ついに聖地に…-2

　スタンドに足を運ぶと、そこには今までTVで見ていた、あの甲子園球場が広がっていた。大きな銀傘、すり鉢状のスタンド、スコアボード、観衆の歓声、応援団とブラバンの声と演奏、そして何と言っても、金属バットの金属音。

　　　

　　　

　感動です。今自分の目の前にあるものは、TVを通したものではなくまさに本物のそれである。グランド自体の大きさは、自分たちがやってる球場とそんなに変わらない。とてつもなく大きいとは感じないが、スタンド自体の大きさやその周辺の雰囲気に圧倒された。

　少年の頃、目指していた甲子園。夢叶わなかった甲子園出場。やっとこの歳になってこれた甲子園。これが甲子園か…。少々感慨に浸っている自分がいた…。

　この日の組合せカードは、常連の人気校が目白押しだった。愛工大名電、履正社、横浜、聖光学院、智弁学園、関東一。その為か前日よりも観客の入りがいい。

　感動に浸ってばかりはいる訳にはいかない。甲子園球児たちのひたむきなプレーに目を向け、その一挙手一投足を胸に焼き付け球場を後にした…。