JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
南仙台駅発行 仙台から東京まで 新幹線指定席特急券
1985(昭和60)年6月に、東北本線南仙台駅で発行された、仙台から東京までの新幹線指定席特急券です。
若草色こくてつ地紋のD型大人・小児用券で、仙台・上野間の常備式券で、東京印刷場で調製されたものです。
裏面です。
新幹線の硬券式指定席特急券は、座席指定を裏面に記入するようになっておりましたので、乗車日以下の情報は裏面になります。御紹介の券は、仙台駅07:48分発のあおば202号用として発行されています。
発駅の「仙台」は印刷されていますが、新幹線の特急券は出場しなければ複数の列車を乗り継ぐことが可能であることからか、着駅の「上野」については空欄になっており、ゴム印で捺印されています。
発行駅の南仙台駅は仙台駅から4駅目の仙台市内の駅で、仙台駅からの新幹線の発売需要はそれなりにある駅でしたが、当時はみどりの窓口のない駅でしたため、区間記入式券の他に、御紹介のような常備式券の設備がありました。
JR東日本 三春駅発行 180円区間ゆき片道乗車券
1987(昭和62)年10月に、JR東日本磐越東線の三春駅で発行された、同駅から180円区間ゆきの片道乗車券です。
桃色こくてつ過渡期地紋のB型金額式大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
国鉄末期になって、現在のJR東日本管内においては、仙台印刷場や新潟印刷場の廃止が行われ、乗車券印刷業務は規模が大きい割に機械化によって硬券需要が少なくなってきた東京印刷場に集約されていき、同印刷場では自前の設備を使用してはいても、現場の混乱を避けようとしたのか、レイアウトや記載方法については移管前の各印刷場の「ローカルルール」を温存し、首都圏駅のものとは所々異なる様式の券を作成してきておりました。しかしながら、国鉄民営化を機にその考え方は一変し、JR東日本管内で使用する硬券の様式は首都圏のものに統一されています。
御紹介の三春駅についても、かつては仙台印刷場が受け持っており、東京印刷場に移管された際には仙台印刷場の様式に準じた東京印刷場券が使用されていましたが、民営化後には、首都圏と同じ東京印刷場の様式に変更されています。
ジェイアールバス関東 白棚線1日フリーきっぷ
2024(令和6)年12月に発行された、ジェイアールバス関東白棚線の1日フリーきっぷです。
1500円で白棚線全線を1日自由に乗り降りできるフリー乗車券で、片道運賃が800円なので、往復すれば元が取れてしまう優れものです。
ただし、駅や白河支店では発売されておらず、同社のホームページでも案内されているように、「高速バスネット」というサイトでのみ発売しており、駅や車内、白河支店窓口での発売はありません。また、電子決済のみとなっています。
同線は約1時間おきに便が出ていますので、結構いろいろな場所の探索ができます。
専用道路を走るバス
専用道路を走るバス
専用道路を走るバス
専用道路から出てくるバス
番所駅
磐城金山駅
国鉄白棚高速線時代からの専用道路看板
こちらの看板は白棚線が「白棚高速線」と呼ばれていたころからの専用道路看板です。白棚線が開業した当初、当時の幹線級の国道でも地方では砂利道のような舗装されていない道路が多かった時代に、国鉄は舗装された直線でスピードが出せる画期的なバス専用道路を開通させ、白棚高速線として開業し、名神高速線および東名高速線が開業するとき、名神・東名両線に導入する高速仕様の車両を白棚高速線に持ってきて、高速試運転も行われていたようです。
しかし、1969(昭和44)年6月に東名高速線が開業すると、白棚高速線は高速道路を経由しないことから白棚線に路線名が改称されています。
上の看板を拡大してみました。
「国鉄高速度線用自動車道」という表記も時代を感じさせますが、「一般の人車馬は通行できません」という表記には、さらに時代を感じさせられます。
ジェイアールバス関東 白河支店発行 白河から磐城棚倉駅ゆき 片道乗車券
2024(令和6)年12月に、ジェイアールバス関東白河支店で発行された、白棚線の白河駅から磐城棚倉駅ゆきの片道乗車券です。
桃色JRB地紋の特別補充券で発行されています。
同線の乗車券はかつて、白河駅や磐城棚倉駅で発売されていましたが、現在は運賃箱に現金を入れるか、Suicaなどの交通系IC乗車券で乗車するようになって乗車券は設備されていないため、白棚線の乗車券を購入したい旨を申し上げたところ、補充券での発行になりました。
発行箇所部分が黒く塗られていますが、「東北道統括支店」となっていたものを白河支店に変更しているようです。
裏面です。ご案内文が印刷されています。
2.の「下車のときは、切り離して・・・」とはどういうことか?と思ってしまいます。
JR東日本 磐城棚倉駅発行 乗車駅証明書
2024(令和6)年12月に、JR東日本水郡線の磐城棚倉駅で発行された乗車駅証明書です。
白色無地紋の券で、バスの整理券のような券になっています。
同駅は水郡線の他、ジェイアールバス関東が運営する白棚線の接続駅でもあり、かつてはみどりの窓口も営業していた駅でしたが、2022(令和4)年3月に無人化されています。
現在の磐城棚倉駅の駅舎です。鉄筋平屋建ての駅舎で、半分は事務所等で使用されていたスペースになっており、比較的大きめの駅舎です。
駅前からはジェイアールバス関東の白棚線が約1時間おきに発着しており、水郡線の列車よりも運転本数は多いです。
列車を降りて改札口のところには白棚線へののりかえ案内が今でも掲示されており、かつて休止となった鉄道の白棚線の線路敷をバス専用道路に転用した自動車路線である白棚線が、国鉄自動車線であったことを感じさせます。
今では、同駅近くから続いていたバス専用道路は老朽化によって閉鎖され、もの悲しい雰囲気が漂っています。
磐城棚倉駅発行 白棚線経由 東京山手線内ゆき 片道乗車券
1976(昭和51)6月に、国鉄自動車線である白棚線の磐城棚倉駅で発行された、白棚線経由の東京山手線内ゆき片道乗車券です。
青色こくてつ地紋のA型一般式大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
乗車経路は、磐城棚倉駅~(白棚線)~白河駅~(東北本線)~東京山手線内というもので、国鉄自動車線(国鉄バス)と鉄道線の通しの乗車券になっています。そのため、白河駅から東京山手線内間は営業キロが200kmまでのために有効期間は2日間ですが、自動車線との通し乗車券になるため、プラス1日の3日間有効になります。
裏面です。
券番の他、自動車線内の途中駅である磐城金山駅および南湖公園停留所を除いた各駅では下車前途無効であることと、東京山手線内各駅でも下車前途無効である旨が記載されています。
磐城金山駅は国鉄民営化以降の1988(昭和63)年までは同線唯一の駅員配置駅で、表郷村(現・白河市)の中心駅的な存在で、南湖公園停留所は、白河藩主・松平定信により、身分の差に関係なく誰もが楽しめる「士民共楽」という理念のもと築造された、国指定史跡・名勝である南湖公園の最寄り停留所になっていることから、観光需要を見込んだことによる途中下車指定駅になっていたものと思われます。
◯社 東飯能駅発行 300円区間ゆき 片道乗車券
今から36年前の1989(昭和64)年1月7日に、JR東日本八高線の「◯社」東飯能駅で発行された、同駅から300円区間ゆきの片道乗車券です。
桃色JRE地紋のB型金額式大人専用券で、東京印刷場で調製されたものです。
裏面です。購入した時には気づきませんでしたが、あと2枚購入して「0000」と「0001」の券を入手すべきだったと、後になって後悔しています。
昭和64年1月7日は「昭和」の元号の最終日でした。翌日から「平成」の世の中になる節目の日です。もうあれから36年の歳月が経ってしまったと思うと、自身がだんだん老化してきているのも頷けます。
小田急電鉄 参宮橋駅発行 普通入場券
前回エントリーで小田急電鉄小田原線の参宮橋駅で発行された、シンコー印刷で調製された90円区間ゆきの片道乗車券を御紹介いたしましたので、今回は普通入場券を御紹介したいと思います。
1986(昭和61)年1月に同駅で発行された普通入場券です。B型白色無地紋の大人・小児用券で、シンコー印刷で調製されたものです。
同駅の普通入場券はなぜか赤一条の線が入っており、「通用発売当日1回限り」という文言があったりと、他駅のものとは違った雰囲気を醸していました。
当時、下津井電鉄等の私鉄事業者がシンコー印刷で調製された普通入場券を発売していましたが、雰囲気が当時の「それ」によく似ています。
裏面です。券番の他、発行駅名が印刷されています。
小田急電鉄 参宮橋駅発行 90円区間ゆき片道乗車券
いまからちょうど40年前の1985(昭和60)年1月3日に、小田急電鉄小田原線の参宮橋駅で発行された、同駅から90円区間ゆきの片道乗車券です。
桃色PJRてつどう地紋の金額式大人専用券で、シンコー印刷で調製されたものです。
当時の同社乗車券は、殆どが井口印刷で調製されており、山口証券印刷の券も見受けられましたが、希にシンコー印刷で調製された券も存在していました。同社の他に京王帝都電鉄でも発行されていた実績がありますが、首都圏の鉄道会社では、シンコー印刷の硬券は珍しい存在でした。
同駅では近距離乗車券の硬券については他駅同様に常時発売していましたが、きっぷは券売機で購入するというのが一般的になっておりましたので、わざわざ窓口に行って購入する客は蒐集家くらいしか居ませんでしたので、各駅同様にさほど券番は進んでいませんでした。
しかし、同駅は明治神宮の参拝客で混雑すると硬券の発売をしていたこともあり、比較的枚数を捌いていたようです。
原宿駅発行 120円区間ゆき片道乗車券
今からちょうど40年前の1985(昭和60)年1月2日に、原宿駅で発行された、同駅から120円区間ゆきの片道乗車券です。
桃色こくてつ地紋のB型金額式大人専用券で、東京印刷場で調製されたものです。
御紹介の券は初詣で混雑していた明治神宮の初詣客を捌くため、かつて同駅に設けられていました臨時ホームの出札口で発行されたものです。
現在であればSuicaなどの交通系IC乗車券が主流になっていますので「きっぷうりば」が混雑してもさほどではありませんが、当時は電車に乗るにはきっぷを購入しなければなりませんでしたので、改札を入る前、きっぷを購入するだけで長蛇の列に並ばなければなりませんでした。
当時の同駅の臨時ホームや出札小屋などは跡形もなく、現在では臨時ホームがあった場所に外回り方面ゆきのホームが出来ています。
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