趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
由利高原鉄道 矢島駅から東京都区内ゆき 片道連絡乗車券
日付が入っておりませんが、1987(昭和62)年9月に由利高原鉄道矢島駅で発行された、羽後本荘駅接続、JR東日本東京都区内ゆきの片道連絡乗車券です。
色が薄いですが、桃色由利高原鉄道自社地紋のA型一般式大人・小児用券で、印刷場は拙ブログ2024年7月22日にエントリーのいたしました「由利高原鉄道 矢島から象潟駅ゆき 片道連絡乗車券」で御紹介させていただきました西目駅ゆきおよび象潟駅ゆきのものと同じ印刷場であると思われます。
象潟駅ゆきの券を再掲いたします。活字の字体等は全く同一であると思われます。
裏面です。やはり券番は刻印されていない状態で納品されているようで、ナンバーリングによる手作業での券番が刻印されています。どうやら、上(右側)の刻印の際に手元がぶれたのでしょうか、刻印位置が上過ぎてしまったようで、再度正しい位置に刻印されています。
「東京都区内各駅(駅名標ロ区表示駅)下車前途無効」の文言は印刷場で印刷されています。
同社では、開業当初は東京都区内までの連絡乗車券の発売がありましたが、平成20年代頃に連絡運輸区域が縮小され、現在では東京都区内までの連絡乗車券の発売はありません。
由利高原鉄道 矢島駅から西目駅ゆき 片道連絡乗車券 ~その2
3回前のエントリーで、開業初期の由利高原鉄道の矢島駅で発行された、JR東日本の西目駅ゆき片道連絡乗車券を御紹介いたしましたが、同区間の乗車券は様式は変更されていますが、現在でも発売されておりましたので御紹介いたしましょう。
2019(令和元)年8月に、由利高原鉄道矢島駅で発行された、羽後本荘駅接続のJR東日本線西目駅ゆきの片道連絡乗車券です。桃色由利高原鉄道自社地紋のA型一般式大人・小児用券で、関東交通印刷で調製されたものと思われます。
再掲いたしますが、開業初期の同区間用の片道連絡乗車券です。開業から30年以上が経過し、同社の乗車券はかなり様変わりしています。
由利高原鉄道 矢島駅から象潟駅ゆき 片道連絡乗車券
前回エントリーで、由利高原鉄道矢島駅で発行された、西目駅ゆきの片道連絡乗車券を御紹介いたしましたが、当日、もう1口座を購入しておりましたので御紹介したいと思います。
1987(昭和62)年9月に由利高原鉄道矢島駅で発行された、羽後本荘駅接続のJR東日本象潟駅ゆきの片道連絡乗車券です。桃色由利高原鉄道自社地紋のB型一般式大人・小児用券で、前回御紹介いたしました西目駅ゆきのものと同じ印刷場で調製されたもののようです。
前回御紹介いたしました西目駅のものを再掲いたします。活字の字体等は全く同一のようですが、券紙の地紋の色が極端に異なっており、同じ事業者の乗車券とは思えない出来映えになっています。
由利高原鉄道 矢島駅から西目駅ゆき 片道連絡乗車券
1987(昭和62)年9月に由利高原鉄道矢島駅で発行された、羽後本荘駅接続、JR東日本西目駅ゆきの片道連絡乗車券です。
御紹介の券は開業初期に設備されたもので、由利高原鉄道自社地紋のB型一般式大人・小児用券で、印刷場は不明ですが、地元の印刷場で調製されたのではないかと思われます。
地紋の色が濃すぎて、文字が大変よみづらいものになっています。
裏面です。券番はナンバーリングで一枚一枚刻印されています。窓口氏にお伺いしたところ、印刷場から納品されたときは券番のない「のっぺらぼう」の状態だったそうです。
神岡鉄道 神岡鉱山前から飛騨神岡ゆき 片道乗車券
2001(平成13)年12月に神岡鉄道神岡鉱山前駅で発行された、飛騨神岡駅ゆきの片道乗車券です。
橙色神岡鉄道自社地紋の補充片道乗車券で発行されています。
裏面です。
同社はJRとの普通旅客の連絡運輸は行われていなかったと記憶しておりますが、業績が悪化してからと思われますが、補充券が設備されています。
同社では運賃収受は列車の運賃箱でおこなわれており、主要駅では乗車券が発売されているものの、その必要性はかなり低く、補充乗車券はおそらく増収策用として作成されたものと思われ、実際に使用することはできますが、実使用されることは殆どなかったと思われます。
神岡鉄道 硬券乗車券2種
神岡鉄道は神岡鉱山から産出される硫酸の安定輸送のために第三セクター鉄道路線として存続され、貨物列車の合間に旅客列車が運転されるようなダイヤ体系になっていました。
しかし、2004(平成16)年10月に屋台骨であった硫酸輸送がトラック輸送に切り替えられて終了し、収入源の7割以上を失ってしまうことになります。
これは突発的であったのか、それとも段階的であったのかは不明ですが、この2年前には神岡鉱山前駅の改装や奥飛騨温泉口駅の改築、本社の移転など、将来を見据えた投資が行われており、傍目から見ても不可解な経営判断が行われていました。
しかしながら、収入の7割に当たる貨物収入が無くなった以降は経営は厳しいものとなり、2006(平成18)年12月に神岡線は廃止され、翌2007(平成19)年には会社そのものが解散しています。
そのような状況のなか、同社では増収を見込んだのでしょうか、神岡鉱山前駅で硬券乗車券の発売を開始しています。
神岡鉱山前から奥飛騨温泉口ゆき
猪谷駅から神岡鉱山前ゆき
発売された硬券な上記の2種類で、発売開始がいつからであったのかは失念しましたが、2001(平成13)年12月に購入したと記憶しています。双方とも駅構内にある本社で発売されておりました。
神岡鉄道自社地紋のA型矢印式大人・小児用券で、開業5周年のときの硬券は日本交通印刷のものでしたが、この時は関東交通印刷で調製されたものと思われます。
図示致しませんが、裏面は券番のみで、料金機対応の記載等はありません。
神岡鉄道 開業5周年記念乗車券
1989(平成元)年10月に、神岡鉄道が開業5周年を記念して発行した、奥飛騨温泉口駅から猪谷駅ゆきの片道乗車券です。
大きさはA型券と同様の真鍮板で作られた券で、相互式大人・小児用券になります。
印字は刻印になっており、薄く削られた部分に黒色の塗料が入れられています。
裏面です。裏面には何もありません。
同線は国鉄が廃止した神岡線を神岡鉱山を所有する三井金属鉱業が全株式の51%を所有する大株主となり、鉱山から出荷される硫酸の安定輸送のために存続された第三セクターの鉄道で、記念乗車券を真鍮板で作成するというのは、いかにも鉱山鉄道ならではのような気がします。
実際、この券を作成するのにどれだけのコストが掛かっているのかは分かりませんが、もし本当に乗車された場合、採算は合わないような気がします。
神岡鉄道 神岡鉱山前駅から奥飛騨温泉口・神岡大橋・飛騨神岡ゆき 片道乗車券
前回エントリーで神岡鉱山前(旧・神岡口)駅では券売機発券の乗車券が発売されていたと申し上げましたが、手元に同社券売機券がございますので御紹介いたしたいと思います。
日付が変ですが、2000(平成12)年7月に神岡鉱山駅で発行された、奥飛騨温泉口・神岡大橋・飛騨神岡ゆきの片道乗車券です。
水色神岡鉄道自社地紋のA型券売機券で、食券用の自販機が使用されていました。
図示致しませんが、裏面には印字はなく、運賃箱への対応はされておりません。
着駅は奥飛騨温泉口・神岡大橋・飛騨神岡の各駅になっていますが、同駅からの駅順は飛騨神岡・神岡大橋・奥飛騨温泉口の順になりますので、記載する着駅の順番は上から飛騨神岡・神岡大橋・奥飛騨温泉口と記載するのが正当と思われます。
同線の列車は全列車がワンマン列車で、運賃箱を備えた車両が運用されておりましたため、もともとさほど多くはない乗降客数の同駅で乗車券を購入して乗車する旅客は殆ど居なかったものと思われ、発売日付の表記が変だろうと、着駅の表記が逆だろうと、問題はなかったものと思われます。
神岡鉄道 神岡口駅発行 開業記念乗車券
1984(昭和59)年10月に神岡鉄道神岡口(後の神岡鉱山前)駅で発行された、同線開業記念乗車券です。
神岡口駅から猪谷駅ゆき
奥飛騨温泉口駅から猪谷駅ゆき
水色神岡鉄道自社地紋のA型相互式大人・小児用券で、日本交通印刷で調製されたものです。開業時に登場したKM-100型気動車がデザインされておりますが、どちらも同じイラストになっていて、開業記念の乗車券にしては「使い回し感」があります。
神岡口駅から猪谷駅ゆき
奥飛騨温泉口駅から猪谷駅ゆき
裏面です。どちらも神岡口駅で発売されておりましたので、発行駅名は神岡口駅になっていました。1枚ずつバラバラで発売されていましたので、同時に購入しても券番は異なっていました。金額の安い神岡口~猪谷の券よりも金額の高い奥飛騨温泉口~猪谷の券のほうが売れていたのは意外です。
同線は国鉄神岡線が特定地方交通線に指定されて廃止された後、岐阜県の第三セクターとして路線が継承されたもので、正式名称は神岡鉄道神岡線といいました。存続理由は、沿線にある神岡鉱山からの安定した硫酸輸送を確保するためで、全株式の51%については鉱山を所有する三井金属鉱業が所有していました。
営業キロは19.9kmの路線で、途中の神岡口(のちの神岡鉱山前)駅以外では列車交換ができず、2閉塞区間が連続してスタフ閉塞式になった路線になっていました。
国鉄から継承されて開業した時点で、神岡駅が奥飛騨温泉口駅に、飛騨船津駅が飛騨神岡駅に、西漆山駅が漆山駅にそれぞれ改称されたうえで開業していますが、同駅だけは神岡口駅として開業し、半年後の1985(昭和60)年4月に神岡鉱山前駅に改称されています。そのため、同社の神岡口駅は開業から6ヶ月間だけの期間しか存在していません。
神岡口駅は同線では唯一の駅員配置駅になっていましたが、配置されている駅員はスタフ交換のための運転要員しか配置されておらず、駅事務室と待合室が別棟になっており、乗車券発売の窓口はなく、券売機が置かれているのみでした。
開業時には駅舎横に本社事務所があり、定期券や回数券、記念乗車券などの乗車券類はこちらで発売されておりましたが、普通乗車券の発売は行われていませんでした。
若桜鉄道 若桜駅から郡家駅接続津ノ井駅ゆき 片道連絡乗車券
2014(平成26)年7月に若桜鉄道の若桜駅で発行された、郡家駅接続、JR西日本因美線の津ノ井駅ゆきの片道連絡乗車券です。
桃色若桜鉄道自社地紋のB型一般式大人・小児用券で、関東交通印刷で調製されたものと思われます。
同社の硬券乗車券は開業当初は独自の印刷場で調製されたものが使用されておりましたが、平成になって日本交通印刷が調製したものに変更されています。
御紹介の券は関東交通印刷で調製されたもので、試験的に導入されたものと思われます。
従来の日本交通印刷で調製された券は、連絡乗車券と社線完結の乗車券の地紋が双方とも水色の自社地紋で、さらに、同社の連絡乗車券には接続駅を経由表記することをしないため、連絡乗車券と社線完結券の区別が付けづらいものでしたが、関東交通印刷券では連絡乗車券は桃色地紋に変更されており、視認性が向上しています。
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