趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
仙台市交通局 「Pokémon GO Fest 2024:仙台」共通一日乗車券(小児用)
前回、仙台市交通局が発売しました「Pokémon GO Fest 2024:仙台」用の共通一日乗車券を御紹介いたしましたが、期間中は小児専用券も発売していましたので、御紹介いたしましょう。
仙台市交通局が「Pokémon GO Fest 2024:仙台」期間中に発売した、小児用の共通一日乗車券です。
大きさは大人用券と同様の縦7センチ、横10センチのカード型で、イラストもイベント公式イラストになっていますが、小児用券は枠が青色になっており、「小児」の表示があります。
裏面です。
大人用券同様、乗車券としての必要事項は裏面にあり、利用日(=発売日)も予め印刷されています。
Pokémon GO Fest 2024:仙台は、開催期間中に市内でゲームをプレーした人が37万9千人で、このうち市外から訪れたユーザーは、海外も含めて36万7,630人であったそうです。そして、仙台市の経済効果は74億円ほどあり、その内訳は、買い物などでおよそ28億円、飲食でおよそ20億円と算出され、前年に大阪市で行われたイベントよりも20億円ほど上回ったと言われています。
仙台市交通局 「Pokémon GO Fest 2024:仙台」共通一日乗車券
2024(令和6)年5月30日から6月2日に仙台市で開催された「Pokémon GO Fest 2024:仙台」の期間中に、仙台市交通局が発行した、るーぷる仙台・地下鉄の共通一日乗車券です。
縦7センチ横10センチのカード型で、Pokémon GO Fest 2024:仙台の公式イラストのデザインになっています。
御紹介の券は、仙台市交通局が運営しております、仙台市内の観光地を循環する路線バスであるるーぷる仙台と地下鉄(南北線・東西線)が乗り降り自由の一日乗車券で、一般の路線バスには利用できません。
裏面です。
乗車券としての内容は裏面に記載され、それなりの枚数が発売されることを予想したのでしょう、利用日(=発売日)は予め印刷されていますので、期間中は各日分を用意したものと思われます。
デリバリー会社 6800円クーポン
先日、自宅のポストに入れられていました、某デリバリー会社の6800円クーポンです。
管理人はこのようなデリバリーサービスを使ったことはなく、チラシやクーポンがポストに投函されていても、確実に古紙回収袋へ直行なのですが、この券が目に留まりました。
どう見ても、JR東日本のSuica定期券をモデルにしたとしか言い様のないデザインです。
色目といい、ロ(四角)で囲まれた「飯」や「届」のデザインといい、「¥6.800」とカンマ(,)ではなくピリオド(.)といい、かなり凝っています。
裏面です。裏面もまた、ご利用案内の感じといい、左上にある刻印のような番号といい、右上のにある黒い確認用の四角といい、右下にある黒地に17桁のアルファベットと数字の番号の部分といい、なかなかマニアックに制作されたものだと思います。
JR東海 名古屋駅発行 ナゴヤ球場正門前駅ゆき 片道乗車券
1987(昭和62)年10月に、JR東海の東海道本線名古屋駅で発行された、ナゴヤ球場正門前駅ゆきの片道乗車券です。
青色こくてつ過渡期地紋のA型一般式大人・小児用券で、名古屋印刷場で調製されたものです。
御紹介の券は、ナゴヤ球場での野球開催時のみ営業していました、同球場に近い臨時駅であったナゴヤ球場正門前駅までの乗車券として臨発されていたものです。
当時、名古屋駅の隣にあります尾頭橋駅が開業しておらず、球場に一番近いJRの駅がナゴヤ球場正門前駅でした。しかし、当時の名古屋駅の隣接駅は、東海道本線上り方面が3.3km離れた金山駅、下り方面が4.0km離れた枇杷島駅、関西本線方面が3.8km離れた八田駅であったため、営業キロ1km~3km帯の140円(当時)で乗れる常設駅が存在せず、名古屋駅の券売機はナゴヤ球場正門前駅ゆき用のボタンがあり、営業日のみボタンに付けられた蓋を外すという措置が行われたほか、御紹介の硬券での臨発が行われていました。
御紹介の券は営業キロ1km~3km帯の最短区間の乗車券になりますが、なぜかA型一般式で、かつ、長距離乗車券と同じ青色地紋で調製されていました。金額式か一般式かの違いもありますが、当時の名古屋印刷場では、近距離用の一般式券は桃色地紋のB型券で調製されていましたので、なぜこの券が通常の様式に則って作成されなかったのか、疑問です。
逆に、ナゴヤ球場正門前駅からの帰路用乗車券は、拙ブログ2024年10月25日エントリーの「JR東海 ナゴヤ球場正門前駅発行 140円区間ゆき 片道乗車券」で御紹介いたしましたような、これも通常様式とは少々異なってはおりましたが、桃色B型の金額式券で発売されていました。
これは、帰路の乗車券の場合は名古屋駅が着駅とは限らないため、金額式券にされたものと推測されます。
東京駅発行 関内駅ゆき 乗車券・普通列車グリーン券 一葉券
1969(昭和44)年5月に東京駅で発行された、関内駅ゆきの乗車券と普通列車グリーン券の一葉券です。
青色こくてつ地紋のA型大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
表題部分には「乗車券・普通列車グリーン券」となっていて、2種の券種が1枚に纏まっていることが分かります。
有効区間は品川駅から関内駅になっていますが、途中の横浜までは普通列車にグリーン車が連結されていますが、横浜から先の根岸線内にはグリーン車が連結された普通列車は運転されていませんため、横浜駅~関内駅間は普通車利用になります。
裏面です。券番の他、普通列車のグリーン車に乗車できますが、特別急行列車も含まれると思われますが、急行列車のグリーン車には乗車できない旨が記載されています。
国鉄の等級制において、御紹介の券が発行された1969(昭和44)年5月9日に等級制が廃止され、翌10日からはモノクラス制に変更され、従来の1等車がグリーン車という名称に改められています。それに伴い、今までの1等車用の乗車券が廃止され、乗車券はモノクラス制になって等級制がなくなり、替わって、グリーン車を利用するには別途グリーン券を購入するようになりました。
登場時のグリーン券は、普通列車のグリーン車を利用するための「普通列車グリーン券」と特急や急行列車のグリーン車を利用するための「特急・急行グリーン券」の2種類に分かれており、キロ別に料金が異なっていました。
御紹介の券は東京地区のみに限定して発行された乗車券とグリーン券が一枚にまとめられたものになります。登場初期は1等車のイメージで、グリーン車に乗車できる「乗車券」という考え方であったのか青色地紋になっていましたが、昭和47年頃から緑地紋に変更されましたので、青色地紋券として登場したものは登場から3年程度で無くなっています。
また、登場からわずか3ヶ月後の1969(昭和44)年8月30日にはグリーン券の「普通列車グリーン券」と「特急・急行グリーン券」という表記について、「普通列車用グリーン券」と「特急・急行用グリーン券」に改められましたため、御紹介の様式はわずか3ヶ月で様式消滅してしまったため、発行期間が極めて短い様式でした。
改定後の様式は、拙ブログ2024年5月5日エントリーの「東京駅発行 品川駅ゆき乗車券・普通列車用グリーン券 一葉券」で御紹介いたしておりますのでご覧戴ければと思います。
東京駅発行 米原駅までの新幹線特急券・グリーン券一葉券
1986(昭和61)年3月に、東京駅で発行された、米原駅までの新幹線特急券・グリーン券の一葉券です。
若草色こくてつ地紋のD型大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
実際に同区間の利用をするために窓口で特急券を求めた際、前回御紹介いたしました同駅からの新幹線特急券・グリーン券の準常備式券の見本券の存在を思い出し、このような券があるかを窓口氏にお伺いしたところ、「米原だったらこんなのあるよ」と見せていただき、これを使用して発券していただきました。
この券で発券するには、まず、マルス端末を料金を計上しない「料無し券」で設定して座席を抜き、発券された料なし券と一緒に発券されます。本当は料なし券と本券をホッチキスで留めて発券するようですが、使用済み券をコレクションとして手元に残したいため、ホッチキス留めはなしにして頂けましたので、留め穴はありません。
裏面です。やはり指定欄がありますが、マルス端末で料なし券を発券していますので、「指定券発行」の印を捺したうえで、指定欄は無記載のままになっています。
基本的には非常時の対応とのことですが、意外なくらいに券番は進んでいます。
東京駅発行 準常備式 新幹線特急券・グリーン券
見本券ですが、東京駅発行の新幹線特急券・グリーン券の準常備式券です。
若草色こくてつ地紋のD型準常備式大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
同駅は基本的に新幹線特急券についてはマルス端末での発券になりますので、御紹介の券は非常時用等の限られた時の使用を前提にしていることから、口座数を減らすために準常備式としているものと思われます。
裏面です。券番の他、指定席の記載欄があります。記載欄は2列車分ありますが、これは、こだま号しか停車しない駅が着駅の場合、改札口を出場しないでひかり号とこだま号を乗り継ぐことに対応しているものと思われます。
この考え方は、JRとなった現在でも、料金専用出札補充券(料補)にも受け継がれています。
大井川鉄道 井川駅から東京都区内ゆき 片道連絡乗車券
1988(昭和63)年1月に、大井川鉄道(現・大井川鐵道)井川線の井川駅で発行された、金谷駅接続の東京都区内ゆきの片道連絡乗車券です。
灰色大井川鉄道自社地紋のA型一般式大人・小児用券で、日本交通印刷で調製されたものです。
経由欄は「東海 経由」となっていますが、「東海」という駅が常磐線にありますので本来は「東海道線」とか「東海道」と記載するのが正当かとは思いますが、当時、名古屋印刷場で調製された国鉄の常備券に「東海経由」の記載がありましたので、それに倣ったものと思われます。
裏面です。券番の他に東京都区内各駅では下車前途無効である旨が記載されています。
JR東日本 横浜駅から120円区間ゆき 片道乗車券
いまからちょうど35年前の、1989(平成元)年11月11日に、JR東日本東海道本線の横浜駅で発行された、同駅から120円区間ゆきの片道乗車券です。
桃色JRE地紋のB型金額式大人専用券で、東京印刷場で調製されたものです。
御紹介の券は、「1.11.11.」と1が5つ並ぶゾロ目の日でしたため、同駅では通常発売しない、硬券の近距離乗車券を特別に発売しています。
しかし、同駅では京浜急行電鉄(京急電鉄)の乗換精算改札口で「◯社」の硬券乗車券が常時発売されておりましたためか、「◯社」の符号のない直営駅発行の券はあまり話題にはならなかったようで、東京駅や新宿駅と比べますと、さほど多くは発売されていなかったようです。
JR東海 東京駅発行 新横浜までの新幹線特定特急券
2024(令和6)年10月1日に、JR東海東海道新幹線の東京駅で発行された、新横浜駅までの新幹線特定特急券です。
青色JRC地紋の指定共通券紙が使用された、指定席券売機で発券されたものです。
東海道新幹線は今年で東京駅~新大阪駅間開業60周年を迎えますが、その間にいくつか途中駅が開業しました。
現在、東京駅の次は品川駅ですが、開業当時は品川駅には新幹線の駅はなく、東京駅の次は新横浜駅になっていました。そのため、現在でも東京駅から新横浜駅までの区間については旅客側に不利が生じないよう、特例として新幹線特定特急券が発売されています。
このような区間は、東海道区間では他に、三島駅~静岡駅間や静岡駅~浜松駅間、豊橋駅~名古屋駅間など、やはり新駅開業による特例があります。
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