教室で授業だったんですが」
「??? いつのことですか」
「さっきの1年*組です。
  先生が廊下に出てドアを開け締めして。
  ものすごい、異常なハイテンションで」

「・・・・・・あぁ??? あれですか。
  ……僕の授業はいつもああです」

「・・・・・・」
あれで「ものすごい」なのかぁ。
四年目だけど、僕の授業が全然伝わってない。
公立中学校では、もっと驚くだろうなあ。

本日、初めて会うクラスの授業をした。
最高の授業だった。
よく聞きよく動きよく発表し、大笑いして笑顔がキラキラ光っていた。
過去、中学校の授業や、俺の授業と比較して「最高レベル」だ。
昨日までのクラスの生徒も同じだった。
教科主任と管理職の、スバラシイ授業配分のおかげで俺の何かが覚醒した。『アキラ』と同じ感覚で、ドッカーーーーンと脳の一部が爆発した感じがする。
『アキラ』、わかりますか。
僕は、中学校だけでなく高校でも授業力の確信を得ましたね。
……笑える。
でも、本当だ。
この4月前後の日々は、間違いなく僕を一段階変えた。

給料は変わらない、大卒並み二十万台、他の約半分。
高校生相手でこのレベルに高めて下さった方々に心から感謝したい。
 「あなたにも、このチャンスを差し上げたい」

omaetatiもやれ、同じクラスで。五十万代のプライドはないのか。

蛇足)
職員室で2、について。
そのクラスで、前回の「広めたい言葉・なくしたい言葉」の集計結果を配った。
紙を配る。
僕が、広めたい、から思い切り表現して読んで聞かせる。
ただ配って「読んどきな」と、力のある教師が読んで聞かせるのは十数倍の差がある。
「読むから聞いていなさい」
生徒はさっさと先を読んでいる。
だが、僕が読むときにどかんっと湧く。
僕は、生徒が受ける言葉はわかっている。
「***。(大笑) これってさ、いいのこれで(大大笑い)」
「これを広めたいの? ***って? じゃあ朝来たらドア開けて***って言うの?」

僕は、引き戸の外に出て、戸を閉め開け、手を振りながら「***、***」と言う。
生徒は、呼吸できないくらい笑う。
「だろ? おかしいだろ? ***、***」
これは説明できないが、使えるネタは何度も使う。
生徒が男女40人腹を抱えて笑う。
とても素敵で、幸せな時間だ。
(あのハイテンションで、と言ったのは、尊敬していた大ベテランだ。残念)
コメント (2)
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