徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

心療内科なごみクリニックで何を考えたのか-4

2017-01-20 08:52:08 | 医院・クリニック新築
 設計時になごみクリニックの先生に何を要望されたか。

 それは精神的に落ち着いた気持ちで患者さんに診察を受けて欲しいという観点から、木を使って落ち着きや温もりあるクリニックとしたいということだった。

 

 その要望とともに他のクリニックと一風変わった差別化を図ったデザインにしたいというファクターを私なりに加味しようと思った。

 なぜなら建設地周辺には他の科目のクリニックが点在するクリニック街。歩ける範囲に片手では納まらない数のクリニック。そのクリニック街で埋もれない様にしたいそんな思いだった。

 患者さんは土足のまま診療を受けるスタイルであるが、待合室の床はフローリングブロックを使用しし、天井にも木ルーバーや木の梁型を表しにした。

 また、心療内科に通っていることを第三者から周知されたくない患者さんが多いと聞く。クリニック内部の様子が外部に漏れないように表通り側の開口部にも木製ルーバーを設置し、クリニック、患者さんのプライバシーにも配慮した。

 

 それとは対象的に通りの逆側には壮大な田園風景と遠くには霊峰月山が存在する。この素晴らしい風景を眺め心を落ち着けてから診察に臨んで欲しい。そんな思いもあって、待合室のピクチャーウィンドウからは壮大な景色が広がる。

 実際に患者さんにもこのピクチャーウィンドウは好評のようである。

 心を診るクリニック。気持ちを安定、落ち着けることが一番の良薬なのかもしれない…と思ったのである。


 ~つづく~
コメント
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