桜木町駅~横浜駅間 選択乗車制度

昭和32年8月に東急東横線桜木町駅で発行された、横浜駅ゆきの乗車券です。

 

   

 

東急東横線は平成16年1月に同区間が廃止されて横浜高速鉄道みなとみらい線の横浜駅~元町・中華街駅間に継承されています。

 

かつて、この区間は日中戦争の長期化に伴い、物資の統制を目的として、昭和17年4月から普通および定期旅客についてを「運賃プール制」とし、選択乗車制度が採用された時期がありました。

 

選択乗車制度は桜木町駅と省線(昭和24年以降は国鉄線)横浜駅以遠及び、東京急行電鉄線横浜駅以遠の各駅の相互間を発着する三等普通乗車券及び、定期乗車券を所持する旅客に対し適用され、昭和37年11月まで続けられました。

 

   

 

裏面です。

裏面には、国鉄線および東横線のいずれにも乗車できる旨の記載があります。

 

   

 

横浜駅発行の同区間の国鉄乗車券です。

 

   

 

こちらにも、国鉄線および東横線のいずれにも乗車できる旨の記載があります。

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採銅所駅発行 170円区間乗車券

昭和60年12月、日田彦山線採銅所駅で発行された、170円区間ゆきの金額式乗車券です。



   



小生は同駅には訪問したことはなく、これはある同好の先輩コレクター氏より頂いたものです。



同駅のことを調べますと、国鉄時代の昭和55年には無人化されているようで、駅舎のなかに自動券売機が1台設備されているような駅であるそうです。



そうであれば、ご紹介の券は、日常的に発売されたものではなく、臨時発売でもあったのか、それとも近隣の商店で委託発売が行われていたものなのか、何らかの事情があって発売されたものと思われます。



しかし、採銅所なんて、いかにも鉱山エリアの駅という感じの駅名ですね。
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宮守駅発行 常備軟券の急行券

平成8年10月に釜石線宮守駅で発行された、宮守から25kmまでの急行券です。



   



当時の釜石線には新型気動車であるキハ110型を使用した急行「陸中」が定期運転されておりましたが、平成13年12月には快速「はまゆり」に格下げされ、急行列車の運転は廃止されてしまっております。



JR東日本管内の急行列車は既に殆どが廃止もしくは特急に格上げ・快速に格下げされてしまっており、平成8年ごろには「急行券」というものにお目にかかる機会も激減しました。



そのような中、釜石線内の急行列車停車駅で、しかも常備軟券の設備がある委託駅である宮守駅では、常備軟券による急行券が設備されておりました。



JR東日本管内に常備軟券を扱う委託駅は幾つかありますが、常備急行券が設備されている駅は、他にあまり例がなかったように思います。

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新木場駅と葛西臨海公園駅

平成2年11月に博多駅で発行された、福岡市内から東京都区内ゆきの乗車券です。


   

着駅である「東京都区内ゆき」の下に「(新木場・葛西臨海公園駅を除く)」という表記があることが特徴の券です。


   

全国的に見ても、東京都区内ゆきの乗車券にこのような注意書きの文言が印刷されている例は、恐らく門司印刷場で調製された、JR九州の券以外に見たことはありませんので、他の印刷場調製の券には存在しなかったものと思います。

現在、京葉線の新木場駅および葛西臨海公園駅も東京都区内のエリアに入っており、実際、両駅は江東区と江戸川区に位置しています。
しかし、両駅は当初、東京都区内の駅には属さない駅でした。

両駅はJR化後の昭和63年12月に京葉線の駅として開業しましたが、当初は新木場駅までの暫定開業であり、新木場駅~東京駅間は開通していませんでした。
そのため、両駅へ行くには、東京都区内のエリアを一旦出て西船橋駅もしくは蘇我駅を経由しなければならず、東京都区内の駅には含まれなかった経緯があります。

しかし、平成2年3月には新木場駅~東京駅間が開業し、両駅はめでたく東京都区内の駅に属すようになります。
ということは、御紹介の券は発売時期からして旧券がそのまま使用されていたこととなり、本来であれば東京都区内に属しているはずの両駅が除外となっている、「誤案内」の券ということとなります。

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上野丸之内駅発行 伊賀上野から東京都区内ゆき乗車券

上野丸之内駅発行の、伊賀上野駅から東京都区内ゆき、他駅発の乗車券です。

 

 

上野丸之内駅は現在の伊賀鉄道上野市駅のそばにあり、伊賀市の中心地に位置する国鉄バスの駅でした。

 

国鉄線(鉄道線)の駅は関西本線の伊賀上野駅となりますが、同駅は街の中心から少々離れた位置にあり、国鉄の乗車券は指定券などは、最寄の上野丸之内駅で買い求める需要がかなりあったようです。

そのため、同駅には近隣の伊賀上野駅発の乗車券や、東京都区内等の復路用の乗車券口座などもあったようです。

 

しかし、昭和61年に国鉄バス路線が廃止されると上野丸之内駅も廃止となり、過去のものになってしまっています。

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東武鉄道 りょうもう号車内発行特急券

所用が予想以上に延びてしまい、駅で特急券を購入する暇なく発車間際に飛び乗った際、車内で購入したりょうもう号の特急券です。発行箇所は館林乗務管区乗務員発行です。

 

    

 

色が薄いですが、黄色の「とぶてつ」東武自社地紋となっており、文字が水色で印刷された独特な券です。

 

券紙はノーカーボンとなっており、ボールペンで記入して発券されます。

 

東武鉄道の特急列車の車掌氏は座席指定も可能な携帯端末を持っていて、座席の指定をすることができますが、発券機能がないため、特急券の発売は補充券での対応となっているようです。

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わたらせ渓谷鐵道 足尾本山駅

平成2年、わたらせ渓谷鐵道に乗車した際に購入した車内補充券です。


     



わたらせ渓谷鐵道は平成元年3月にJR東日本足尾線を第三セクター化した路線で、この券が発行された当時は、相老駅の次の運動公園駅が誕生したことと、神土駅が神戸駅に改称された以外、足尾線時代の駅名のままとなっていました。



時期的に考えても、この券は開業当初に設備された車内補充券と思われるもので、自社地紋の駅名式券となっています。



この券には、気になる駅が一つあります。それは「足尾本山駅」です。



足尾本山駅は足尾線の前身である足尾鉄道によって大正3年8月に開業されている貨物駅ですが、国鉄末期の昭和62年に貨物列車の運転終了により休止駅となっています。


JRへ民営化後も駅は引き継がれましたが、平成元年3月の足尾線廃止(わたらせ渓谷鐵道へ転換)時に廃駅となり、間藤駅~足尾本山駅間は免許線とされ、施設そのものはわたらせ渓谷鐵道に引き継がれて、同鉄道の未開業区間となっています。



しかし、平成10年には免許は失効し、事実上廃線同様となっています。にもかかわらず、この券には同駅の記載があります。



     




2枚目の券は、平成4年の下新田駅開業後に設備された券です。



記事欄の下に「原券ICカード」という欄が作られており、比較的最近に設備されたことが伺われます。しかし、将来的に列車を走らせる方針でもあったのでしょうか、この券にも足尾本山駅が印刷されております。

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金額に“,”「コンマ」のある乗車券

昭和44年10月に西鹿児島(現、鹿児島中央)駅で発行された、東京都区内ゆきの硬券乗車券です。




   



昭和44年10月と言いますとモノクラス制化後となりますので、この券は制度改正後に設備された新券であると思われます。



よく見ますと、運賃表記である4110円の千の位と百の位の間に“,”「コンマ」が打たれています。



   



該当箇所を拡大してみましょう。



4と1の間にコンマが打たれていることがわかります。



等級制時代の券でコンマの打たれている券を見たことがありますが、モノクラス化以後の硬券ではあまり例が無いように思われます。

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三木鉄道 三木駅入場券

平成19年9月、三木鉄道三木駅で発行された、硬券入場券です。

 

   

 

同鉄道は廃止された国鉄三木線を昭和59年に継承して発足した第三セクター鉄道でしたが、この券が発行されてから約半年後の平成20年4月に廃止されてしまっています。

 

ワンマンのレールバスによる運行で、乗車券の類は全くない、われわれきっぷ蒐集家にとっては残念な路線でしたが、終点の三木駅には紙質が薄いものの硬券入場券が設備されており、日付を入れるダッチングまで常備されていました。

 

入場券は自社地紋と思われる地紋の券で、入場券であることがやたら強調されていますが、三木駅の入場券であることが遠慮がちな感じの独特な様式です。

その他、「通用当日限り」や「乗車できません」という表記もなんとなく独特です。

送迎用に一般の送迎客が購入するものとは思えませんので、殆ど記念用として発売されていたものと思われます。

 

三木駅以外に硬券入場券の設備がありませんでしたから問題はないと思いますが、せっかくなので、もう少し「三木駅」の文字が大きくても良いように感じます。

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鹿島鉄道 鉾田から上野・浜松町間ゆき乗車券

昭和60年4月、今は亡き鹿島鉄道鉾田駅で発行された、JR上野・浜松町間ゆきの硬券連絡乗車券です。

 

   

 

JPR地紋のA型硬券で、井口印刷調製によるものと思われます。

 

この券、何の変哲もない一般的なものですが、発駅である「鉾田」と着駅である「上野」「浜松町」の活字の大きさが同一であり、活字のバランスとしてはあまり良いとは思えません。

 

   

 

裏面です。

 

裏面にしても、社名と発行駅名がちょっと控えめな場所に印刷されていますが、もう少し堂々と真ん中に印刷されていても良いような気がします。

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