趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
第3セクター鉄道 運賃後払証明
特殊な帳票ですので会社名や駅名等の詳細を公表いたしませんが、ある第3セクターの鉄道会社の出札所で、乗車券類をコレクションしている旨を告げていろいろな硬券を購入したところ、「おまけ」として面白いものを戴きました。
この券を戴いたのは10年ほど前の2013年秋のことでしたので、もう設備廃止になっているかもしれません。
運賃後払証明という帳票で、ノンカーボンの2片制となっています。大きさは定期券よりひとまわり小さいサイズです。
これは、高校生が通学の際に定期券を忘れた場合や現金を持ち合わせていなかった場合に、乗車区間と学年・氏名・電話番号を記入して運賃を後払いとする措置を採るためのものであるとのことでした。開業以来設備されているとのことで、発行日を記入する欄が昭和になっていますが、駅員氏曰く「まず使ったことがない」とのことで、それを物語るようにこの証明書の番号は001となっています。
高校生であれば制服で通学するために身元がはっきりするので、地方のローカル私鉄ならではの「粋な計らい」として考え出されたようですが、そのような対応があるということが公にされてはいないようですので、実際には使用例がないのが実態だそうです。
もしかすると、JR各社やその他の私鉄にも、同じような例があるかもしれません。
公にすると当たり前のように来られても困りますし、嘘の記載をする等の不正行為が横行することが考えられますから、現状のままが一番であると思われます。
だいたい、学校へ行く時に所持金が無いことに気づいたら、まさかこのような用紙が駅に準備されているなんてことは考え付くわけもなく、友達に借りる方が一般的かもしれません。
もし、管理人が高校生のときであれば、きっと「きょうはもういいや」って言って家に帰ってしまって、学校はサボるでしょう・・・。
1枚目は白いペラペラの紙質ですが、2枚目は若干黄色みがかった少し厚めの紙質となっています。1枚目が駅もしくは運転士の控えとなり、2枚目が本人へ手渡す控えとなるそうです。
いすみ鐵道 車内発行整理券
平成10年代のいすみ鐵道車内で発行された、大多喜駅乗車分の整理券です。
白色無地紋の整理券用普通ロール紙を使用したもので、印版式の旧様式になります。
現在、同社では整理券は感熱式券が使用されておりますが、開業時には印版式の券が使用されていました。機器は現在と同様に路線バスで使用されているものと同じもので、停留所番号が印字されるところに駅名が印字されています。
裏面です。裏面には「整理券」および「いすみ鐵道」の印字は無く、駅名の印は表面と天地逆に印字されています。
バスの整理券もそうですが、保存環境が良くないのでしょうか、整理券の駅名(数字)部分の印字は、時間が経つとなぜか印字が滲んで来ます。
ひたちなか海浜鉄道 旧式券売機
先日ひたちなか海浜鉄道の那珂湊にある車庫の周辺を散歩しておりましたところ、屋外に置かれているものを発見しました。
敷地外から撮影したものですので詳細を見ることはできませんが、どう見ても券売機です。
恐らく、那珂湊と殿山・阿字ヶ浦などにあった旧式券売機なのではないかと推測します。本体が白いものが2台と、水色のものが1台あることが見えます。
形状は傾斜型で、茨城交通から引継がれたサーマル式の機器と思われます。
平成22年4月に那珂湊駅にあった旧式の券売機で購入した乗車券です。
この機械は茨城交通時代から那珂湊駅に設備されており、末期には連絡乗車券のボタンが使用中止となった状態で現在使用されている新型機と並んで使用されており、機能が制約された姿は少々痛々しい感じでした。
現在、旧券売機は撤去され、跡地はグッズを陳列しているショーケースになっています。
鉄道事業者にとっては単なる廃棄品なのですが、こんな物でも視界に入ると色々考えてしまいますね。
真岡鉄道 JR線精算済証
平成25年11月に真岡鉄道下館駅で発行された、JR線精算済証です。
桃色PJRてつどう地紋の券売機用券紙をカットし、ゴム印で捺印されたものとなっています。
これは真岡鉄道下館駅のホームがJR水戸線下館駅と同一構内・同一ホームとなっていますため、真岡鉄道ホーム上にてJR線区間の精算が行われ、精算を終えた旅客に対して交付される精算済証です。
同社はSL列車を除いてワンマン運転となっていますが、JRの精算を行っても自社線の乗車券をここで発売するわけではなく、下車の際に車内もしくは有人駅改札で精算するようになっており、他社線の運賃を精算しても自社線の運賃は収受しないという大変珍しい方式が採られています。
なぜ、ここで自社線の乗車券を発売しないのか、方法として少々疑問の残るところです。
また、「JR線精算済証」でなくて「JR線精算済」であるのはまだいいとしても、「真岡線内の運賃は、下車の際にお支払いしてください。」という言い回しであったり、かなり不自然な券面であると感じますが、いかがでしょう?