カルテ番号 み・5(11)
裕子は何て声をかけたらいいのか分からず
「そうでしたか・・・」とだけ、言った。
女性は僅かに微笑んで、
「大丈夫よ、誰だっていろいろあるものよ」と言った。
普段は他人の詮索など嫌いな裕子だった。
つい、声をかけ、訊ねた事を改めて後悔した。
「本当にごめんなさい。
初対面の方に対して、無神経な質問でした」
女性はハッキリとした笑顔で答えた。
「違うのよ。
貴女に話している事自体が、私には驚きなの。
いつの間にか、私、ずいぶんと乗り越えられたなぁ、って。
こんなふうに夫の事を話せるようになった事が嬉しいわ」
女性は裕子の顔をしっかり見つめて話し出した。
「私ね、子供も出来なかったの。
内向的で、うつ病で、夫を急に亡くして、絶望的だった。
どうしていいのか、毎日泣く事しかできなかった。
実家は遠くて帰ることもできないし、帰りたくもない。
帰っても、何もしたくない。
生きる事が、辛くて、辛くて・・・・」
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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