円の外へ

20070121開設/中学高校国語授業指導案/中学校学級経営案/発達症対応/生活指導/行事委員会指導

授業中になくしたい言葉は・アンケ

2019-05-16 22:01:24 | 生活指導
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2019-05-16
担任のときは4月初めに書かせてまとめて教室に大きく掲示した。
今は「この授業中に」と限定して、小さくまとめてノートに貼らせた。
(チョコレート)さん20190412からコメントを頂いたのでそろそろいいかなと。
おもしろいのはこの20年間、トップ・ワースト3はほとんど同じということだ。

掲示する。ノートの最初に貼らせる。
どちらも、結構効果がある。
感性に優れた生徒なら、いつも意識する。
いざというときには、指導の手だてに使える。
これ以外の、一、二票の言葉がもっと世相を表して面白いが書かない。身バレ防止。

【広めたい言葉】
1位 ありがとう
2位 大丈夫
3位 がんばろう
4位 いいね
5位 ごめん

1位 ありがとう
2位 すごい
3位 がんばれ
4位 いいね
5位 好きだよ いいね

1位 ありがとう
2位 がんばれ
3位 すごいね
4位 いいね
5位 ドンマイ

1位 ありがとう
2位 がんばろう
3位 いいね
4位 すごい

【なくしたい言葉】
1位 ウザイ
2位 だるい
3位 やりたくない
4位 死ね
5位 無理 キモイ バカ めんどくさい

1位 死ね
2位 きもい
3位 ばか
4位 きらい うざい アホ

1位 だるい
2位 死ね
3位 ばか
4位 うざい めんどくさい
5位 きもい

1位 死ね きもい うざい
2位 バカ
3位 めんどくさい だるい
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テストの「返され方」指導

2019-05-16 20:57:47 | 生活指導
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2019-05-16
最初のテストを返す前に、話して聞かせることがある。
これをするとしないでは、クラスの一年間が大分変わる。
中学校なら全クラスに話ができる。
国語科の語り次第で、学年が変わる所以だ。

試験を返します。その前に話すから聞いてください。
聞いてろ。聞け。こっちを向け。

答案を返すときに、僕の手元から、答案用紙を見もせずに片手でひったくる人がいます。
(それを、僕は演じながら話す)
怒りますよ。
(見たことない怒った顔で言うので高1は大笑いだ)
安っ!!! 戻りなさいっ。やり直しっ。
(両手で取ってみせる)
安さん良くやったね。
(大魔神の顔を、満面の笑みに変えてみせる)
こんな感じです。
でも、その人には理由があるんです。

次。
返してもらったら、点数の書いてあるカドをこんなふうにこんなふうに折りたたむ人がいます。
やめなさい。
そんなことを、一年中ずっと続けるんですか。
いつも人の目を気にして、心がギューっとしめつけられるなんてやめましょう。
でも、その人には理由があるのです。

最後。
返されたら、目標40点なのに14点取ってしまったとします。
ふてくされるのはやめましょう。
もらった答案に14点、胸に刺さる気持ちがするでしょう。
でも、次にがんばればいいんです。
おれ14点取っちゃった!!!
そう言いながら席に戻ります。
聞いた人は、次がんばればいいんだよ、と言います。
(列の間をうしろに歩きながら)
おれ14点。
・・・次がんばればいいんだよっ、て言って!(と一人に言う)(言ってくれる)
(それを六人くらい繰り返す)
こんな感じ。ああ、俺は次がんばればいいんだ、誰もここで馬鹿にする人はいない。

ものすごく、点数を気にする人は、なぜそうなったと思いますか。
ペアで10秒間言いっこしてください。
プレッシャーがかかるんです。誰からですか。
三十年間ほぼ全員保護者からです。

テストの点数の結果で、ものすごく怒られる。
きょうだい、親戚と比べられてしかられる。
あなたたちにとって、一番やる気がなくなる方法です。
近くの人と比べて、しかも、しかりつける。
それで、やる気になって学力が伸びた人を三十年間見たことがありません。

では、テストを返します。○○さん。(来る)良くやったね。
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職員室で生徒を怒鳴りつけてはならない

2019-04-18 13:52:30 | 生活指導
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2019-04-18
三十年前は、タバコをふかしながら、生徒に禁喫煙指導をするのは当然だった。
ずり落ちそうに椅子でふんぞり返る教師に、職員室の真ん中で、生徒は罵倒され続ける。

何か生徒がミスをする。
教育は必要だ。
僕たちは、育てるために月々大金をもらっている。
仕事なのだ。

生徒がミスをすると、職員室に呼び出す教員がいる。
公立中学校でも二十年前までは当然だった。
だが、次第に減ったはずだ。
愚かな教員はまだやっているかもしれないが、確かめようがない。

生徒を、職員室に呼び出す人が何人かいる。
立たせたまま、十数分に渡って恫喝し続ける。
けっこう長い時間の場合が多い。
ほとんどは、休み時間か放課後だ。
職員室の教員全員が聞いている。
十六、七の子どもが、今さら権威もないが処分権は持っている教師に見られている。
そして、恫喝され続ける。
たまに、ごくたまに、生徒のほうが正しい言動の結果責められることもある。
もちろん、大抵は生徒はミスしている。

しかしだ。
教員は、絶対に誰にも批判されず、生徒にも言い返されない状況で責めることになる。
ホームだからだ。
生徒にとって職員室は、完全なアウェイだ。

「職員室に呼びつけて、指導してはならない」
こんなことは、三十年前の殴るのが当たり前の時代でも教わった。
だが、月に何度かあり得ない場面を、大人たちは見る。
誰も、何も言わない。
管理職は? 何も言わない。
俺は??? 言えないよ。俺なんか、そこに口を出したら進退に関わる。
それでも言え? 言わないよ。

水の入れ替わらない沼は腐る。
職員室に呼びつけて、怒鳴りつけてはならない。
初心者の心得だが誰も言わない。
哀れだ。
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生徒に感謝するという思想は理解されない

2019-04-13 20:35:51 | 生活指導
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2019-04-13
僕は度々生徒に感謝する。
言葉で表す。
今日は、
「今週、初めての授業で、こんなにがんばってくださって、ありがとうございました」
と、深く頭を下げた。
そのクラスは、男子が一人、手をたたいてくれた。
音はたてないが、拍手をする動作をしてくれた。
その、感性の繊細さ。
その瞬間は、目に止めて、言うことはないが、次回、こんな人がいましたと伝えるつもりだ。
そんなクラスだから、他の生徒も目をマンマルに見開いて、僕のお礼を聞いているのだ。
今日の午後「そんなことがあった」と教員に言った。
え、お礼???(生徒にお礼って、ありえないだろ、という意味)
そんなやりとりがあった。
教員は、生徒にお礼を言うという概念がない。
ある人もいるかもしれないけれど、少ないよきっと。

去年、一年間荒れ果てたクラスの生徒が、今週完璧な授業を受け続けた。
僕が、完璧というのは、ものすごく良いということです。

商売なら、お客様は呼んで呼んで呼び込んで集めるのが営業の仕事だ。
だが、ガッコウは、一度金を集めたら、呼びもしないのに毎日お客が来てくれる。
だから、大人が勘違いする。
彼らは、莫大なお金を払って、学力という品物を買うお客様だ。

おねがいします。
ありがとうございします。
さようなら。
言わせるのは、彼らにそれを言わせる力をつけるのが仕事だからだ。
だが、言わせるうちに、教員は勘違いする。
「わたしたちは、上の人で、生徒は下の人だ。だから、ありがとうと、言わせるのが当たり前だ」

仕事だ。
お客だ。
彼らは莫大な金を払っている。
その対価として、僕たちは、教育して生徒を育てている。
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生徒がさようならと言ってくれたら

2018-11-26 20:40:33 | 生活指導
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2018-11-26
僕が高校生だったとき、大ベテランで小柄な男の先生がいた。
抜群に優れた数学の先生だった。

廊下で生徒が挨拶をすると、先生は丁寧に挨拶を返した。
たとえば、廊下ですれ違いざま僕が、さようならと言う。
先生は立ち止まる。
ゆっくりと僕の方に向き直る。
そして、大きな黒縁のメガネをかけたとびきりの笑顔で、まっすぐ僕に向かって腰を折って言う。
「さようなら」
さ、よう、な、ら。そんなテンポだ。

それは、ゆっくりと、一字一字丁寧だった。
その笑顔たるや四十年たっても目の前に浮かぶほどで、そのお辞儀はうなじが見えるほどだった。

同じ調子で、どの生徒にも挨拶を返した。
先生は僕のことなど覚えているわけではない。
一つの学年が確か四百五十人いた時代だ。
授業中も常に笑顔で、内容は丁寧で高度で速くて、僕は高1の途中で追いつかなくなった。
生徒が皆、尊敬していた。

僕は教員になって、その数学の先生の挨拶の姿を忘れたことがない。
今、こうして再現できるのだ。
忘れないが、生徒にはひどい横柄な挨拶しかできないときが長かった。
日本では五十年間、挨拶は生徒にさせるものだ。
僕もそう教育された。

今は僕も少しはましな挨拶をするようになった。
生徒は素直で感じて、向き直ってねらって僕に「さようなら」と言ってくれる人がいる。
有り難いことだ。
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オキベンの無意味・なぜか全くわからない

2018-09-03 22:26:20 | 生活指導
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2018-9-3
マスコミシリウマ記事であります。

「オキベン」は、学校用語で醜悪な日本語の一つだ。きたない。
なぜ、教科書やノートなど教材を、
「すべて。毎日」
家(うち)に持って帰れというのかわからない。
還暦近くの今までわかったときが一度もない。

公立中学校勤務のときも、
「持ち帰れ」
という教員が多かった。
「持ち帰らないと、家庭で、勉強できないだろう!!!!!」
そのカタガタの、それ以外の理由を覚えていない。

勉強……するかよ。しないよ。
日本は、ブカツドウが授業と等しく大事な国だ。
私の知る公立中学校の教育課程は、ブカツドウを三十分でも長く出来るように作られていた。
生徒へとへと。
帰宅は七時とか八時とか。九時とか?まさかね。
できるかよ、カバンの教科書の勉強を。

大人ならわかるだろうが、コモンはそのあいだ、飲んでんだよ。
言い過ぎました。
お詫びして、訂正します。
飲んでるコモンが大多数のはずなんだよ。

【重すぎて、小学生の体に悪い】
ランドセルの重さが、2018年晩夏のマスコミの話題になっているようだ。
やっと、教材の持ち帰りが話題になった。
中学生も同じだ。
「重すぎる」のは本筋ではないので、高校生にも持ち帰りは無意味だ。
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暴力が連鎖するとは限らないが

2018-05-29 08:15:19 | 生活指導
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2018-5-29
暴力が連鎖するとは限らない。
殴られて育った子供が、大人になって自分の子供や他の大人を殴るようになるとは限らない。
【暴力を受けた・殴られて育った、子供が】
などで検索しても、結局は考え方次第でその人が行動を決める、ということだ。

ただ、虐待が子どもに及ぼす後遺症まとめ-NAVERまとめには、虐待を受けた子供の
・脳の萎縮
・寿命への影響
などの事項が端的に紹介されている。(5-29 このサイトはリンク先がほとんど消えていました)
他にも多くの研究や書物があるはずだ。

僕の少ない教員経験では、他人に暴力を振るう生徒が保護者から殴られていたケースが幾つかある。
生徒指導を専門に長く勤めたかたは、詳しい知見を多く持っているだろう。
それを、公開はできない。

難しいことは抜きにしてだ。
僕は、人間を、殴るということができない。
新卒後一度だけそんなようなことを少ししたことがある。
それは、そうしろと職場で教わったからだ。
就職してすぐの頃は殴るのが当たり前という時代だった。
僕たち新採用は研修で指導主事の講義を聞いた。
「暴力は絶対にふるってはなりません」
と堂々と話すS藤主事を見て、後ろのベテラン教員が、
「あんだけ殴りまくっといてよく言えるよなぁ。アハハ」
と笑いながら言うのが聞こえた。

僕は一度もグーで殴られたことがない。
すると、他人を殴れない。
自分のこぶしが、他人の頬に触れ、めり込み、離れていく。
想像すると、気分が悪い。

だから、何十発も生徒を殴り続けたり、同僚というか年下の教員を殴る人は自分も相当殴られた経験があるとしか思えない。
そう、年下しか殴らないんだ。
某系の人たちは。
年上の同僚を殴った人を僕は見聞きしたことがない。
それもほんとにイヤな感じだね。

まあ、とにかく、殴られるのも殴るのも嫌だ。
少し嘘で、僕がすごく腕っぷしが強かったら、殴りまくっていたかもしれない。
強くなくて良かった。

僕が受けて間もない暴力については、たぶん墓の中まで持っていく。
まずあり得ないが、もし裁判でも起こしたら、仕事を辞めて具体的に書いてみたい。
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洗脳の方法例

2018-05-28 22:40:42 | 生活指導
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2018-5-28
今は昔。
公立高校のあるブカツドウ顧問Aは、ブインを殴り続けて功績を上げたそうだ。
誰でも知っていたが、暴力は公にならない。
勝てば良い。
そういう市町村だったからだ。
そういう時代だった。
報道を読めば四十年近くたって今もそうか。

その顧問Aは卓越した営業能力を持っていたという。
中学校を訪問する。
試合で目をつけた中学生を名指しで勧誘する。
「私に任せてもらえれば、必ず全国に連れて行きます」
その語り口と自信に満ちた眼差しは滅多にないという。
加えて、トーンの低い響く声が相手を信用させる。
じかに聞いた国語科も、この人は信用できると思わされたそうだ。

ブインを集めると、殴る指導が始まるらしい。
多めに集めたので、過度の練習で生徒が怪我をしても問題ない。
殴り続けるらしい。
戦争中と同じだ。
聞いて何かの依存症のような感じがした。

四、五年前だかにYoutubeで、体操みたいに生徒を数十発殴り続ける教員を見た。
身長が二十センチくらい高い男子を、右手の平で打ち続ける。
有名なので観た人も多いはずだ。
若い高校生の顔を、こんなふうに殴り続けられる人間がいるのだな、と唖然とした。
顧問Aも同じような人間だったのだか、と想像した。

時はたち、顧問Aはその高校を出たそうだ。
全国にブインを必ず連れて行く優秀な公立高校の職員Aが、なぜか県内ではもう就職できなかった。
別の県に移り、高校に就職して同じ種目の顧問になったとな。
そのAが、元いた県内の私立高校に採用されたとな。
卓越した営業トークで「全国に行く」とB高校の校長を落としたらしい。
一気に噂は、県内の某会系教員に広まったという。
「馬鹿じゃん」
それから、六年間、Aは何度かブインを全国に連れて行った。
校長はさぞかし喜んだだろう。

長いが、ここからが「洗脳の方法例」の本題だ。
Aは公立高校で殴り続けて教員になった、元ブカツドウブインCを職員に呼び寄せたという。
ブカツドウの練習を見るのはCで、今度は大人のCをAは殴り続けたと聞く。
毎日のように、血を流すまで、高校生の時のように。

つまりCは呼ばれて、就職も断れなかったということだ。
そして毎日血が流れるほど殴られて出勤し続けたということだ。
暴力に、反抗も反論もできなかったのだろう。

高校生の年代で、殴られ続けて、暴力を受けるのが、当たり前になってしまった。
恐ろしいことに、その相手の前に出ると、十年以上たって殴られて何も言えない。

「洗脳」ということは、オウムをきっかけに研究が進んだはずだ。
このAとCの関係も、僕の知識では、洗脳の例だと思える。

反社会的集団の中の話でなく、学校の中で数十年起こっていることだ。
よけいに気持ちが悪い。

以上の出来事は伝聞で、その内容に一切責任は持たない。
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僕の答案返却授業は楽しい

2018-05-26 21:12:03 | 生活指導
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2018-5-26
今日ふたクラスの答案を返した。
ひとつ目は1年生だ。
入学して最初の試験を返されるのが僕の授業で幸運だ。
自画自賛。

机の上をきれいにさせる。
左か右上に教材をきれいに積んで置くということだ。
国語や古典のテキストはメチャクチャ多い。
だから、4月に置き方をしつけて今はいつもこうなっている。

「初めてテストを返されるんですね。話をします」
◯✕と不正行為、と板書する。

この途中で、ペン回しを手の平で指してやめさせ、両足を机に入れさせる。
全員、僕の話を聞く体勢にしてある。

僕の採点は、赤ペンでなく、赤鉛筆だということ。
正解は◯、間違いは斜線、空欄は✕を書くこと。
「昔々、書き直して、持ってくる生徒がいました」
「僕は、丁寧にあやまり、直して返しました。
 書き直したとは思いません。
 次回は特に見直して採点しました。
 その生徒は、また採点間違いを持ってきました。
 僕は同じようにあやまり、直して返しました。」


高校では採点した答案をすべてコピーしてから返却する教員が結構いる。
結構でなく、全員かもしれない。わからない。
僕はしたことがない。
なんか、負けた気がする。
授業のスキルではない気がする。
中学校では、あまりいなかった気がする。今は知らない。
「次の試験で、その生徒の答案だけコピーしておきました。
 一つも間違いないのを確かめておきました。
 その生徒は、また来ました。この答えはつけ間違いです、と」


その日の午後、相談室に呼び、叱り、生徒はすぐ泣き出した。
中学3年生のオール5の男子だ。
その日に家庭訪問して保護者と生徒と3人で事実を確認した。

「なぜ、こんな成績のいい生徒が、たった2点のために不正をすると思いますか」
無駄なプレッシャーをかける大人のせいだということ。
見得、体裁だけを根拠に叱る大人のせいだということ。
不正をしたため、いつバレるかと、毎日オドオドして、ドキドキして暮らしたこと。

そのあと、答案を返す。
返す前に、もう一つ話す。
「返されるとですね、点の書いてある右下を、こうやってこうやって折りたたむ人いますね。
 許しませんよ。
 大事な、勉強の紙です」
「それから、答案をもらうときにね。こうやって、僕の目も見ないで、ひったくる人がいます。
 許しませんよ。
 おい。戻れ。やり直し。させます」
「たとえば、10点取っちゃったとしますね。
 そうしたらね、【10点だぁ、10点だぁ】って、明るく帰るんですよ。
 周りの人は、【次頑張ればいいんだよ】って、励ますんだよ。
 でも、いるんだよね【バーカ、バーカ、バカじゃん】とか言う。お前がバカだよ。
 そんなこと言ったら、許しませんよ」


1年生は目を輝かせて、大笑いして聞いている。
チョークを使っていると、勢いでポーンと手から離れることがありますね。
今日は、書きながら飛び上がったチョークが折れもせず舞い上がって落ちて、僕は上手に手に取った。
女子が、みんな笑って大拍手。
男子は反応する能力がまだない。
「拍手を有難うございます。ハッハッハ」
面白すぎる。

やっと答案を返して、残りの15分間、カタカナと漢字のなぞり・写しプリントをやる。
この1年生は、ちょっと手を入れないとならない。
でも、厳しくして5月の終わりにずいぶん良くなった。

2年生のことをちょっと。
初めての学年なので、1年生と同じような話をして、アレンジする。
「赤鉛筆が、わりと固いんですよ。
 だから、そっと上手に消したら、書き直しても、ばれないかもしれません。
 挑戦して下さい」


ペンは、消しゴムでシャーペンの文字を書き直しても、見分けるのは難しい。
7年前、初めて私立に就職してから、毎度のようにやられている話が耳に入った。
で、全員の答案コピー。
負けでしょ、やっぱり。
生徒の「思想」「概念」を、変える指導ではない。
赤鉛筆の下の、答えの文字を、消しゴムでこすって消して、書き直すのは難しい。
「それでも、2点欲しいという人は、ぜひ挑戦して下さい」
高校2年生は大笑いだ。
これは男子。

こんな、幸せな日が、高校でも来ると思わなかった。
2011年に高校に就職した日にも、おととし現任校に雇われた日も思わなかった。
三十代後半は最悪だった。
三十七、三十八と二年続けてクラスがメチャクチャで、どうしたらいいかわからなかった。
音がするほど大雨の空を見上げて、もうだめだ、どうすればいいんだ。全然わからない。
それが、二年間、700日以上続いた。
思い出したくない月日ばかりが、何年も続いた。

今は、思い出したいことがいっぱいだ。
生きられて良かった。
僕は、本当に、感謝でいっぱいです。
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解答用紙が違っていたら

2018-05-23 18:53:39 | 生活指導
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2018-5-23
定期試験の監督に行ったとしよう。
試験が始まる。
生徒が、「解答用紙が、問題用紙と一致していない」、と言い出す。
試験監督は、問題用紙は正しいのを確かめる。
ここで、試験開始チャイム後約1分だ。

■どうしますか?■

人間のすることだから、ミスはあっても仕方がない。
定期試験では、たまにある。
だが、誰が対応するかで、その後はずいぶん変わる。

僕は6年くらい前に一度やらかした。
前の職場だった。
4クラスだかに配る問題・解答用紙がちょうど5部ずつ不足していた。
なぜかわからないが、印刷数を単純に間違えた、許されないミスだ。
こんなの新採用2年目以来、二度目だ。
試験が始まる。
5部ずつ足りない。
横並びの教室だ。
4人の監督は混乱して誰かが職員室に報告した。
聞いた若い国語科は大混乱してどうしていいかわからなかった。

問題・解答用紙が20部コピーされ配布されて、試験時間が10分間延長された。

僕は翌週、一つ年下の同じ大学・学部卒の教務主任に訊かれた。
「なぜ、こういうことが起こったのですか」
「自分でもわかりません。申し訳ありません」
「今回は不問に付します。今後は人事にも関わりますから」
そんな会話だ。
(お前、職員室にいたんだろ。同じ国語科で。何してたんだよ)
普段、何もしない教務主任だが、僕が悪いから仕方がない。
僕は、事件の直後、試験監督の4人に一人ずつ謝った。
当然だ。
間違えたら、まず謝る。謝りぬく。メイウェンティの国以外では世界でも常識だ。

その事件の時、僕の机には、予備の問題・解答用紙が十数部置いてあっった。
万が一のためで、多くの人はそうするだろう。

僕は、教務主任の作った試験監督表通り、その事件中、別クラスの試験監督だった。
これはどうんなんだ。
不思議とこういうとき何か起こる。

僕が、空き時間だったらならばだ。
まず、いつも、開始時刻は廊下で立っている。
件のケースなら、予備の問題・解答用紙・10部で、2クラスはすぐに試験ができる。
他の2クラスの10部は2分でコピー配布できる。
何もなかったように、事は済む。

■どうしますか。■
に戻ろう。
試験監督の僕は、
「問題用紙に答えを書きなさい」
と言う。廊下に顔を出して、
「*年X組の解答用紙が違います」
と大声で言う。隣のY組の若い監督がもう廊下にいて、
「うちもです」
と言う。被害は2クラスだけだとわかる。Y組監督に、見といて、と言って教務室に走る。
「X組とY組の解答用紙が違います」
「あー、教務に言われても困るんだよ。職員室に言って」
「そうですか……行きます」
「あ、私が行くから、教室に戻って」
当たり前だろ。Y組に入って言う。
「落ち着いて、問題用紙に答えを書きなさい。そのまま出してもいいように」
Y組監督は若い人で、そういう判断はできない。
X組に戻ると、問題用紙に答えを書いている。
「大丈夫だから。そのまま書いて。最悪そのまま集めてもいいように」

・・・飽きた。
英語科はチャイム12分後正しい解答用紙を配りに来た。
僕が、
「写し直すということですか」
と言うと、
「そうです」
と彼は僕に向かって言った。
だが、生徒にひと言も、謝らなかった。
その後、質問を受けに来たが、それでも詫びなかった。

職員室でも、三十代の担任二年目の英語科は、ひと言も僕に謝らなかった。
僕が監督でなかったら、どうなっていたかわからないのだろうか。
評価板下位5%に入る学校はこういうものなのだな。
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